2024年12月2日更新.2,476記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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老健の入所者に処方箋は出せない?

介護施設と処方箋

老人ホームにも色々あってよくわからない、という私です。

民間の施設と、公的な施設。要介護状態のレベルに応じて様々な施設があります。

詳しい違いは↓

老人ホーム・介護施設の種類、それぞれの特徴

医療寄りの施設と、介護寄りの施設があります。

医療 病院>介護療養型医療施設(療養病床)>介護老人保健施設(老健)>特別養護老人ホーム(特養)>その他介護施設 介護

といった感じでしょうか。

病院と老人ホームの違いはズバリ、医師がいるかいないかという点。
で見ると、老健には医師の常駐が義務付けられており、特養は医師の配置が義務ではないという点で、医療と介護の線引きが 老健|特養 の間に引かれる。

療養病床はほぼ病院と同じような扱いなので、入院中の患者のような扱い。入院中の患者に対する処方箋については別の記事で扱うことにして、老健の患者というのがグレーゾーン。取扱いがグレーです。

老健患者に処方箋を発行することはできるのか?
基本的に老健の入所者に使用する薬代は施設の負担になります。
・老健には医師が配置されており、原則、配置医師が患者を診ている
・老健の医師は、保険医療機関における保険医ではないので、処方せんを交付することはできない

しかし何事にも例外というのがあるものです。

「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定め
る掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医
薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について

第11 処方せんの交付に係る厚生労働大臣が定める場合(掲示事項等告示第12関係)
介護老人保健施設の入所者である患者に対する薬剤又は治療材料の支給を目的とした処方せんの交付の禁止の例外として、次の場合を定めたものであること。
① 悪性新生物に罹患している患者に対して抗悪性腫瘍剤(注射薬を除く。)の支給を目的とする処方せんを交付する場合
② 疼痛コントロールのための医療用麻薬の支給を目的とする処方せんを交付する場合
③ 抗ウイルス剤(B型肝炎又はC型肝炎の効能若しくは効果を有するもの及び後天性免疫不全症候群又はHIV感染症の効能若しくは効果を有するものに限る。)の支給を目的とする処方せんを交付する場合
④ インターフェロン製剤(B型肝炎又はC型肝炎の効能若しくは効果を有するものに限る。)の支給を目的とする処方せんを交付する場合
⑤ 血友病の治療に係る血液凝固因子製剤及び血液凝固因子抗体迂回活性複合体の支給を目的とする処方せんを交付する場合
⑥ 自己連続携行式腹膜灌流に用いる薬剤の支給を目的とする処方せんを交付する場合
⑦ 診療報酬の算定方法別表第三調剤報酬点数表第4節区分番号30に掲げる特定保険医療材料の支給を目的とする処方せんを交付する場合
⑧ エリスロポエチン(在宅血液透析又は在宅腹膜灌流を行っている患者のうち腎性貧血状態にあるものに対して使用する場合に限る。)の支給を目的とする処方せんを交付する場合
⑨ ダルベポエチン(在宅血液透析又は在宅腹膜灌流を行っている患者のうち腎性貧血状態にあるものに対して使用する場合に限る。)の支給を目的とする処方せんを交付する場合
⑩ 人工腎臓用透析液(在宅血液透析患者に対して使用する場合に限る。)の支給を目的とする処方せんを交付する場合
⑪ 血液凝固阻止剤(在宅血液透析患者に対して使用する場合に限る。)の支給を目的とする処方せんを交付する場合
⑫ 生理食塩水(在宅血液透析患者に対して使用する場合に限る。)の支給を目的とする処方せんを交付する場合

上記のようなケースでは、老健に入所しつつ他の病院から処方箋を発行することも可能ということ。

上記以外の高額な難病治療薬などを使っている患者は、入所を拒否されるかも知れません。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

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2 件のコメント

  • 八木下芳子 のコメント
         

    教えてください。老健に入っている方がコロナにかかりました。老健の場合、ラゲブリオの処方箋を出してもらうことは出来ますか。

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    原則として、老健の入所者に対して処方箋を発行することはできませんが、特別な場合(悪性腫瘍や施設で対応できない急性疾患に対する治療に必要な投薬)に限っては、一部認められているそうなので、他の連携している医療機関から処方してもらうことは可能だと思います。

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