2024年12月2日更新.2,476記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

リリカ1日1回はダメ?

リリカの用法は1日2回?

リリカの用法は以下のようになっている。

神経障害性疼痛
通常、成人には初期用量としてプレガバリン1日150mgを1日2回に分けて経口投与し、その後1週間以上かけて1日用量として300mgまで漸増する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高用量は600mgを超えないこととし、いずれも1日2回に分けて経口投与する。
線維筋痛症に伴う疼痛
通常、成人には初期用量としてプレガバリン1日150mgを1日2回に分けて経口投与し、その後1週間以上かけて1日用量として300mgまで漸増した後、300~450mgで維持する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高用量は450mgを超えないこととし、いずれも1日2回に分けて経口投与する。

「いずれも1日2回に分けて経口投与する。」という最後の文言。
1日2回で処方しないとダメ、という保険請求上の縛りがみられる。

しかし、実際には1日1回という処方が多くみられる。

腎機能が低下した患者には、クレアチニンクリアランスに応じて減量し、1日1回という用法も可能ではある。

クレアチニンクリアランス(mL/min):≧60
1日投与量:150~600mg
初期用量:1回75mg1日2回
維持量:1回150mg1日2回
最高投与量:1回300mg1日2回

クレアチニンクリアランス(mL/min):≧30-<60
1日投与量:75~300mg
初期用量:1回25mg1日3回又は1回75mg1日1回
維持量:1回50mg1日3回又は1回75mg1日2回
最高投与量:1回100mg1日3回又は1回150mg1日2回

クレアチニンクリアランス(mL/min):≧15-<30
1日投与量:25~150mg
初期用量:1回25mg1日1回もしくは2回又は1回50mg1日1回
維持量:1回75mg1日1回
最高投与量:1回75mg1日2回又は1回150mg1日1回

クレアチニンクリアランス(mL/min):<15
1日投与量:25~75mg
初期用量:1回25mg1日1回
維持量:1回25又は50mg1日1回
最高投与量:1回75mg1日1回

クレアチニンクリアランス(mL/min):血液透析後の補充用量
初期用量:25又は50mg
維持量:50又は75mg
最高投与量:100又は150mg

クレアチニンクリアランス推算式(Cockcroft-Gaultの式)
男性:(140−年齢)×体重/(72×血清クレアチニン値)  女性:0.85×(140−年齢)×体重/(72×血清クレアチニン値)

この式からクレアチニンクリアランスを推算すると、70歳以上の高齢者であればクレアチニンクリアランスはほぼ60を切る。
しかし、30を切るのはなかなか難しい。それなりの腎機能障害が見られる人でないと。
なので、高齢だからという理由で維持量1日1回、という風にみるのは保険請求上は難しいかな。

リリカで1日1回という処方がきたら、疑義照会しないとダメ?かなあ。

リリカは少量から開始する?

リリカの用法は、

通常、成人には初期用量としてプレガバリン1日150mgを1日2回に分けて経口投与し、その後1週間以上かけて1日用量として300mgまで漸増する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高用量は600mgを超えないこととし、いずれも1日2回に分けて経口投与する。

となっている。

初期量が1回75mgで、常用量が1回150mg。
最高で1回300mg。

しかし、うちの患者さんでリリカを飲んでいる患者さんのほとんどは1回75mgのまま。
1回150mgに増量している患者さんはわずか。

リリカの副作用では「めまい」が多く発現する。

そのため特に高齢者では注意を要する。

高齢者では腎機能が低下していることが多いため、クレアチニンクリアランス値を参考に投与量、投与間隔を調節するなど、慎重に投与すること。

腎機能に応じて投与量を設定するのが望ましいのだろう。
でも、とりあえず少量から開始すれば無難。

高齢者では、1回25mgから開始する方法がとられることが多い。

神経性疼痛緩和薬

リリカは神経性疼痛緩和薬という薬効分類である。
中枢神経系においてカルシウム流入を抑制し、グルタミン酸などの興奮性神経伝達物質の遊離を抑制することにより、過剰に興奮した神経を鎮め、痛みを和らげます。

過剰に興奮した興奮性神経系において、電位依存性カルシウムチャネルの機能に対し補助的な役割をになうα2δ(アルファ2デルタ)サブユニットと強く結合します。

すると、神経シナプスにおけるカルシウム流入が低下し、グルタミン酸等の興奮性神経伝達物質の放出が抑制されます。

その結果、帯状疱疹後神経痛を含む神経障害性疼痛がやわらぎます。

化学構造的には、GABA(γ-アミノ酪酸)誘導体になります。

処方例

リリカOD錠150mg 2錠  
 1日2回朝夕食後 30日分

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

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4 件のコメント

  • 服用中 のコメント
         

    25mgを1日1回服用中です。
    初回、分2で処方されましたが、副作用のめまいがひどいため、分1寝る前のみになっています。
    こういう副作用の出現を理由を付けた処方でも、通らないものなのでしょうか?。

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    自分は審査をする人間ではないので勝手なことは言えませんが。
    理由があればレセプト摘要欄にその旨をコメント記載すれば、通るでしょう。
    コメント記載などしなくてもリリカ25mg1日1回で返戻が来たことはありません。レセプト上はスルーされていると思われます。
    というか腎機能低下例では1日1回投与も認められているわけで、処方せん上で腎機能まではわからないので、レセプトで査定されるようなことは無いでしょう。

  • 田舎の薬剤師 のコメント
         

    いつも勉強させていただいています。先日個別指導にいったのですが、高齢者にリリカ25mg 2カプセル分2の処方が返還対象になりました。腎機能障害がないのに低用量なので疑義照会してなければ調剤不可とのことでした。指導側曰くこんな量で効くわけがないそうです。

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    貴重な情報ありがとうございます。
    厳しいですね。うちは整形外科メインなので、その処方が返還対象になったらかなり痛い。
    最近感じることですが、今までなあなあにしていた疑義照会の徹底というものが薬剤師に求められているような気がします。
    個人的には、医師の高圧的な態度と5分10分当たり前の電話待ち時間が億劫なのですが。

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