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べピオゲルは漂白剤?
公開. 更新. 投稿者:皮膚感染症/水虫/ヘルペス.この記事は約4分19秒で読めます.
2,448 ビュー. カテゴリ:漂白剤がニキビに効く?
ベピオゲルというニキビ治療薬が2015年4月に発売された。
成分は過酸化ベンゾイル。もともと漂白剤として使われていたものらしい。
ベピオゲルの使用上の注意に、
「本剤は漂白作用があるので、髪、衣料等に付着しないように注意すること。」
と書かれている。
ベピオゲルには漂白作用があるので、髪が脱色する可能性がある、らしい。
脱色すると聞くと、カネボウの化粧品のように白斑ができるのではないかと心配する声も聞かれそうですが、そういう副作用報告は無いようなので、心配いらない、のだろう。美白作用も期待はできない。
ベピオゲルを塗っていて、髪につく可能性は低いかも知れないが、眉毛にはつきそう。
尋常性ざ瘡の治療としては、抗炎症作用を有するアダパレン(ディフェリンゲル)と、外用及び内服抗菌薬の併用療法などが行われている。
しかし海外では抗菌薬の長期使用による薬剤耐性アクネ菌の出現が大きな問題となっており、欧米などでは、耐性菌の懸念がない過酸化ベンゾイル含有製剤の使用が治療ガイドラインで推奨され、標準治療となっている。
過酸化ベンゾイルは、分解により生成するフリーラジカルが、アクネ菌、各種のブドウ球菌に対し抗菌作用を発揮する。
また、過酸化ベンゾイルは角質細胞同士の結合を緩めて角層剥離を促し、角層肥厚を改善する作用もある。
日本皮膚科学会は、耐性菌出現の抑制を狙って、過酸化ベンゾイルの早期承認を求める要望書を10年に厚労省へ提出した。
海外での製剤と同じ2.5%濃度の過酸化ベンゾイルゲル製剤について国内臨床試験が行われ、有効性と安全性が確認された。
主な副作用は皮膚剥脱(18.6%)、適用部位刺激感(14.0%)、適用部位紅斑(13.8%)、適用部位乾燥(7.4%)などだった。
患者には、過酸化ベンゾイルと他の外用薬を併用すると皮膚刺激症状が強まる恐れがあることを伝える必要がある。
また、過酸化ベンゾイルには漂白作用があるため、塗布時に髪、衣服などに付着させないように指導する。
ニキビの治療薬としても用いられ、商品名として Basiron®、Stioxyl®、Panoxyl® が知られている。典型的には 10% 以下の濃度のゲルやクリームの形で患部に塗布するが、乾燥や炎症の原因となることもある。過酸化ベンゾイルに対して過敏な人も少数おり、薬傷、かゆみ、剥皮、まれに腫れなどの症状が見られる。まず少量で試してから使用することが勧められる。これらの症状を避けるには、濃度 10% のものとほぼ同等の作用が認められる上、副作用が少ない 2.5% 含有量のものを使うのがよいとされる。ニキビに対する作用機序は明らかになっていないが、皮膚の細孔に入りやすく、酸化によってバクテリアの代謝を阻害すると推定されている。
過酸化ベンゾイル – Wikipedia
アメリカのクレアラシルには過酸化ベンゾイルが入っているらしい。
クレアラシルの注意書きに以下のように書かれている。
極度の敏感肌の方、あるいは過酸化ベンゾイルに敏感な方は使用しないでください。目や口に使用しないでください。人によっては、赤色、強い痛み、かゆみ、ピーリングなどの炎症を起こすかもしれません。軽度の炎症は、使用頻度を減らすことで軽減されるかもしれません。炎症が悪化したり、持続する場合は医師にご相談ください。他のニキビ薬と併用してはいけません。
衣類・カーペット・髪につかないようにしてください。漂白作用があります。
漂白作用がある。
「漂白作用があるので、気をつけてください」
と、ド直球に言ったら患者は怖がるので言い方に気を付ける。
過酸化ベンゾイルと接触性皮膚炎
過酸化ベンゾイルの副作用として、皮膚乾燥、皮膚剥脱、紅斑、刺激、痒み、接触皮膚炎などを生じる可能性がある。
そのため、使用に際してはあらかじめ十分説明することが重要である。万が一、接触皮膚炎が生じた場合は、すぐに使用を中止し、受診するよう指導する。初めて使用する患者には、できれば1~2週間以内での再受診を勧める。
べピオゲルに耐性菌はできない?
ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)というニキビに使われる塗り薬があります。
過酸化ベンゾイルは、欧米ではにきびの標準治療薬として40年以上使用されてきた成分で、抗菌作用と角質剥離作用を持っています。
ざ瘡(にきび)は、毛穴開口部が硬くなり(角化)、そこに皮脂がたまった非炎症性皮疹(面皰)という状態から始まります。
ここでアクネ菌などの細菌が増殖して炎症が生じ、赤い腫物(紅色丘疹)や膿疱などの炎症性皮疹になります。
過酸化ベンゾイルは角質を毛穴から剥離させ、アクネ菌などを殺菌し、にきびを治療します。
日本皮膚科学会のガイドラインに基づくこれまでの治療では、非炎症性皮疹にはレチノイド外用薬のアダパレン(ディフェリン)、炎症性皮疹にはアダパレンに加えクリンダマイシン(ダラシンT)、ナジフロキサシン(アクアチム)などの外用抗菌薬が推奨されてきました。
重症のにきびでは、外用薬に加えて内服抗菌薬が追加されます。
しかし最近になって、抗菌薬の長期使用による薬剤耐性菌の出現が問題視されるようになってきました。
薬剤耐性菌の増加を防ぐ観点から、外用抗菌薬の単独使用や、外用・内服抗菌薬の長期連用は避ける。外用抗菌薬を使用する際は、過酸化ベンゾイルやアダパレンを必ず併用するか、配合剤を使うようにする。
過酸化ベンゾイルの特徴は、耐性菌の懸念がほとんどないことです。
海外では40年以上使用されているにもかかわらず、薬剤耐性菌の報告はありません。
細菌の膜構造やDNAなど、複数の作用点に働くため耐性が生じないと考えられています。
また、塗布後、体内に吸収され、すぐに代謝・排泄されるのも大きな特徴です。
過酸化ベンゾイルには塗布部位の制限がなく、顔面以外にも使用可能です。
過酸化ベンゾイルの副作用は刺激感などです。
過酸化ベンゾイルの使用中は角質の剥離作用で皮膚が薄くなるため、乾燥や紅斑、痒みが出ることがあります。
これらの副作用には保湿剤の併用などで対処します。
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