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エピデュオゲルを第一選択で使っちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:皮膚感染症/水虫/ヘルペス.この記事は約3分52秒で読めます.
5,659 ビュー. カテゴリ:ニキビ治療薬の皮膚刺激感
ディフェリンゲル(アダパレン)は皮膚刺激感の副作用で有名です。
そのため、ディフェリンゲルを使用する前に、ヒルドイドソフトを使用するケースも多い。
同じくニキビの治療薬で、ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)も皮膚刺激感があります。
それぞれ承認時の副作用は、
ディフェリンゲル
「主な副作用は、皮膚乾燥(305例、56.1%)、皮膚不快感(259例、47.6%)、皮膚剥脱(182例、33.5%)、紅斑(119例、21.9%)、そう痒症(72例、13.2%)、湿疹(11例、2.0%)、ざ瘡(7例、1.3%)、接触性皮膚炎(7例、1.3%)、皮膚刺激(6例、1.1%)であった。」
ベピオゲル
「主な副作用は、皮膚剥脱(鱗屑)81例(18.6%)、適用部位刺激感61例(14.0%)、適用部位紅斑60例(13.8%)、適用部位乾燥32例(7.4%)であった。」
そして、この2種類の合剤があります。それがエピデュオゲル。
内服薬の配合剤では、「第一選択として用いないこと」といった記載が多くみられるが、ニキビ治療薬のエピデュオゲルやデュアック配合ゲルは、第一選択で用いることもできる。
しかし、エピデュオゲルの重要な基本的注意には、「本剤はアダパレンと過酸化ベンゾイルの配合剤であり、各単剤よりも皮膚刺激が発現するおそれがあるため、本剤よりも先に各単剤による治療を考慮すること。」と記載されており、各薬剤単剤で使用するよりも刺激感が出る可能性が高いので、まずは単剤での使用を考慮する。
第一選択で使ってもいいけど、単剤での使用をまず考慮してねってこと。
ニキビに使用する配合剤としては、デュアック配合ゲルという薬もあるが、こちらには、ダラシン(クリンダマイシン)とベピオゲル(過酸化ベンゾイル)の合剤で、単剤使用からの切り替えは特に求められていない。ダラシンは特に皮膚刺激感の副作用が多いわけではないので、第一選択として使えるということだろう。
エピデュオゲルの刺激感
エピデュオゲルは、アダパレン(ディフェリン)と過酸化ベンゾイル(ベピオ)の2つの有効成分を組み合わせたにきび治療薬です。
アダパレンには、皮膚の表面にたまった古い角質を取り除き、毛穴の詰まりを改善する働きがあります(ピーリング作用)。
過酸化ベンゾイルには、強力な殺菌作用と、こちらも角質を取り除く作用があります。
このような薬の特性から、使い始めの時期に皮膚に刺激が出ることがよくあります。
皮膚の乾燥、つっぱり感やかゆみ、赤み(紅斑)、表皮のめくれ(剥脱)といった症状です。
こうした症状の多くは、薬の作用による自然な反応であり、使い続けるうちに軽くなることが多いとされています。
ただし、皮膚が真っ赤に腫れ上がったり、強い痛みやかゆみがある場合は、使用を中止して医師に相談する必要があります。
一方で、軽い乾燥やヒリヒリ感であれば、治療を継続しながら様子を見ることが一般的です。
このような反応は、「薬が効いていない」わけではなく、むしろ薬が角質に作用している証拠とも考えられます。そのため、あらかじめ患者さんに説明しておくと、安心して治療を続けられます。
刺激感や乾燥をやわらげるためには、保湿ケアがとても大切です。
洗顔後は、低刺激で毛穴をふさがないタイプの化粧水や乳液などで、しっかり保湿しましょう。
また、エピデュオやディフェリン、ベピオなどの外用薬では、保湿剤(プロペトなど)を併用することがあります。
使い方の一例としては、エピデュオをニキビの部分やその周辺に塗った後、上からプロペト(白色ワセリン)を重ね塗りします。
プロペトは、肌を守る「保護膜」のような役割を果たし、翌朝のヒリヒリ感を軽減することができます。刺激が強いと感じる場合は、1日に数回塗っても問題ありません。
なお、塗布の順番や使用量については、医師の指示に従うようにしましょう。人によって使用方法が異なることもあるため、薬局や医療機関で確認しておくと安心です。


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