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山芋アレルギーの患者が飲んじゃいけない薬?
公開. 更新. 投稿者:漢方薬/生薬.この記事は約2分33秒で読めます.
4,425 ビュー. カテゴリ:山芋と山薬
漢方薬には、食物を原料とした成分が含まれるものも多い。
以下、アレルゲンとなり得る食品を含む漢方薬の例
生薬 | 食物 | 漢方薬 |
---|---|---|
小麦 | 小麦 | 甘麦大棗湯 |
胡麻 | ゴマ | 消風散 |
桃仁 | 桃 | 桂枝茯苓丸、潤腸湯、疎経活血湯、大黄牡丹皮湯、桃核承気湯 |
山薬 | 山芋 | 八味地黄丸、六味丸、牛車腎気丸、啓脾湯 |
阿膠 | ゼラチン | 温経湯、芎帰膠艾湯、炙甘草湯、猪苓湯、猪苓湯合四物湯 |
山薬って山芋だったんですね。知らなかった。
山薬はヤマイモ科のヤマノイモまたはナガイモの周皮を除いた根茎(担根体)で、男性ホルモン増強作用を持つ。
山芋の摂取によるアレルギー反応では、口周囲の接触性紅斑や全身の蕁麻疹などの症状が表れる。
山芋にはアセチルコリンが含まれており、このアセチルコリンが原因で接触性皮膚炎が生じ、山芋そのものは仮性アレルゲンであるケースが多い。
しかし、まれに特異的IgE抗体を介するⅠ型アレルギー反応を起こす場合もあるため、山芋アレルギーがある患者は、山芋を含む漢方薬を避けるべきと考えられる。
山芋を触るとかゆくなる、という人は多い。
これを「山芋アレルギー」と言っている人も多いが、これはアレルギーではなく、山芋に含まれるシュウ酸ナトリウムという成分が針状に結晶し、そのトゲトゲとした成分が肌に付着するため、痛痒くなる。
シュウ酸ナトリウムはアルカリ性なので、レモンやお酢などの酸で中和し溶かすという対応で、痒みを軽減させられるようだ。
漢方薬と食品表示法
食品中のアレルゲンに関する表示は、食品表示法で基準が定められている。
特にアレルギーの発症数、重篤度から表示する必要性の高い7品目(えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生)は「特定原材料」とされ、これらが含まれている食品には原材料として必ず表示しなければならない。
また「特定原材料に準ずるもの」は20品目(あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、松茸、桃、山芋、りんご、ゼラチン)あり、こちらは可能な限り表示するよう努めることとされている。
こうしたアレルゲンとなり得る食品を含む漢方薬は幾つかある。
漢方薬は食品ではないので、特定原材料などの表示義務はない。
そのため、アレルゲンを含むか判断しにくい場合があり、注意が必要である。
参考書籍;日経DI2018.11
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