2024年12月18日更新.2,481記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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褥瘡予防にプロテイン?

高齢者向け・生活習慣病対策目的でプロテイン?

プロテインと聞くと、アスリートやボディビルダーを思い浮かべる。
しかし最近では、高齢者や食事療法対象者へ積極的にプロテイン摂取を進める動きがある。

高齢者は若者・中年に比べて必要なカロリー数が減少するため、それに伴い食べる絶対量が減る傾向がある。しかし、たんぱく質の必要量はカロリー数ほど減少しない。(厚生労働省発表の第6次改定日本人の栄養所要量によれば、30代から40代の男性と比べて70代の男性は必要摂取カロリーは2550kcal→2050kcalと2割減少するが、必要タンパク質は70g→65gと1割も減少しない。なお、ビタミンやミネラルは必要摂取量は年代による違いはほぼない。)

そのため、純粋に食べる量を減らすことで摂取カロリーを減らすと、高齢者はたんぱく質摂取量が不足しがちになる。たんぱく質の不足は筋力の低下(筋肉減少症:サルコベニアともいう。)を招き、高齢者の一度落ちた筋力の回復は困難であることや床ずれの原因ともなることから、問題は深刻となる。その対策としてプロテインの摂取を呼びかける動きがある。プロテイン – Wikipedia

高齢者の褥瘡予防にタンパク質は重要です。
飲むだけで生活習慣病の予防になるわけではないだろうけど、食生活のアンバランスを是正するには効果的。

血中タンパク質が少ないという高齢者がドラッグストアにプロテインを買い求めに来たら、勧めて良いものかどうか悩んでいました。
タンパク質が少ないということは摂取量が少ない(食が細い)か、合成が低下している(肝機能低下)、吸収が低下している(消化機能低下)などが考えられる。

高齢者の低たんぱく質血症の予防や治療には、たんぱく質食品を増大させるのみではなく、全体的にしっかり食べて、エネルギー不足を解消すること、つまりやせている人は体重増加を図ることが重要です。
プロテインだけに偏ってはいけないが、食事の補助として使用する分には勧められる。

ボディビルダーはなぜプロテインを飲むの?

ボディビルダーの目的は筋肉を付けることです。

筋肉の材料はたんぱく質=プロテイン。

そのため、プロテインを飲みます。

プロテインダイエット?

プロテインというとボディビルダーが筋肉作りのために飲むものを想像しますが、言いかえればたんぱく質です。
このたんぱく質がダイエットに効果的だと言われ、プロテインダイエットとして流行っています。

食生活の改善だけで簡単にダイエットしようとしてもうまくいきません。
摂取カロリーを減らしても、体重といっしょに筋肉も落ちるので逆にリバウンドということになりかねません。

プロテインは筋肉の原料ですが、ただ摂取すれば筋肉になるわけではありません。
面倒くさがらずに動きましょう。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

2 件のコメント

  • 入江ただし のコメント
         

    抗不整脈剤(シベノール)とワーフアリンをのんでいます。プロテイン(ザバス)をのんでも大丈夫?

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうざいます。

    シベノールやワーファリンとプロテインの併用で、特に現在飲み合わせに問題は見つかっていませんが。

    飲む人も少ないのでしょうけど。

    プロテインの過剰摂取は腎臓に負担をかけるとも聞きますし、血液検査に異常が見られたら中止したほうがよいでしょう。

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