記事
ダイエットサプリ一覧
公開. 更新. 投稿者:健康食品/OTC.この記事は約9分16秒で読めます.
2,391 ビュー. カテゴリ:目次
ダイエット食品
いつの世にも、手軽にやせたいと思う女性は多いものです。
運動をしたり、食事制限をすればやせるのはわかっていますが、より効率よくやせるために、食品あるいは健康食品、または薬などを使ってやせられるという情報に飛びつくのです。
成分名 | 効果 | 含有食品 |
---|---|---|
L-カルニチン | 生体内で脂質を燃焼してエネルギーを産生する際に、脂肪酸を燃焼の場であるミトコンドリア内部に運搬する | 赤身の肉、魚肉、鶏肉、牛乳などの動物性食品 |
キトサン | 脂肪を吸着して吸収を抑制する不溶性食物繊維 | カニの甲羅やエビの殻 |
中鎖脂肪酸(MCT) | 中鎖脂肪酸は、鎖の長さが長鎖脂肪酸の約半分であるため消化吸収が早く、体脂肪として蓄積されにくく、速やかにエネルギーに変わります。 | ココナツオイル、パーム核油、牛乳、母乳 |
ギムネマ | ブドウ糖が小腸から吸収されるのを抑える | インド原産のハーブ |
難消化性デキストリン | 糖分や脂肪の吸収を抑えることにより、食後の血糖値や血中中性脂肪の上昇をおだやかにします | トウモロコシのでんぷん |
ファセオラミン | アミラーゼ阻害による糖吸収抑制作用 | 白インゲン豆 |
オリゴ糖 | ビフィズス菌をはじめとする善玉菌のエサとなり、腸内で善玉菌が増え、便秘が改善される。 | 玉ねぎ、ごぼう、ねぎ、にんにく、アスパラガス |
コレウスフォルスコリ(フォースコリー) | β3アドレナリン受容体を通ることなく脂肪細胞を活性化させて脂肪を分解する | シソ科の植物 |
BCAA | 必須アミノ酸のうちバリン、ロイシン、イソロイシンは運動の前に摂ることで、脂肪の燃焼が促進される | まぐろ、かつお、あじ、サンマ、牛肉、鶏肉、卵、大豆、高野豆腐、チーズ |
α-リポ酸 | αリポ酸はブドウ糖をミトコンドリアに届け、効率よくエネルギーへ変換します。新陳代謝を促進し体脂肪の増加を抑えます。 | 牛・豚の肝臓、心臓、腎臓、ほうれん草、トマト、ブロッコリー |
コエンザイムQ10 | 食事から摂った糖質や脂質を細胞内のミトコンドリアで燃焼させてエネルギーに変えるのを助ける | 肉類や魚介類 |
カテキン | 食事の脂肪吸収を抑える効果がある | 緑茶 |
ラクトフェリン | 脂肪合成を抑制し、脂肪分解を促進するという2つの作用によって内臓脂肪を低減する | 母乳、牛乳 |
カプサイシン | 脂肪の分解を促す | 唐辛子 |
ガルシニア | ガルシニアに含まれるヒドロキシクエン酸(HCA)という成分HCAが、余分な糖や炭水化物が脂質に変わる働きを抑制する | インドや東南アジアに生育する植物 |
キトサンでやせる?
エビやカニの殻に含まれる成分として有名なキトサン。
キトサンの機能としては、お腹の調子を整えたり、コレステロールの吸収を抑えるといった食物繊維としての機能があります。
「コレステロールの吸収を抑え、血中コレステロールを低下させる食品」としてトクホ(特定保健用食品)にもなっています。
キトサンには医薬品との相互作用があるので注意。
キトサンの使用上の注意に次のように書かれている。
「ビタミンA,D,E,Kを飲まれている方は、キトサンを飲む前後4時間あけてそれらのビタミン剤をお飲み下さい。」
キトサンが脂溶性ビタミンの吸収を阻害する。
そのため、ビタミンKの吸収も阻害し、ワーファリンの作用増強ということにもなる。
ココアでやせる?
ココアやチョコレートに含まれるテオブロミンにはダイエット効果があるという。
テオブロミンは1878年に初めてカカオの種子より分離に成功され、エミール・フィッシャーによってその後人工的な合成法が確立された。
メチルキサンチンの一種で、テオフィリンやカフェインと似た構造を持つ。
テオブロミンという名前は、ギリシア語で神の(theo)食べ物(broma)という意味を持ち、カカオの学名Theobromaに由来する。
そのことからもわかるようにカカオに最も多く含まれ、チョコレートやココアの苦味はテオブロミンによるものである。
一般的には動脈硬化症、狭心症、高血圧など循環器系の疾患の治療に用いられたり、最近では血管拡張薬、中枢神経刺激薬、利尿薬としても利用されている。
さらに癌の抑制剤としての利用も期待されている。
ダイエット効果としては、血管をひろげ血流量を増やすことで基礎代謝率を高め体温をあげることでエネルギー消費率を高める作用がある。 さらに脳内物質のセロトニンに働きかけて、食欲をおさえリラックスさせる作用もある。
また、カカオ豆から抽出した天然物質として多くの人がチョコレートとしてずっと食べてきた歴史もあり安全性は高いといえる。動物実験でもその安全性は確認されている。
お茶でやせる?
緑茶は数千年前から、健康の素として飲用されており、緑茶に含まれるカフェインやビタミンCが気分を爽快にし、疲労を取り除くとされています。
近年、この緑茶の有効成分として、約10~15%のカテキンが含有されていることが報告されています。
カテキンはワインに含まれるポリフェノールといわれる一連の物質の1つで、ポリフェノールはデンプンや糖類の消化酵素の働きを働きを抑制し、糖分吸収が過剰にならないようにすることで血糖値の上昇を抑制することから、いわば、α-グルコシダーゼ阻害作用をもつことが考えられます。
糖尿病患者は、食事の前に緑茶を1杯飲むことも1つの日常的治療法であると思われます。
また、緑茶は他に抗癌作用やコレステロール抑制、殺菌作用など、数多く報告されています。
例えば、緑茶をうがいに使うと、口内炎が治り、口臭や虫歯予防にもなります。
また、「ギムネマ」は、何千年も前からインドで愛用されていた薬草茶です。
このギムネマ(ギムネマ酸)の作用機序はα-GI作用が立証されていることから糖尿病患者には薦められる健康食品です。
茶カテキン
「ヘルシア緑茶」は、2003年に許可された当初、摂取を継続することで内臓脂肪などの体脂肪が減るという臨床試験の結果を受けて、「体に脂肪が付きにくい」という表示が認められていた。
08年春からは「脂肪を消費しやすくする」と変わっている。
呼気を分析して、体内に取り込む酸素と排出する二酸化炭素の比(呼吸商)を調べたところ、茶カテキンの摂取により、脂肪がエネルギーをして消費される量が増えることが分かったのである。
脂肪の燃焼には、β酸化関連酵素という酵素群が関係している。
茶カテキンは、肝細胞中のβ酸化関連酵素を活性化することにより、代謝を高めると考えられている。
茶カテキンのリパーゼ阻害作用
主な茶カテキンには、エピカテキン、エピガロカテキンに加えて、それぞれにガレート基が付いたエピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートの4種類がある。
ガレート型カテキンには、脂質消化酵素であるリパーゼの阻害作用があるとされる。
そのため脂質が小腸から吸収されにくくなる。
特茶とヘルシアの違い
伊右衛門のトクホバージョン、「特茶」。
ヘルシアと同じ高濃度茶カテキン、かと思いきや、「ケルセチン配糖体」という成分らしい。
●ケルセチンとは
ケルセチンは野菜や果物に含まれるフラボノイドの1つで特にタマネギに多く含まれることが知られています。疫学研究の結果より、野菜の摂取量と冠動脈疾患による死亡率との間に負の相関があることが明らかにされており、野菜に含まれるケルセチンなどのポリフェノールの摂取がこの予防の要因となっていることが示唆されています。ケルセチンは強い抗酸化活性をもちますが、脂溶性が高く、体内への吸収性はあまり高くないことが知られています。●ケルセチン配糖体とは
一般的にはケルセチンに糖が結合したものを言いますが、本研究においてはケルセチンの水溶性を高める目的で酵素反応により、ケルセチンにグルコースを1~8個結合させた配糖体の混合物を指します。ケルセチンに比べ水溶性は顕著に向上しています。野菜や果物に含まれるポリフェノールである“ケルセチン”の配糖体に体内吸収性の向上と血中抗酸化力増強作用を確認
自分も毎日昼食時にはペットボトル飲料を飲んでいるので、なるべく体にいいものを、とは思います。
やせる食品
バナナでやせる?
朝食バナナダイエットがブームになったことがあった。
朝食にバナナと水だけにすれば、昼・夜はいつもどおり食べても痩せることができるという手軽さで注目され雑誌やTVでも多く紹介されていた。
基本的に、このような単品ダイエットは、一時的には体重減少するだろうけど、栄養バランスを崩し、筋肉も落ちて基礎代謝が落ちるので、長期的に見るとやせにくい体を作ってしまう。
トマトでやせる?
トマトでダイエットというのも流行った。
トマトを食べると中性脂肪が下がるという動物実験もある。
トマトといえば、イタリアをイメージするが、イタリア人がやせているというイメージはあまり無い。
やせる薬
ベイスンなどのαグルコシダーゼ阻害薬は、小腸からの糖の吸収を阻害する薬です。
と、聞くと、「やせられる?」と勘違いする人もいる。
ギムネマとか、難消化性デキストリンみたいなαグルコシダーゼ様の作用をもつサプリメントをまるでやせられるかのようなイメージで販売しているケースも目立つ。
確かに吸収を阻害はするけれど、結局は穏やかに吸収されていくのです。
上部小腸での吸収が阻害された糖質は、下部小腸で一部吸収されます。
さらに、一部は大腸に移行し、腸内細菌により発酵されて短鎖脂肪酸に分解された後、吸収されます。
なので、食べれば食べた分だけカロリーは摂取されます。
じゃあ、何のために飲む薬なのかと言えば、急激な血糖値の上昇を防ぐ目的です。
糖質の吸収を遅らせることで、血糖値の上昇を緩やかにする。
サプリメントなどでも、糖質の吸収を穏やかにする、みたいな謳い文句で宣伝してる商品とか、食物繊維たくさん摂ればやせられるみたいに思っている人もいるかと。
私もそういうイメージでしたが。
ダイエット目的で使えるような薬ではありませんので、あしからず。
糖分の吸収を阻害するサプリメント?
サプリメントでαグルコシダーゼ阻害薬様の働きをするものがある。
そのため、糖尿病の治療をしている患者にはサプリメントを使うことは勧められない。
境界型の方に、運動習慣、食習慣の改善とともに合わせて使うような形で勧める。
以下、αグルコシダーゼ阻害薬様の作用をもつサプリメント
・ギムネマ
・グァバ葉ポリフェノール
・豆鼓エキス
・L-アラビノース
・難消化性デキストリン
・小麦アルブミン
「血糖値が気になる方へ」というトクホはほぼαグルコシダーゼ阻害作用を持つと思われる。
食物繊維程度の効果です。
ギムネマはαグルコシダーゼ阻害薬?
ギムネマの成分であるギムネマ酸には糖の吸収を抑える作用があり、医療用のαグルコシダーゼ阻害薬と同じような働きをする。
ギムネマ摂取した後に甘いものを食べると甘味を感じなくなる。
甘味を感じなくなると糖分の吸収を阻害してるんだ、という実感がわきますね。
でも舌にαグルコシダーゼなんて無いので、甘味を感じないのと、糖の吸収阻害はまた別物です。
糖分の吸収を阻害するためにはαグルコシダーゼ阻害薬と同じように食直前に飲んだほうがいい。
やせる漢方薬
世の女性たちは、押し並べてやせ願望があるもの。
個人的にはポッチャリしていたほうが好みですが。
とにかく女性は、やせ薬というものに興味を惹かれるようです。
市販のやせ薬といえば、防風通聖散。
コッコアポやナイシトールという商品名。
市販だけでなく、医療用も含めてやせ薬といえば防風通聖散のような漢方薬だろう。
サノレックスみたいな薬もありますが、安心して処方できるのはやはり漢方薬。
それだけ副作用もなく、効果が高いということだろう。その分劇的な効果は期待できませんが。
スーグラみたいなSGLT2阻害剤でやせるというやり方も、健康的なやせ方とは言えない。
やせ願望のある女性の中には、病的にでもやせたいと思っている人もいるのかも知れないが。
防風通聖散を処方されている患者さんで「飲んでいてもやせない」という患者さんは多い。
そりゃ、薬だけに頼って、生活習慣、食習慣、運動習慣が変わらなければ、何も変わらないのだろう。
いやむしろ、中年女性で現状維持できているのであれば、薬の効果が出ているとみても良いのかも知れない。
防風通聖散が効くのは内臓脂肪よりも皮下脂肪。
メタボで問題なのは内臓脂肪。
女性は皮下脂肪がつきやすく、男性は内臓脂肪がつきやすい。
防風通聖散を男性に使ってどれだけの効果があるのかは疑問である。
防風通聖散
体力の充実したいわゆる肥満卒中体質者タイプに適している。
便秘し、腹は臍を中心に膨満して力のある、いわゆる太鼓腹を呈する場合に用いるとよい。
補血・補気健脾の配慮もあるため長期に使用することができるともいわれている。
胃腸虚弱で下痢傾向のものには用いるべきではない。
大柴胡湯
ダイエット目的で使われる薬といえば、防已黄耆湯とか防風通聖散。
市販薬だと、コッコアポAとSが防風通聖散、Lが防巳黄耆湯らしい。
ナイシトールは防風通聖散。
ツムラ防已黄耆湯の適応症は、
色白で筋肉軟らかく水ぶとりの体質で疲れやすく、汗が多く、小便不利で下肢に浮腫をきたし、膝関節の腫痛するものの次の諸症
腎炎、ネフローゼ、妊娠腎、陰嚢水腫、肥満症、関節炎、癰、せつ、筋炎、浮腫、皮膚病、多汗症、月経不順
ツムラ防風通聖散の適応症は、
腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:
高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)、肥満症、むくみ、便秘
どちらも「肥満症」がある。
これ以外に、大柴胡湯もダイエット目的で使われるらしい。
ビスラットゴールドという商品がある。
脂質の代謝を上げる肥満症改善薬|ビスラット ゴールドa|小林製薬
女性は男性とは異なり、妊娠・出産をするという機能を備えています。子宮の周りに内臓脂肪がついてしまうと邪魔になってしまうので、女性は内臓脂肪が蓄積しにくいといわれています。
逆に、女性ホルモンには皮下脂肪を蓄えようとする働きがあります。皮下脂肪は内臓脂肪よりも多くの脂肪、つまりエネルギーを蓄えることができるので、胎児を育てるための栄養の蓄えにもなるのです。
小林製薬では、男性に多いリンゴ型肥満には、ナイシトール(防風通聖散)を、女性に多い洋ナシ型肥満には、ビスラットゴールド(大柴胡湯)をすすめています。
ツムラ大柴胡湯の適応症をみると、
比較的体力のある人で、便秘がちで、上腹部が張って苦しく、耳鳴り、肩こりなど伴うものの次の諸症:
胆石症、胆のう炎、黄疸、肝機能障害、高血圧症、脳いっ血、じんましん、胃酸過多症、急性胃腸カタル、悪心、嘔吐、食欲不振、痔疾、糖尿病、ノイローゼ、不眠症
肥満症という適応名は無い。
しかし、ビスラットゴールドの効能効果には、
体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの次の諸症:
肥満症、常習便秘、神経症、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、胃炎
肥満症がある。
やせ薬というイメージを付ければ売れる、んだろうけどさ。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。