2024年11月4日更新.2,470記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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1日2回朝と寝る前に飲む薬

1日2回は朝夕食後?

1日2回という用法を見たら、迷わず「朝夕食後」とイメージする。

しかし添付文書上、1日2回という用法でも「1日2回朝と寝る前」となっている薬がちらほら存在する。

そんな薬が、「個別指導において保険薬局に改善を求めた主な指摘事項」で「承認内容と異なる用法で処方されているもの」として指摘されてたりする。

実際、「1日2回朝と寝る前」の薬を「1日2回朝夕食後」で処方したところで、大した影響は無いし、そんなことで疑義照会などしたくないし、されたくもないだろう。

「朝及び就寝前」の用法でひっかかった薬をみると、

医薬品名用法
アコレート朝食後及び就寝前の2回に分けて経口投与する。
アシノン1日2回(朝食後,就寝前)経口投与する。(1日1回(就寝前)経口投与することもできる。)
アゼプチン朝食後及び就寝前の1日2回経口投与する。
アレロック朝及び就寝前の1日2回経口投与する。
ガストローム1日2回(朝食後、就寝前)経口投与する。
ザイザル1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。(小児)
ザジテン1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。
ザンタック1日2回(朝食後、就寝前)経口投与する。(1日1回(就寝前)経口投与することもできる。)
ジルテック1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。(小児)
スピロペント1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。(腹圧性尿失禁には「1日2回、朝及び夕に経口投与する。」)
セルテクト朝及び就寝前の1日2回経口投与する。
ダレン1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。
テオドール1日2回,朝及び就寝前に経口投与する.(1日1回就寝前に経口投与することもできる.)
ドメナン朝食後及び就寝前の2回に分けて経口投与する。
プロマック1日2回朝食後及び就寝前に経口投与する。
ベガ朝食後及び就寝前の2回に分けて経口投与する。
メプチン1日1回就寝前ないしは1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。
レミカット1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。

意外と多い。

現代人のライフスタイルを考えたときに、12時間間隔で投与したいと思った場合、「朝と寝る前」よりも「朝夕食後」のほうが適していると考える。
例えば、朝食を7時、夕食を19時に食べる人が、夜の12時に寝るとして寝る直前に薬を飲むとしたら、「朝と寝る前」という用法では7時間半くらいの間隔になってしまう。
テオフィリンなど血中濃度を一定に維持したい薬であればなおさら「朝と寝る前」よりも「朝夕食後」のほうが適していると思うのだけれど。

ちなみに、タベジールの用法は「朝晩1日2回」となっている。これだと、朝夕食後でも朝と寝る前でもよさそう。

海外では1日の使用回数の記載はあっても、食後とか寝る前とかの記載は無いことが多いので、日本もそれに準じた承認方法が良いと思う。
日本の調剤報酬において、調剤料の算定方法は服用時点が同一か否かという点で異なってくる。
例えば、アレグラとザンタックの30日処方では、両方とも朝夕食後とすれば1剤=810円なのに対し、アレグラを朝夕食後、ザンタックを朝寝る前としたら、2剤=1620円かかってしまう。
食後か食前か寝る前かという点が重要な薬もあるだろうけど、そうでない薬については、服用回数だけの記載でも請求が通るように見直し、調剤料の算定方法も改めたほうがよいと思う。そうすれば煩わしい疑義照会も減り、医療費削減にもつながり、反対の声を上げる薬剤師も少ないだろう。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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