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イノラス配合経腸用液とラコール配合経腸用液の違いは?
公開. 更新. 投稿者:栄養/口腔ケア.この記事は約2分44秒で読めます.
11,926 ビュー. カテゴリ:イノラス配合経腸用液
大塚製薬から「イノラス配合経腸用液」というエンシュア、エネーボ、ラコールのような経腸栄養剤が発売され、デッドストックの温床である栄養剤のラインナップがまた増えた。
ヨーグルトフレーバーとりんごフレーバーの2つの味がある。
イノラスは、ラコール、エンシュア、エネーボと同じ、医療用医薬品の半消化態栄養剤である。最大の特徴は、他の製品と比べて1mL当たりのカロリーが高い点である。
イノラス配合経腸用液は、少量で効率的に栄養素やエネルギーを補給することを目的に、最新の栄養学的知見に 基づき設計した高濃度(1.6kcal/mL)の半消化態経腸栄養剤です。1パウチ300kcalの投与で、日本人の 食事摂取基準(2015年版)に規定された1日に必要なビタミン・微量元素の推奨量または目安量の 約1/3を充足できるように設計しています。また、カルニチンおよびコリンを配合しています。
容器は軽量で廃棄しやすいアルミパウチです。 捨てやすいのはいいよね。
ラコールは1kcal/mL、エンシュアリキッドも1kcal/mL、エネーボは1.2kcal/mL、エンシュアHは1.5kcal/mL、なので、そのさらに上をいく高濃度。
含まれる栄養素については、セレンやモリブデンなどの微量元素が、エンシュアやラコールに含まれておらず、「セレン欠乏症」の副作用も記載されているので気になるところだが、イノラスにはしっかり入っている。DHA(ドコサヘキサエン酸)まで入っている。
高濃度でたくさんの栄養素が入っている栄養剤がベストであるとすれば、イノラスが最強となる。
従来の経腸栄養剤は、成人の1日の標準摂取カロリーである1600kcal/日前後に配合設計されていた。そのため活動性が低く、1000kcal/日前後の維持エネルギー量で長期に栄養管理されている患者で、一部ビタミン・微量元素などの欠乏症が認められていた。
イノラスは、成人標準量を900kcal/日に設定しつつ、経腸栄養剤を長期に使用すると不足しがちなセレンやヨウ素、カルニチン、モリブデンなどが配合されており、1パウチで、ビタミン・微量元素の1日推奨量・目安量の約3分の1を充足できるよう設計されている。
高濃度だと1回に飲む量は少なるが、それによって逆に「栄養が足りなくなるのでは」と考える患者もいるので、理解されるよう説明が必要。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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