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クロラムフェニコールを飲むと皮膚が灰色になる?
公開. 投稿者:抗菌薬/感染症.この記事は約2分31秒で読めます.
3,126 ビュー. カテゴリ:グレイ症候群とは?
クロロマイセチンの処方なんて見たことは無いが。
クロラムフェニコール系抗生物質は、再生不良性貧血など血液の副作用がでやすいので、一般的な感染症に第一選択することはありません。
新生児へのクロラムフェニコール投与は、肝機能が未熟であることからクロラムフェニコールの血中濃度が高まり、急性末梢循環不全を来す。この結果として皮膚の色が灰白色となるグレイ症候群 – meddic
クロラムフェニコール系抗菌薬が低出生体重児、新生児に過量に投与された場合、チアノーゼ、血管虚脱、そして死に至るグレイシンドロームを起こすことが報告されている。
妊婦がクロラムフェニコールを飲んだら
通常量が母体に投与された際の胎児血中濃度では、この症候群が起こるとは考えにくいですが、妊娠中には投与しないことが望ましいといわれています。
薬物代謝酵素は年齢とともに変化する?
薬物代謝酵素活性は成熟に伴い変化することが知られている。
成人の肝臓で最も豊富に存在するシトクロームP450(CYP) であるCYP3A4は胎児の肝臓にはほとんどなく、CYP3A7が主なCYP3Aである。
CYP3A7は生後すぐをピークにその後急速に消失し、一方CYP3A4は生後1週間以内に出現し急速に増えていく。
CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1なども出生後数日~数週でその活性が急速に上がるとされている。
一方、発達による活性の上昇に、やや時問がかかるものもあり、CYP1A2の活性は、生後1~3ヵ月程度で初めて上昇を始める。
薬物代謝酵素の未熟性が副作用に関係するとされる良い例が、クロラムフェニコールによる灰白症候群(典型的には、成人通常量より高い100mg/kg/日以上を3~ 4日以上投与した新生児で、腹部膨満、嘔吐、皮膚蒼白、循環虚脱、呼吸停止などを起こす)である。
一方、カルバマゼピンなどでは、体重当たりのクリアランスがむしろ小児の特定の年齢群で成人より高く、このような年齢群では1日投与量(体重当たり) が成人より高くなる。
参考書籍:調剤と情報2014.2
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