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腎障害患者にH2ブロッカーは禁忌?
公開. 更新. 投稿者:腎臓病/透析.この記事は約4分39秒で読めます.
6,519 ビュー. カテゴリ:腎機能とH2ブロッカー
H2ブロッカーの多くはほぼ未変化体として腎臓から排泄されるため、腎機能の低下した患者への投与には適していない。
肝代謝型のPPIに変更されることが多い。
H2ブロッカー(ガスター、アシノン、タガメット、ザンタック、アルタット、プロテカジン)の添付文書では、「腎障害のある患者」に慎重投与となっている。
肝代謝型のプロテカジン(ラフチジン)では比較的腎障害患者に使いやすいという認識ですが、添付文書上は、他のH2ブロッカー同様「腎障害のある患者」に慎重投与となっており、「透析患者では非透析時の最高血中濃度が健康人の約2倍に上昇することが報告されているので、低用量から慎重に投与すること」という記載もみられるので、透析レベルの患者に適したものではない。
プロテカジンの薬物動態をみると、
高齢者では腎機能正常者(Ccr平均88.0±9.4mL/min)と腎機能低下傾向者(Ccr20~60mL/min、平均45.2±7.8mL/min)で血中動態に差を認めなかった。
透析患者では非透析時の血漿中未変化体濃度は健康成人と比べてCmaxが約2倍に上昇し、T1/2が約2倍に延長し、AUCが約3倍に増加した。
なお、ラフチジンは血液透析により7~18%が除去された。
とあり、中等度の腎障害レベルまでの使用は問題ないと思われる。
プロテカジンと腎障害患者
他のH2ブロッカーが腎排泄性であるのに対し、ラフチジン(プロテカジン、ストガー)は主に肝臓で代謝されます。
腎障害患者に腎排泄性のH2ブロッカーを投与する場合は、クレアチニンクリアランス(Ccr)値に応じた減量が必要となります。
一方、ラフチジンは腎障害患者に常用量を投与した場合も、健常者と副作用の発現率に差が無いことが確認されており、Ccrに応じた減量は不要となっています。
この特性のため、ラフチジンは腎障害患者に使いやすいとの認識が広まっています。
しかし、他剤より少ないとはいえ、ラフチジンの約20%は尿中に排泄されます。
透析患者に投与すると非透析時の血中濃度が約2倍になることや、ラフチジン投与により精神神経症状が発現した事例も報告されており、添付文書には透析患者への投与時は低用量から慎重に開始すべきであると記載されています。
慢性腎不全患者では、食欲不振、嘔気・嘔吐、上腹部不快感など上部消化管の不定愁訴を訴えることが多いとされており、胃炎の頻度が高くなっています。
その際にH2ブロッカーが投与されますが、H2ブロッカーの中で唯一ラフチジンは肝代謝型の薬剤であり、慢性腎不全患者に常用量を投与した場合でも、健常者と副作用の発現率に差はなく、クレアチニンクリアランスによる減量の必要はないとされており、比較的安心して使用することができます。
ただし、このラフチジンでも透析患者では血中濃度が約2倍になることが報告されており、腎不全患者への投与は低用量から慎重に開始するべきです。腎
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高齢者にH2ブロッカーは禁忌?
H2ブロッカーは腎排泄型の薬剤が多く、高齢者では用量調節が必要となる。
ガスターの場合、クレアチニンクリアランスが60を切ると用量調節が必要となる。
80歳を超えると平均で60程度にはなるので、多くの高齢者で用量調節が必要となる。
ザンタックの場合、クレアチニンクリアランスが70を切ると用量調節が必要となる。
クレアチニンクリアランス(mL/min):Ccr>70
投与法:1回150mg 1日2回
クレアチニンクリアランス(mL/min):70≧Ccr≧30
投与法:1回75mg 1日2回
クレアチニンクリアランス(mL/min):30>Ccr
投与法:1回75mg 1日1回
ラフチジン(プロテカジン)は腎排泄寄与が20%であり、腎機能低下による減量の必要はないが、透析患者では非透析時の最高血中濃度が健康人の約2倍に上昇することが報告されているため、低用量から慎重に投与する。
ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)は胃酸分泌抑制薬として知られる。
顆粒球減少や汎血球減少などの有害事象を起こし、重篤化する場合があるため、特に腎機能が低下している場合には投与量に十分な配慮が必要である。
日本老年医学会の「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」において、H2ブロッカーは、⑴認知機能低下、せん妄を引き起こすリスクがあるため、可能な限り使用を控えることが望ましい、⑵高齢者は腎機能が低下している者が多く、腎排泄型の薬剤は血中濃度が持続する可能性が高いため、必要な場合は少量から慎重に投与するとされている。
実際、H2ブロッカーは腎排泄型の薬剤が多く、腎機能に応じて、投与量を調節する必要がある。
H2ブロッカーのうち、ラフチジン(プロテカジン)は、高齢者の腎機能低下傾向者と腎機能清浄患者とで血中動態に差は無く、特定使用成績調査では腎機能低下例で副作用発現率の上昇を認めなかった。
このため、添付文書上は腎機能に応じた投与量の増減量について記載はない。
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