2025年8月21日更新.2,592記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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巻き爪は自分で治せる?

巻き爪を自分で治せる?ドラッグストアで手軽にできる対処法と注意点

「靴を履くと痛い」「爪が皮膚に食い込んでつらい」……巻き爪は多くの方が経験するトラブルです。
しかし、実際にお客様に相談を受けると、「皮膚科で診てもらってください」としか言えないことも多いでしょう。

でも、ドラッグストアでも応急処置や軽度の巻き爪のケアはある程度サポートできます。
ここでは、自分でできる巻き爪対処法やケア用品、医療機関に相談すべきタイミングなどを勉強します。

巻き爪とは?原因を知ろう

巻き爪(陥入爪)は、爪の端が内側に丸まって皮膚に食い込み、炎症や痛みを引き起こす状態です。
原因は様々ですが、主に以下のようなものが知られています。

・深爪(爪を短く切りすぎる)
・きつい靴やハイヒールによる圧迫
・爪の乾燥や変形
・遺伝的な爪の形
・スポーツなどで足にかかる負担

放置すると化膿したり、歩行に支障をきたす場合もあるため、早めの対策が重要です。

巻き爪のセルフケアで一番大事なのは「正しい爪の切り方」

軽度の巻き爪の場合、日々の爪の切り方を変えるだけで症状が改善することがあります。
ポイントはスクエアカット(四角く切る)です。

正しい爪の切り方
・爪の端を深く切らない
・真ん中を短くしすぎない
・両端を少し残し、角を丸めすぎない

深爪をすると爪が伸びるときに皮膚に食い込みやすくなるので、やや長めに切るのがポイントです。

もしすでに痛みが強い場合は、無理に爪を切ろうとせず、応急処置で痛みを和らげてから切るようにしましょう。

巻き爪の応急処置:ドラッグストアでできる方法

「病院に行くほどではないけれど、何とかしたい」という方におすすめの、手軽にできる方法がいくつかあります。

テーピング法
テーピングは、巻き爪の痛みを和らげつつ爪を伸ばしやすくする基本の応急処置です。

やり方
・皮膚を清潔にする
・巻き込んでいる側の爪の根元に弾性絆創膏(伸縮性テープ)を貼る
・爪を外に引っ張るようにテンションをかけて、テープをらせん状に足の指に巻き付ける
・テープの端をしっかり固定する

この方法で皮膚を引っ張り、爪が食い込む圧を減らします。
巻き爪専用のテーピングテープもありますが、ニチバンなどの弾力テープでも十分代用できます。

コットンパッキング
爪と皮膚の間にコットンを詰める方法です。
やり方は簡単ですが、清潔を保たないと化膿の原因になるので注意が必要です。

手順
・小さく丸めた綿球(清潔な脱脂綿を使用)
・爪の端を少し持ち上げ、そっと隙間に詰める
・痛みが和らぐまで毎日交換する

テープと併用するとさらに効果的です。

巻き爪用補正グッズ
最近はドラッグストアで「巻き爪補正プレート」「巻き爪リフト」など専用グッズが販売されています。

・爪に貼るプラスチックの補正板
・ワイヤーで持ち上げるタイプ
・痛みを緩和するシール

これらはあくまで軽度の巻き爪向けで、強い炎症や化膿がある場合は使えません。

痛みを和らげるグッズ
テーピング以外にも、痛み軽減用の保護パッドやガード付き絆創膏を活用する方法もあります。

・シリコンパッド付き絆創膏
・指サック型保護カバー
・ジェルクッション

「歩くと当たって痛い」という場合に非常に便利です。

ドラッグストアで揃えられるアイテムまとめ

以下は店頭でもよく見かける巻き爪ケアグッズです。

・弾性絆創膏(テーピング用)
・コットン・綿球
・巻き爪保護パッド
・巻き爪補正テープ・プレート
・抗菌パウダーや消毒液

症状に合わせて使い分けましょう。

皮膚科で行う治療:ワイヤー法とは?

「爪を自分で補正するのは怖い」という方も多いでしょう。
皮膚科で行う最も一般的な治療がワイヤー法(超弾性ワイヤー矯正法)です。

ワイヤー法の特徴
・専用の細いワイヤーを爪の端に通して、両端を持ち上げる
・徐々に爪が平らになり、痛みが改善する
・爪が一定の長さに伸びていないと施術できない

軽度~中等度の巻き爪に広く行われており、保険適用外の場合が多いので事前に料金を確認しましょう。

「爪を伸ばせない」方への工夫

「爪が伸びると痛くて我慢できない」という声も多いです。
この場合、テーピングやコットンパッキングで爪が皮膚に食い込む圧を軽減し、伸ばせる状態を作ることが重要です。

爪が十分に伸びると、皮膚科でのワイヤー法や自宅での補正グッズが使えるようになります。

病院に相談すべき症状

自宅ケアをしても改善しない、または以下の症状がある場合は、すぐに皮膚科や整形外科を受診しましょう。

・強い腫れや赤み
・化膿して膿が出る
・歩けないほどの痛み
・糖尿病や血行障害がある

炎症や感染は進行すると骨に達することもあるため、早めの受診が大切です。

巻き爪の再発を防ぐには?

一度治っても、再発する人が多いのが巻き爪の厄介なところ。
予防には日常生活の工夫が欠かせません。

・正しい爪の切り方を続ける
・指先を締めつける靴を避ける
・足の乾燥ケアをする
・足指に負担がかかる姿勢や歩き方を改善する

これだけでも再発リスクは大きく下がります。

まとめ

巻き爪は市販グッズで応急処置や軽度のケアができますが、痛みや炎症が強い場合は皮膚科で専門的な処置を受けるのが安心です。

ポイントをおさらいしましょう:

・爪の切り方はスクエアカット
・テーピングやコットンパッキングで痛みを緩和
・巻き爪補正プレートや保護パッドも活用
・爪が十分伸びるまでケアを継続
・化膿や強い痛みは病院へ

「まず何を試してみたらいい?」と悩む方は、ドラッグストアの薬剤師に相談するのも一つの方法です。

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