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クロラムフェニコールを飲むと皮膚が灰色になる?
公開. 更新. 投稿者:抗菌薬/感染症.この記事は約2分36秒で読めます.
3,516 ビュー. カテゴリ:グレイ症候群とは?
クロラムフェニコールの副作用のグレイ症候群って何?
クロラムフェニコール系の薬といえば、婦人科から細菌性腟炎にクロマイ膣錠が処方されるのはたまにみるが、内服のクロロマイセチンの処方は見たことがない。
クロラムフェニコール系抗生物質は、再生不良性貧血など血液の副作用がでやすいので、一般的な感染症に第一選択することはありません。
クロロマイセチン錠の副作用にGray syndrome(グレイ症候群)というものがある。
小児等への注意として、「低出生体重児、新生児には投与しないこと。過量投与によりGray syndrome(腹部膨張に始まる嘔吐、下痢、皮膚蒼白、虚脱、呼吸停止等)が発症し、その予後が重篤である。」との記載がある。
クロラムフェニコール系抗菌薬が低出生体重児、新生児に過量に投与された場合、チアノーゼ、血管虚脱、そして死に至るグレイシンドロームを起こすことが報告されている。
新生児へのクロラムフェニコール投与は、肝機能が未熟であることからクロラムフェニコールの血中濃度が高まり、急性末梢循環不全を来す。この結果として皮膚の色が灰白色となるという。
妊娠中のクロラムフェニコール投与については、通常量が母体に投与された際の胎児血中濃度では、この症候群が起こるとは考えにくいですが、妊娠中には投与しないことが望ましいといわれています。
グレイ症候群と薬物代謝酵素
薬物代謝酵素活性は成熟に伴い変化することが知られている。
成人の肝臓で最も豊富に存在するシトクロームP450(CYP) であるCYP3A4は胎児の肝臓にはほとんどなく、CYP3A7が主なCYP3Aである。
CYP3A7は生後すぐをピークにその後急速に消失し、一方CYP3A4は生後1週間以内に出現し急速に増えていく。CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1なども出生後数日~数週でその活性が急速に上がるとされている。
一方、発達による活性の上昇に、やや時問がかかるものもあり、CYP1A2の活性は、生後1~3ヵ月程度で初めて上昇を始める。
この薬物代謝酵素の未熟性により、クロラムフェニコールによる灰白症候群(グレイ症候群)が引き起こされる。
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