記事
葛根湯は風邪薬?
公開. 更新. 投稿者:漢方薬/生薬.この記事は約3分14秒で読めます.
2,453 ビュー. カテゴリ:葛根湯と頭痛
葛根湯といえば、「風邪」に使われる漢方薬です。
そのため、葛根湯=風邪というイメージで投薬に向かうと、「風邪じゃありません」と言われ、「ありゃ」となることもある。
風邪以外でよく使われるのは、「肩こり」。しかしその場合、投与日数が長いので判断できることが多い。
あと、頭痛薬としても使われることがある。その場合は、投与日数はそれほど長くないこともあるので、判別は難しい。
漢方では風邪を「ふうじゃ」と読みます。
「邪」は病気の原因のことですから、風が原因の病気を「風邪」と呼び、その初期症状である悪寒を伴う急性期の頭痛に葛根湯は有効です。
また、葛根という生薬は首や肩のこりや張りをほぐす作用があることから、緊張型頭痛にも効果的です。
漢方薬は1~2カ月飲み続けないと効果が出ないと思われがちですが、葛根湯のように急性期の治療に使われる漢方薬は、一服だけでも効果を発揮します。
風邪気味ではなくても、目が疲れたり、肩が張って頭が痛いような、軽症の緊張型頭痛の時に一服飲むという使い方ができます。
風邪とは何か?
「かぜ症候群」は、日常外来診療で最も頻度の高い疾患である。
だが、その言葉の定義や使い方は、必ずしも統一されていないのが現状だ。
これは最も狭義には「普通感冒」と同義として、もう少し広い意味では「急性上気道炎」と同義として使われている。
ここで、まず基本的な用語を確認しておきたい。
「気道」は上気道(鼻腔、副鼻腔、咽頭、喉頭)と下気道(気管、気管支)に分けられる。
上気道の急性炎症が「急性上気道炎」であり、下気道の急性炎症は「急性気管支炎」と呼ばれる。
そして、この両者を総称して「急性気道感染症」という。
普通感冒は、急性上気道炎の中でも鼻・咽頭症状が主体であり、発熱や倦怠感などの全身症状が軽微な症例に使われる。
この急性気道感染症を「かぜ症候群」とするのが適当と考えられる。
その理由は、急性気道感染症の原因の大半はウイルスであり、また上気道症状(鼻・喉)と下気道症状(咳・痰)の両者はしばしば合併するため、両者を区別するよりも一連の気道感染症と考える方が理にかなっているからである。
さらに原因の大半が細菌感染症である肺炎とは明瞭に対比できる。
葛根湯の特徴
体力の中等度の人に適している。
本剤は瀉性より補性が高く、虚実は麻黄湯と桂枝湯の中間にあたり、さほど実証向きでもないのである。
風邪症状では、頭痛、発熱、悪寒があって、頚肩がこわばり、じくじく汗(自然発汗)が出ない場合で散性のため無汗に適している。
また、熱症状、風邪症状がなくても、首、肩のこり、痛みを呈する場合に用いる。
風邪に用いる場合、本剤は体温を上昇させ、汗を出して熱を下げるため、西洋薬の解熱鎮痛消炎剤といっしょに服用することは望ましくない。
また、ぞくぞくと寒気(悪寒)がした場合、約15分以内に服用することを勧める。
葛根湯医者はヤブ医者?
落語の枕話の一つに葛根湯医者という話があります。
「頭が痛い」「腹が痛い」「目が痛い」などのどんな患者にも葛根湯を処方して誤魔化してしまう。しまいには付添いの人にまで「まあ、いいから」と葛根湯を飲ませるという藪医者の話です。
葛根湯医という言葉は上記の通り藪医者という意味合いと、漢方薬というのは数種類の薬剤を調合した物であるから、必要とあらば一つの処方でも取捨選択次第で何種類ものバリエーションが存在するため、それを使いこなせる知識を持った名医であるという意味合いの、2つの側面を持ちます。
独活葛根湯が肩こりに効く?
肩こりに効く薬は無いかな、と某ドラッグストアで葛根湯を眺めていたら、店員から独活葛根湯をすすめられた。
根は独活(どくかつ、どっかつ)と呼ばれ、薬用にもなる。また、アイヌ民族はウドを「チマ・キナ」(かさぶたの草)と呼び、根をすり潰したものを打ち身の湿布薬に用いていた。ちなみにアイヌにとってウドはあくまでも薬草であり、茎や葉が食用になることは知られていなかった。
ウド – Wikipedia
私は都会生まれなのですが、妻の実家は田舎で、ときどき山菜が食卓に並びます。
ウドが出てくることも。
私はあの苦味が嫌いなのですが。
漢方薬で、独活葛根湯というのが肩こりに効くらしい。
独活というのがウドのことで、葛根湯に独活と地黄を配合したものらしい。
葛根湯だけでも肩こりに使われますが、成分がプラスされているとより効きそうなイメージ。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。