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オルメテックとメトグルコは一包化不可?
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約3分60秒で読めます.
16,093 ビュー. カテゴリ:オルメテックとメトグルコの一包化
オルメテックの添付文書には、
「本剤をメトホルミン塩酸塩製剤又はカモスタットメシル酸塩製剤等と一包化し高温多湿条件下にて保存した場合、メトホルミン塩酸塩製剤又はカモスタットメシル酸塩製剤等が変色することがあるので、一包化は避けること。」
と書いてあります。
メトグルコとオルメテックの併用は良くありそうなので、注意する必要があります。
変色だけなら、2週間くらい一包化しても問題なさそうですが。
カモスタットメシル酸塩はフオイパン。
ピンク色になるようです。
この変色は、Voges-Proskauer(VP)反応によるもの。
VP反応は、オルメサルタンから遊離した(5-メチルー2-オキソー1、3-ジオキソールー4-イル)メチル基(DMDO基)が加水分解され、ジアセチルへ変化し、これらがメトホルミンのグアニジノ基と反応することにより起きると考えられている。
ただし、グアニジノ基とジアセチルのみでは進行せず、高温多湿下で進行することが推察されている。
グアニジノ基をもつ薬にはメトホルミン、カモスタットがある。
DMDO基をもつ薬にはオルメサルタンのほか、プルリフロキサシン(スオード)もあるが、スオードは一包化することがあまり考えられないからか添付文書には何の注意書きも無い。
レザルタスとメトグルコ
オルメテックがダメってことはレザルタスもダメってことです。
レザルタスの添付文書には以下のように書かれている。
本剤(オルメサルタン メドキソミル含有製剤)をメトホルミン塩酸塩製剤又はカモスタットメシル酸塩製剤等と一包化し高温多湿条件下にて保存した場合、メトホルミン塩酸塩製剤又はカモスタットメシル酸塩製剤等が変色することがあるので、一包化は避けること。
メトグルコがダメってことはメタクトもダメってことです。
メタクトの添付文書には以下のように書かれている。
本剤とオルメサルタン メドキソミル製剤等との一包化は避けること。[一包化して高温高湿度条件下にて保存した場合、本剤が変色することがある。]
抜けてしまうので要注意。
エクメットとオルメテック
それで、今度発売されるエクアとメトグルコの合剤「エクメット」についても調べてみましたが、オルメサルタンの文字が見当たらない。
一緒に一包化できるということか。
考えられる理由としては、エクメットのもともとの色が、変色しても目立たない色であるということかな。
ミカルディスとバイアスピリン
添付文書やインタビューフォームでは見当たらないが、ミカルディスとバイアスピリンの配合変化というのがあるようだ。
ミカルディスとバイアスピリンを一緒に一包化し、多湿環境下で保存した場合、錠剤同士が付着するという現象が確認されている。
また、ミカルディスとマドパーなどレボドパ含有製剤と一包化した場合にも、黄~茶褐色への錠剤の変色および付着がみられる報告がある。
メーカーは、ミカルディスの吸湿性が問題であるとの見解のもと、乾燥剤を用いるなど、保存状態に注意するよう情報提供を行っている。
ミカルディスに含まれるメグルミンという塩基性添加物が、バイアスピリンの腸溶性コーティング基剤であるメタクリル酸コポリマーLDという酸性添加物と接触することで酸・塩基反応が起こっていると推察されます。
テルミサルタンのジェネリックによっては、フィルムコーティングが施されており、メグルミンとメタクリル酸コポリマーLDの接触が起こらず、錠剤の付着を起こさないものもある。
こういう所でジェネリックを推奨してみるのもいい。
ミカルディスの一包化
ミカルディスは一包化に不向き、という情報が本に載っていたので調べる。
添付文書には、
「分包後は吸湿して軟化、黄変することがあるので、高温・多湿を避けて保存すること。」
と書いてある。
一包化を禁止しているわけではない。
インタビューフォームでは、温度25℃、湿度60%1か月で性状がわずかに黄変した、と書かれている。
湿度90%超えで潮解したと書いてありますが、湿度90%ってあまり体験したことが無い。
地域によってはあるかな。
湿気に気をつけてもらえば大丈夫かな。。。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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