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飲み薬と併用禁忌の外用薬
公開. 更新. 投稿者:相互作用/薬物動態.この記事は約2分39秒で読めます.
3,386 ビュー. カテゴリ:飲み薬と併用禁忌の外用薬
例えば、湿布が処方されている患者が、いくつか飲み薬を処方されていたとしても、「貼り薬」の「飲み合わせ」について気にする人は少ない。
患者はもちろん、医師や薬剤師も。
貼り薬が飲み薬の働きに影響するほど、血中濃度を高めるとは思えないからだ。
しかし、ロコアテープという痛み止めの貼り薬には、併用禁忌となっている飲み薬がある。
ロコアテープの併用禁忌には以下のように書かれている。
薬剤名等
エノキサシン水和物
ロメフロキサシン[ロメバクト][バレオン]
ノルフロキサシン[バクシダール]臨床症状・措置方法
フルルビプロフェン アキセチルで併用により痙攣があらわれたとの報告がある。機序・危険因子
ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる。薬剤名等
プルリフロキサシン[スオード]臨床症状・措置方法
併用により痙攣があらわれるおそれがある。機序・危険因子
ニューキノロン系抗菌剤のGABA阻害作用が併用により増強されるためと考えられる。
ロコアテープと、ロメバクト・バレオン、バクシダール、スオードは併用禁忌となっている。
盲点です。スルーしてしまいそう。
添付文書上の併用禁忌以外にも、ロコアテープは保険請求上、モーラスなどの貼付剤や、NSAIDs、私の地域ではカロナールとの併用も査定されるという話を聞きました。要注意です。
他にも、飲み薬と併用禁忌となっている外用薬(塗り薬、貼り薬、目薬、点鼻薬)は無いか調べてみましたが、見当たらなかった。
アイオピジンUD点眼液1%やプリビナ、ナシビンなどの血管収縮点鼻薬の併用禁忌に「モノアミン酸化酵素阻害剤」というのがあるので、エフピーが併用禁忌に当たるようにも見えるが、エフピーはMAO-B阻害薬である。
これらの血管収縮薬がMAO阻害薬と併用禁忌の理由は、「ノルアドレナリンの代謝を抑制する薬剤との併用により、過度の血管収縮を起こすことが考えられる。」為である。
ノルアドレナリンの代謝に係る酵素はMAO-Aであり、MAO-Bはドパミンの代謝に係ります。
よって、MAO阻害薬サフラの無い今、アイオピジンや血管収縮点鼻薬と併用禁忌の内服薬はありません。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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