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半夏瀉心湯を口に含んでゆっくり服用する?
公開. 更新. 投稿者:漢方薬/生薬.この記事は約2分34秒で読めます.
3,936 ビュー. カテゴリ:口内炎と半夏瀉心湯
漢方薬の半夏瀉心湯を口内炎に使うことがある。
漢方薬については近年、癌化学療法や放射線療法時の使用で臨床研究が複数行われている。
半夏瀉心湯についても幾つかの報告があり、抗がん剤や放射線療法の副作用として見られる口内炎への有効性が示されている。
半夏瀉心湯は、構成する生薬が抗酸化作用、抗炎症作用、組織修復作用などを有し、口内炎の治癒に働く。
化学療法の場合、口内炎の発症頻度は抗癌剤の種類によって10~60%と幅がある。
その発生メカニズムは、活性酸素によって口腔粘膜細胞のDNAが障害を受けたり、各種サイトカインによる細胞死が起きたりするためである。
また、白血球数の減少などにより免疫力が低下すると、口腔内に細菌が繁殖しやすい。
口内炎で痛みが起きるのは、サイトカインによって生じるプロスタグランジンE2(PGE2)の産生を濃度依存的に抑制する効果が報告されている。
また、オウレンの主要成分であるベルベリンは強い抗菌作用を持ち、細菌性細胞障害の抑制効果も報告されている。
ツムラ半夏瀉心湯エキス顆粒の添付文書の「適用上の注意」には、
「口内炎に対して本剤を使用する場合は、口にふくんでゆっくり服用することができる。」と書かれている。
口内炎に使う場合、本来であれば「うがい」の用法でよいはずですが、含嗽薬になると外用薬として算定しなければならなくなります。
うがいしてしまっては適応外になるので、口内炎に使う場合でも飲み込む必要がある。
しかし、漢方薬の味が気に入らないという人もおり、漢方薬を飲み込むこと自体で吐き気を催してしまっては逆効果になってしまうので、そこはケースバイケースで医師の指示に従う。
口腔内に含んで吐き出す方法でも有効の報告がある。半夏瀉心湯エキス1包(2.5g)を50mL程度の湯または水に溶かし、口の中に含み30秒程度保持させ、その後、吐き出しても構わないとされている。
ちなみに、歯痛に使う「立効散」も「用法及び用量に関連する使用上の注意」には、
「本剤は口にふくんでゆっくり服用する。」と記載されている。
立効散に含まれるサイシンによる表面麻酔効果を期待してのものだという。
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