記事
漢方薬は妊婦が飲んでも安全?
公開. 更新. 投稿者:漢方薬/生薬.この記事は約2分43秒で読めます.
2,956 ビュー. カテゴリ:漢方薬なら妊婦が飲んでも安全?
妊婦に薬を投与する場合の一般的な注意として、ツムラのホームページに記載がありました。
・薬剤はできる限り単剤を必要量投与し、効果が得られたら中止する。
・薬剤によって胎児に影響を及ぼす時期や内容は異なる。
・男性側に投与された薬剤は、催奇形性については胎児に影響ない。
・器官形成期(妊娠2ヵ月)には、胎児は催奇形性という点ではもっとも敏感になる。3~4ヵ月の期間は影響は少なくなる。
・妊娠5ヵ月以降は胎児毒性が問題。
・ほとんどの薬剤は単純拡散によって、胎盤をよく通過する。
・母体血中濃度が上昇しないものほど胎児には安全である。
・漢方薬では妊婦に慎重に投与するように添付文書がある。これは催奇形性のものではなく、催奇形性を認めた報告もない。
妊娠中に服用する漢方薬で注意する成分と言えば、大黄でしょうか。
下剤は基本的に、子宮収縮を起こして流早産を起こす危険性があるので注意が必要です。
産婦人科では妊婦に下剤はよく使われますが、実際に下剤を飲んで流産したという報告は聞いたことがないので、よっぽど大量に使わない限りは安全だろう。
ダイオウの入った漢方薬
妊婦に注意すべき、大黄を含有する漢方薬を調べてみる。
名前に大黄という名前が入っていればわかりやすいが、意外なものに入っていることもあるので注意。
医師も知らずに、大黄含有漢方薬を併用してしまっていて、下痢気味になる患者もいる。
医薬品名とダイオウ含有量
乙字湯 0.5g
桂枝加芍薬大黄湯 2.0g
三黄瀉心湯 3.0g
治打撲一方 1.0g
治頭瘡一方 0.5g
潤腸湯 2.0g
大黄牡丹皮湯 2.0g
大黄甘草湯 4.0g
大柴胡湯 1.0g
大承気湯 2.0g
調胃承気湯 2.0g
通導散 3.0g
桃核承気湯 3.0g
防風通聖散 1.5g
麻子仁丸 4.0g
茵ちん蒿湯 1.0g
妊婦が飲んではいけない、というような漢方薬はありませんが、下剤の過剰摂取になるようなことは避けた方がいいので、市販の漢方薬を自己判断で服用することは止めたほうが良い。
駆お血薬は妊婦に禁忌?
ダイオウやボウショウを含む下剤は妊婦等へ「使用しないことがのぞましい」と記載されている。
これは駆お血薬(大黄、紅花、牛膝、桃仁、牡丹皮)を含む処方にも共通する。
駆お血薬が堕胎の目的で用いられた経験知と瀉下活性による刺激(科学知)に基づく注意である。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。