2024年11月14日更新.2,473記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

一包化可能なバルプロ酸Na製剤

バルプロ酸Na

デパケンと聞くと、「吸湿に注意、一包化不可」というイメージが浮かびますが、全てが一包化不可ということではなく、製品によって可能です。

しかし、ジェネリックの製品名で一包化処方がくると、「このジェネリックは一包化できるのか?」と不安になります。

その際はいちいち調べることになりますが、「本当に一包化していいのかな?」と疑心暗鬼になってメーカーまで問い合わせることになると時間のロスが著しいので、ある程度覚えておく必要がある。

一般名商品名用法一包化の可否
【般】バルプロ酸Na細粒20%デパケン細粒20%1日2~3回
バルプロ酸ナトリウム細粒20%「EMEC」1日2〜3回
【般】バルプロ酸Na細粒40%デパケン細粒40%1日2~3回
バルプロ酸ナトリウム細粒40%「EMEC」1日2〜3回
【般】バルプロ酸Na徐放顆粒40%セレニカR顆粒40%1日1回
バルプロ酸Na徐放顆粒40%「フジナガ」1日1回
バルプロ酸ナトリウム徐放U顆粒40%「アメル」1日1回
【般】バルプロ酸Na錠100mgデパケン錠100mg1日2~3回×
バルプロ酸Na錠100mg「フジナガ」1日2~3回×
バルプロ酸ナトリウム錠100mg「アメル」1日2〜3回×
バルプロ酸ナトリウム錠100mg「DSP」1日2〜3回
【般】バルプロ酸Na錠200mgデパケン錠200mg1日2~3回×
バルプロ酸Na錠200mg「フジナガ」1日2~3回×
バルプロ酸ナトリウム錠200mg「アメル」1日2〜3回×
バルプロ酸ナトリウム錠200mg「DSP」1日2〜3回
【般】バルプロ酸Na徐放錠100mgデパケンR錠100mg1日1~2回
バルプロ酸Na徐放錠A100mg「トーワ」1日1~2回
バルプロ酸ナトリウムSR錠100mg「アメル」1日1〜2回
【般】バルプロ酸Na徐放錠200mgセレニカR錠200mg1日1回×
デパケンR錠200mg1日1~2回
バルプロ酸Na徐放錠A200mg「トーワ」1日1~2回
バルプロ酸ナトリウムSR錠200mg「アメル」1日1〜2回
【般】バルプロ酸Na徐放錠400mgセレニカR錠400mg1日1回×

基本的には、普通錠はダメで徐放錠はOKというおおまかな全体像ですが、普通錠でもバルプロ酸ナトリウム錠「DSP」、徐放錠ではセレニカRが例外であり、バルプロ酸ナトリウム錠「DSP」は一包化可能、セレニカRは一包化不可の薬剤となっている。

一包化の指示があるかないかで選択する薬剤に違いが生じる可能性もある。

散剤はもちろん分包可能。

一包化の指示がきたとしても、不可の薬はシートでお渡しする。

デパケンは溶けても使える?

デパケンは吸湿性の高い薬です。

しかし、インタビューフォームをみると、

有効成分の各種条件下における安定性
試験結果の概略は下記のとおりであり、開放状態では潮解により液状を呈したが、いずれの条件下でも分解は認められなかった。

保存条件 試験結果
密封・遮光・25℃・24 ヵ月  外観変化はなく、分解は認められなかった。
開放・80%RH・40℃・4 日  吸湿により潮解し液状を呈したが分解は認められなかった。

バルプロ酸ナトリウムは潮解しても、含有量に変化はない。

デパケン細粒なんかが溶けても、分包紙についた粉を舐めてもらえばいいわけだ。

しかし、セレニカRの場合は、
「本剤は徐放性製剤であり、製剤の吸湿により溶出が加速されることがあるので、吸湿しないように保存させること。」
と添付文書にもあり、1日1回の徐放性にしてある意味もなくなるので、注意する必要があります。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

2 件のコメント

  • ナナシ薬剤師 のコメント
         

    初めまして、コメント失礼します。
    バルプロ酸ナトリウム錠「DSP」は、バラ錠包装もあり、一包化可と載せている資料もありますが、実際のところはどうなのでしょうか?

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    表が間違っていました。
    バレリン錠がバルプロ酸ナトリウム錠「DSP」に名称変更になったのでOKですね。訂正します。

コメント


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