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アシノンで唾液分泌促進?
公開. 更新. 投稿者:消化性潰瘍/逆流性食道炎.この記事は約5分37秒で読めます.
4,246 ビュー. カテゴリ:アシノンのコリンエステラーゼ阻害作用
ドライマウスに使う薬は?
アシノンはH2ブロッカーですが、アセチルコリンエステラーゼを阻害する作用があります。
アセチルコリンエステラーゼは、アセチルコリンをコリンと酢酸に分解する酵素です。
そのため、アセチルコリンが分解されにくくなり、副交感神経の刺激が長く続くことになります。
この効果を利用して、唾液分泌を亢進させる目的で処方されることがあります。
近年、急速な高齢化を反映して過活動勝眺の患者が増加しており、その治療目的で抗コリン薬の処方が増えている。
抗コリン薬は、副交感神経終末から放出されたアセチルコリンと競合して、排尿筋のムスカリン受容体のサブタイプであるM3受容体に結合し、その不随意収縮(排尿筋過活動)を抑制することにより、蓄尿症状を改善すると考えられている。
一方でM3受容体は、唾液腺腺房細胞の基底側膜にも存在し、水・電解質の分泌に重要な役割を果たす。
そのため、抗コリン薬の代表的な副作用の一つとして口腔内乾燥症が発現することがあり、患者の生活の質 (QOL)を損なう要因となっている。
また、C型肝炎に対するペグインターフェロン(PEG-IFN)とリバビリンの併用療法時には、口腔内乾燥症をはじめ、味覚異常、口内炎・口角炎、口唇炎、食物摂取困難感を患者が訴えることが多い。
中でも口内炎・口角炎・口唇炎は、唾液の減少により口腔内や歯面の清掃作用、潤滑作用が減弱し、細菌の繁殖が増加するため発症すると考えられている。
C型肝炎ウイルス に感染すると唾液腺障害が生じるとの報告や、C型肝炎患者では扁平苔癬や口腔内癌の発生頻度が高いことも明らかになっている。
ドライマウスに使われる薬
口腔内乾燥症の治療目的で、去痰薬であるブロムヘキシン塩酸塩(ビソルボン)やアンブロキソール塩酸塩(ムコソルバン)、シェーグ レン症候群に伴う唾液分泌促進薬であるアネトールトリチオン(アテネントー ル)が、適応外で用いられることがある。
サリベートエアゾールは、口腔内にエァゾール状の人工唾液を噴霧して一過性に口腔内を潤す補助的治療薬である。
効果の持続時間が30分程度と短く、特有な味とにおいがあるため、 人前では使用しづらい。
唾液腺のM3受容体に作用するセビメリン塩酸塩水和物(エボザック、サ リグレン)やピロカルピン塩酸塩(サラ ジェン)も、適応外で用いられることがあるが、多汗、嘔気、下痢などの副作用の発現が多い。
その上、過活動勝眺に適応のある抗コリン薬とは相反する作用のため、そもそも併用が懸念される。
ニザチジン(アシノン)は、H2受容体拮抗作用による酸分泌抑制に加え、コリンエステラーゼ阻害作用によって
アセチルコリンを増加させ、コリン作動性の副交感神経を刺激して、消化管運動を促進する作用を併せ持つ。
このコリンエステラーゼ阻害作用を応用し、唾液分泌を促進させて口腔内 乾燥症を改善する目的で、ニザチジンが適応外処方されている。
ニザチジンのコリンエステラーゼ阻害作用と、過活動膀胱に対する抗コリン薬の作用は、相反すると考えられる。
しかし、両者の併用による問題点は特に報告されておらず、経過は良好である。
唾液
唾液は唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺などの大唾液腺と多数の小唾液腺)から分泌される。
成人の唾液分泌量は、通常、1日当たり1~1.5リットルといわれている。
ただし、個人差が大きく、体調によっても変化する。
成分は水分が99%以上で、亜鉛含有蛋白質などの有機物が0.4~0.5%、そのほかに無機物、ガスなどを含有している。
通常のpHは6.3~6.8であるが、分泌が盛んになるとアルカリ性に傾くといわれる。
唾液の分泌は、交感神経と副交感神経の二重支配を受けている。
一般に、唾液の水分の分泌に関与しているのは副交感神経で、刺激により反射的(条件反射、無条件反射)な分泌が亢進する。
胃食道逆流症(GERD)の患者では、唾液分泌が低下していることが多いと報告されている。
機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシア(functional dyspepsisa:FD)は、症状の原因となる器質的、全身性、代謝性疾患がないにもかかわらず、慢性的に心窩部痛や胃もたれなどの心窩部を中心とする腹部症状を呈する疾患であると定義されている。
器質的疾患を除外するため、確定診断には内視鏡検査の実施が求められている。
日本人の有病率は、検診受診者の1~2割、上腹部症状を訴え医療機関を受診した患者の約半数に上る。
機能性ディスペプシアの症状は、食後愁訴症候群(postprandial distress syndrome:PDS)、心窩部痛症候群(epigastric pain syndrome:EPS)の大きく2つに分類される。
PDSは食後のもたれ感や食事開始後すぐに満腹感を覚える早期飽満感を主症状とし、EPSは排便などで改善しない心窩部の痛みや灼熱感を主症状とする。
しかし、症状は多様で、PDSとEPSを併発することも珍しくない。
その病態は単純でなく、複数の因子が関与していると考えられている。
FDの治療には非薬物療法と薬物療法がある。
非薬物療法としては、生活習慣の改善、食事療法などが挙げられる。
薬物療法では、酸分泌抑制薬(H2受容体拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬PPI)、消化管運動機能改善薬、漢方薬、抗うつ薬、抗不安薬などが用いられ、症状が消失しない場合などにはそれらが併用されることもある。
ニザチジン(アシノン)は胃酸分泌抑制作用と消化管運動促進作用を併せ持ち、EPS症状症状を抑えつつ、PDS症状を改善する。
ニザチジンはH2受容体拮抗作用により胃酸分泌を抑制するだけでなく、アセチルコリンエステラーゼを阻害することにより消化管運動促進作用(胃排出能の亢進、下部食道括約部LES圧の上昇)を持つことが報告されている。
一方、他のH2受容体拮抗薬のファモチジン(ガスター)、ラニチジン(ザンタック)、シメチジン(タガメット)や、PPIのオメプラゾール(オメプラール)、ランソプラゾール(タケプロン)での検討では、いずれも胃排出能の亢進効果は認めず、ラニチジンはむしろ胃排出能を有意に抑制していた。
アシノンの胃酸分泌抑制作用はPPIより劣る可能性があるものの、胃もたれ感に対する効果が同時に期待できる。
アシノン錠150mg 2錠
1日2回朝食後と寝る前 30日分
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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