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リリカとアクトスを併用しちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:相互作用/薬物動態.この記事は約2分8秒で読めます.
2,239 ビュー. カテゴリ:リリカとアクトスの併用
リリカが糖尿病性末梢神経障害に処方されていて、アクトスを併用しているというケースはよくみられる。
しかし、この組み合わせは併用注意の組み合わせである。
リリカの相互作用には以下のように書かれている。
4. 薬剤名等
末梢性浮腫を引き起こす薬剤(チアゾリジン系薬剤等)
臨床症状・措置方法
チアゾリジン系薬剤と本剤の併用により末梢性浮腫を発症するリスクが高まるおそれがある。また、チアゾリジン系薬剤は体重増加又は体液貯留を引き起こし、心不全が発症又は悪化することがあるため、本剤と併用する場合には慎重に投与すること。
機序・危険因子
機序不明
リリカとアクトスの併用でむくみが起こりやすくなり体重増加し、心不全に至る可能性が高まる。
インタビューフォームにはさらに詳しく書かれている。
(4)末梢性浮腫を引き起こす薬剤(チアゾリジン系薬剤等)
外国における本剤の糖尿病性末梢神経障害に伴う疼痛を対象とした試験において、本剤とチアゾリジン系糖尿病治療薬とを併用していた患者では、どちらか一方しか使用していなかった患者に比べ、体重増加及び末梢性浮腫が高頻度に認められている。
また、海外の安全性データベースに登録されている本剤の糖尿病性末梢神経障害に伴う疼痛を対象とした試験において、チアゾリジン系薬剤を併用していた集団における末梢性浮腫の発現率は、チアゾリジン系薬剤群で3%(2/60 例)、本剤群で8%(69/859 例)であったのに対し、両剤併用群では19%(23/120 例)であった。同様に体重増加発現率も、チアゾリジン系薬剤群で0%(0/60例)、本剤群で4%(35/859 例)、両剤併用群で7.5%(9/120 例)であった。
チアゾリジン系糖尿病治療薬は体重増加、体液貯留、又はその両方を引き起こすことがあり、心不全又はその悪化のおそれがあるため、これらの薬剤を服用している場合は併用に注意すること。
末梢性浮腫の発現率は、アクトスで3%、リリカでは8%、併用で19%に上がる。
むしろアクトス単独群のほうがむくみや体重増加が少ないというのは意外。
併用禁忌ではないので、医師の判断で使用可能ですが、リリカがアクトスのむくみリスクを上げることは知っておこう。
リリカOD錠150mg 2錠
1日2回朝夕食後 30日分
リリカとNSAIDsの併用
また、リリカと併用される薬で最も多いのがNSAIDs。
セレコックス、ロキソニンなど。
NSAIDsにより、PGE2等の産生が抑制されると、腎臓の輸入細動脈が収縮し、腎血流量が減少します。
その結果、代償的に近位尿細管再吸収が促進されて、Naや水の貯留が進み、血圧の上昇やむくみをきたします。
体内の水分貯留により、息切れや下腿のむくみ、頻脈や不整脈など、心不全の症状が出現させることがあります。
リリカとアクトスとセレコックス併用されてる患者など見かけた際には、心不全兆候に要注意。
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