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アクアチム軟膏はニキビに効かない?
公開. 更新. 投稿者:皮膚感染症/水虫/ヘルペス.この記事は約3分52秒で読めます.
4,942 ビュー. カテゴリ:アクアチムの効能効果とにきび
アクアチム軟膏の適応は、
<適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属、アクネ菌
<適応症>
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症
アクアチムクリームの適応は、
<適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属、アクネ菌
<適応症>
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)
アクアチムローションの適応は、
<適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属、アクネ菌
<適応症>
ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)
アクアチム軟膏には、ざ瘡(ニキビ)の適応の記載がありません。
でも、ニキビに処方されることはあります。
ニキビは表在性皮膚感染症に含めて考えちゃいかんのかな。
軟膏よりクリームやローションのほうが浸透力はありそうなので、効果に違いがあるのかも。
でも、刺激は軟膏のほうが少ないので、敏感肌の人は軟膏の方が良いかな。
でも軟膏はテカるから、外出時には使いにくそうだし。
ざ瘡に適応を持つ外用薬 | 効能効果 |
---|---|
ゼビアックスローション | 表在性皮膚感染症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの) |
ディフェリンゲル | 尋常性ざ瘡 |
デュアック配合ゲル | 尋常性ざ瘡 |
ベピオゲル | 尋常性ざ瘡 |
アクアチムクリーム | 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの) |
アクアチムローション | ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの) |
ベシカムクリーム | 尋常性ざ瘡 、帯状疱疹、急性湿疹、接触皮膚炎、アトピー皮膚炎、慢性湿疹、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎 |
ダラシンTゲル/ダラシンTローション | ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの) |
イオウ・カンフルローション | ざ瘡、酒さ |
尋常性ざ瘡治療ガイドライン
ニキビの種類と推奨度
白ニキビ・黒ニキビ
(A)アダパレン、(C1)ケミカルピーリング(C1)イオウ製剤外用、(C1/2)漢方
赤ニキビ(軽症)
(A)抗菌薬外用、(A)アダパレン(C1)ケミカルピーリング、(C1/2)漢方
赤ニキビ(中等症)
(A)抗菌薬内服、(A)抗菌薬外用(A)アダパレン(C1)ケミカルピーリング
赤ニキビ(重症)
(A)抗菌薬内服(A)抗菌薬外用(A)アダパレン(C1)ケミカルピーリング
赤ニキビ(最重症)
(A)抗菌薬内服、(A)抗菌薬外用
A=行うよう強く推奨する。B=行うよう推奨する。C1=良質な根拠は少ないが、選択肢の一つとして推奨する。C2-充分な根拠が少ないので現時点では推奨できない。
「外用抗菌薬」では、ダラシンTゲル(クリンダマイシン)とアクアチムクリームまたはアクアチムローション(ナジフロキサシン)が強く推奨されています。
ニキビにアクアチム軟膏はエビデンスが無い、ってことかな。
まあ、プロアクティブぐらいは効くんじゃないかと。
にきびと抗生物質
内服薬は古くからテトラサイクリン系の薬剤が使用されていましたが、最近になりマクロライド系が頻用されるようになりました。
にきびの患者さんの場合にはほかに合併症のある症例はまれですので、副作用を考慮するとマクロライド系も使いやすい薬剤です。
抗菌外用薬
各種抗生物質、抗菌薬、サルファ剤が用いられる。
薬剤に対する過敏症に注意し、感受性を考えながら選択する。
抗菌外用剤は皮膚・軟部組織感染症のうち表在性感染症、毛嚢炎や化膿性汗孔周囲炎などの付属器感染症、尋常性ざ瘡、黄色ブドウ球菌による伝染性膿痂疹、湿疹・皮膚炎の二次感染、浅在性熱傷の二次感染などに限られる。
尋常性ざ瘡に対してはナジフロキサシン、クリンダマイシンがあり、いずれも化膿性炎症を伴う例が適応となる。
基剤は、びらん面や湿潤面では軟膏基剤を用い、ざ瘡などではクリーム基剤や液剤、ゲルを用いる。
サルファ剤としてはスルファジアジン、スルファジアジン銀があり、皮膚潰瘍、浅在性熱傷の二次感染、感染を伴う褥瘡などに用いられる。
スルファジアジンは水溶性基剤のため、滲出液のやや多い創面に、スルファジアジン銀はクリーム基剤で滲出液が比較的少ない創面に用いられる。
スルファジアジン銀では銀が抗菌作用(細胞膜・細胞壁傷害、バイオフィルム内の細菌にも有効)を持ち、多剤耐性菌に対する高い感受性、幅広い抗菌スペクトルを持つ。
抗菌外用剤の使用にあたっては、外用剤による接触皮膚炎、長期投与に伴う耐性菌出現に注意する必要がある。
全身的に投与しうる抗生剤では、外用によって経皮感作され、アレルギー性の薬疹を生じる可能性がある。
フシジンレオ軟膏
海外では繁用されて、耐性菌が問題となっているが、日本ではまだ使用頻度が低く、有用な抗菌外用薬である。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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2 件のコメント
日経DIの本によると、アクアチム軟膏は、軟膏の油分がざ瘡によくないというイメージがあるため
あえて適用はとってないだけだそうです。
そういう場合って、適用外でも普通に処方していいんですかね?
(新米薬剤師なので、よくわからないのですが、勤務薬局ではニキビに軟膏がすごくでるのですが・・・)
コメントありがとうございます。
適応外処方の是非については、色々あるでしょうけど、個人的には適応外だからといって疑義照会をかけて医師から疎ましく思われるのは嫌なので、スルーしますが。
アクアチム軟膏をニキビに処方するというケースは、適応外であることを知らない医師も多そう。