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葛根湯とアセトアミノフェンの併用に意味はあるのか?
公開. 更新. 投稿者:漢方薬/生薬.この記事は約2分49秒で読めます.
3,650 ビュー. カテゴリ:葛根湯とアセトアミノフェン
風邪の時は熱を上げた方がいい?
葛根湯は、体温を上昇させ、汗を出すように働く漢方薬です。
風邪の引きはじめの、まだ熱が十分に上がっていない状態のときに効果的と言われます。
一方、アセトアミノフェンは解熱鎮痛薬。
熱を下げる薬です。
市販の風邪薬には、葛根湯エキスとアセトアミノフェンの両方が配合されている商品があります。
エスタックK「顆粒」 やコフト顆粒など。
コフト顆粒の宣伝文句をみると、
1.かぜのひきはじめに効く漢方薬成分の葛根湯と熱・のどの痛み・せきによく効く総合かぜ薬成分をひとつにした顆粒のかぜ薬です
2.漢方薬の葛根湯と総合かぜ薬のふたつのかぜ薬成分の作用で、かぜに効きます
相乗効果で効きそうなイメージで描かれている。
結局、葛根湯の体温上昇効果をアセトアミノフェンが打ち消してしまうような気がする。
用法も「食後」となっており、葛根湯の効果を期待しているものとは思えない。
医者の中にも、葛根湯とPL顆粒をいっしょに処方してくる医師がいる。
漢方では「風邪にかかったらまずは体を温めて治癒を早める」ことを目的として、治療を進めていきます。そこが「症状をとって治療をしていく」という西洋医学と違う点です。
例えば比較的体力がある、若い人や子どもが風邪を引くと、熱がグンと上がって、寒気がして、体の節々が痛くなります。これは体が体温を上昇させてウイルスの増殖を防ぎ、治そうとするときの防衛反応の表れです。一方、体が虚弱な人や年配の人が風邪を引くと、微熱が続き、疲労感や胃腸障害などが現れてきます。風邪がなかなかなおらない「こじれた風邪」もあります。このように人によって風邪の症状の現れ方は多様です。
漢方では漢方独自の診断によってこうした体の状態を確認して、正常に引き戻すための漢方薬を用いて症状をとっていきます。
具体的には比較的体力のある実証の人の風邪のひき始めなら、からだを温めて、発汗を促す処方が用いられます。葛根湯は体を温める代表的な薬といえるでしょう。悪寒や発熱、 頭痛がある、首の後ろや背中がこっている、汗がほとんど出ないといったタイプには、非常に効果があるとされています。
東洋医学と西洋医学のお互いの良いところを取って、効果的に働くのであればよいのですが。。。
どうせ風邪はほっといても治るし、葛根湯が効いたんだか、アセトアミノフェンが効いたんだか、わからずに終わるんだろう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。