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脚気の原因は米の食べ過ぎ?
公開. 更新. 投稿者:栄養/口腔ケア.この記事は約3分30秒で読めます.
2,934 ビュー. カテゴリ:白米原因説
明治時代の脚気の原因説に、「白米原因説」というのもあったそうな。
明治期の主な脚気原因説としては、「米食(白米食)原因説」(漢方医の遠田澄庵)、「伝染病説」(エルヴィン・フォン・ベルツなど)、「中毒説」(三浦守治など)、「栄養障害説」(ウェルニッヒなど。ただし既知の栄養素を問題にした)が挙げられる。日本の脚気史 – Wikipedia
脚気の原因は現在はビタミンB1不足とわかっています。
昔の日本人の食生活って、ご飯とたくあん、味噌汁ぐらいの質素な食生活でした。
そのため、ビタミンB1不足が多かったのです。
しかも、そのご飯が「玄米」であればビタミンB1を豊富に含んでいたので脚気にはならなかったのですが、江戸時代から白米を主食とするように変化してきたので、脚気が増えていきました。
白米の食べ過ぎが脚気の原因というわけではありません。
脚気は過去の病気?
脚気というと、栄養状態の悪かった昔の病気というイメージがありますが、現代でも脚気の患者はいます。
脚気は、病気の原因が究明され栄養状態も改善されたことにより一時期姿をひそめていましたが、昭和40年代後半から若者の間で脚気が増えてきました。
これは、清涼飲料水・インスタント食品・スナック菓子などのジャンクフードの過剰摂取により再発してきました。
発育期にビタミンB1の必要量が多いにもかかわらず、食生活への無関心からの偏食によるビタミンB1の摂取不足が原因とされています。
アルコール多飲者にも多くみられ、アルコール分解の際にビタミンB1が消費されることと、偏食もかかわってのことでなります。
また高齢化社会によりビタミンB1を含まない高カロリー輸液での発症も問題となっています。
1990年代に中心静脈栄養施行時に、ビタミンB1が投与されなかったことで劇症型の脚気を発症し、乳酸アシドーシスで死亡するなどのビタミンB1欠乏症が報告されました。
そのため、緊急安全性情報が出され、中心静脈栄養施行時のビタミンB1投与が徹底されました。
現在はあらかじめ総合ビタミン剤を配合したTPN製剤も開発されています。
ビタミンB1と疲れ
【知ってる!?】ビタミンB1と疲れ(1) – MSN産経ニュース
12月13日は「ビタミンの日」。明治43年のこの日、鈴木梅太郎氏が抗脚気因子(後のビタミンB1)を米ぬかから抽出して学会で発表した。
ビタミンB1が不足すると、疲れやすいです。
ビタミンB1といえば豚肉ですね。
私は豚肉をよく食べていますが、疲れやすい。
なぜだ。
米の精米技術が進んで、ビタミンB1を含む胚芽や米ぬかが除かれるようになったためにビタミンB1不足の日本人が多くなったそうです。
酒の飲み過ぎで脚気
大酒飲みで歩けなくなってしまう人がいます。
これも脚気によるものなのですが、ビタミンB1を使うだけでかなり歩けるようになることがあります。
アルコールを代謝するときに、大量のビタミンB群が消費されます。その中でも、最も不足しやすいのがビタミンB1。
ビタミンB1は、アルコールに含まれる糖分を分解し、エネルギーに変える働きがあります。
アルコールを飲むことで、大量のビタミンB1を消費した上、アルコールがビタミンB1の体内への吸収を妨げてしまうため、ビタミンB1が不足してしまうのです。
重度のアルコール依存者は、ほとんどB1欠乏状態にあるといわれます。
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1 件のコメント
なるほど。
おかずが足りなかったということですね。
白米ばかり食っていた帝国陸軍では、脚気死亡者がかなり出たけど
脚気死亡者がゼロだった帝国海軍では、おかずが豊富なカレーライスを取っていた
というのは有名な話ですね。
白米食いすぎなのではなく
「おかずが足りない」
というのが原因だとすると
定食屋さんは、「ご飯おかわり」ではなく「おかずおかわり」
を準備しなければいけませんね。
お刺身定食なら、ご飯ではなく「お刺身」を
唐揚げ定食なら、ご飯ではなく「唐揚げ」を
生姜焼き定食なら、ご飯ではなく「生姜焼き」を
各々おかわりできるようにしないといけませんね。