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アクトシンは心不全の薬?
公開. 投稿者:褥瘡.この記事は約2分35秒で読めます.
1,792 ビュー. カテゴリ:ブクラデシンナトリウム
「アクトシン」と聞くと、「アクトシン軟膏」、褥瘡の薬を思い浮かべるだろう。
しかし、アクトシンには「アクトシン注射用」という製剤もあり、適応症は「急性循環不全における心収縮力増強、末梢血管抵抗軽減、インスリン分泌促進、血漿遊離脂肪酸及び無機リン低減ならびに利尿」となっている。
塗り薬と注射剤で全く違う適応症。
そういう薬はよくあるが、なんで効くのか、作用機序からみてみる。
アクトシンの成分は、「ブクラデシンナトリウム」。
アクトシン注射用の作用機序をみると、以下のように書かれている。
ブクラデシンナトリウムの作用の基本は細胞膜を通過してそれ自身がサイクリックAMPに変化し、細胞内のサイクリックAMPを直接増加させることにある。心臓に対しては、収縮力を増強して心拍出量を増加する。さらに末梢血管を拡張して血管抵抗を軽減し、心臓の負荷を減少させるとともに末梢循環を改善する。一方、代謝面では肝グリコーゲンを動員するとともに、カテコールアミンで抑制されている膵ラ氏島からのインスリン分泌を促進する。増加したインスリンは、カテコールアミンにより亢進している脂肪分解を抑制して遊離脂肪酸を低減させる一方、糖の組織内取り込みを促進する。この結果、急性循環不全において、エネルギー代謝は促進され、組織では高エネルギーリン酸化物質の減少が抑制される。
ブクラデシンは、サイクリックAMPの誘導体であるジブチリルサイクリックAMPのことである。
ネオフィリンみたいなホスホジエステラーゼ阻害薬も、cAMPを分解する酵素であるホスホジエステラーゼを阻害することで、細胞内cAMPを増加させます。
アクトシン軟膏の特徴をインタビューフォームでみると、
局所血流改善作用(ヒト、ウサギ)、血管新生促進作用(ウサギ、in vitro)、肉芽形成促進作用(in vitro)、表皮形成促進作用(in vitro)により、創傷の治癒を促進します。
cAMPの働きといっても様々なので、よくわからない。
褥瘡の治療薬は、成分よりも基剤のほうが重要だったりするので、あまり深く考えても意味はないような気がする。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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