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緑内障なのに白内障の手術?
公開. 更新. 投稿者:緑内障/白内障.この記事は約2分59秒で読めます.
4,322 ビュー. カテゴリ:緑内障発作と閉塞隅角
緑内障なのに白内障の手術をするってどういうこと?
「緑内障なのに白内障の手術をすると言われた」という患者がたまにいます。
理由としては、白内障の手術をすると眼球の中の水(房水)の通り道(隅角)が開いて、水の通りがよくなるので、眼圧が下がるためです。
白内障手術で水晶体の代わりに入れる眼内レンズは、水晶体よりも薄いため、隅角が開きやすくなります。
白内障になると一般に水晶体は分厚くなります。
水晶体が後ろから虹彩を押し上げるため、隅角は狭くなります。
閉塞隅角緑内障発症は50歳以降が多く、60歳前半から70歳半ばにかけて発症年齢ピークがあり、薬剤性閉塞隅角緑内障でも同様であると考えられる。これは、水晶体が大きく厚くなると、虹彩が押し出されて隅角が狭い眼(狭隅角眼)になるためであり、女性、遠視の人でもその傾向が強いことが知られている。
白内障手術で挿入する眼内レンズは元々の水晶体に比べればはるかに薄く、術後隅角は大きく開きます。厚みのある水晶体をペラペラの眼内レンズに入れ替えることによって、水の出口が大きく広がります。薄い眼内レンズに入れ替えることで狭隅角や緑内障発作を解除させることができます。
つまり、白内障手術を行った緑内障患者は、閉塞隅角→開放隅角になるので、抗コリン薬など「急性閉塞隅角緑内障」に禁忌の薬でも使えるということになる。
急性緑内障発作
緑内障が進行すると「急性緑内障発作」を起こすことがあります。
眼球は水(房水)で満たされています。
房水とは眼の中を循環する液体のことで、毛様体という組織で作られて、虹彩と水晶体の間を通過して前房に至り、線維柱帯を経てシュレム管から排出され、眼外の血管へ流れていくという経路で循環しています。
この房水の循環によって、ほぼ一定の圧力が眼内に発生し眼球の形状が保たれます。この圧力のことを「眼圧」と呼びます。
眼圧が上昇すると視神経が障害されやすくなり、緑内障になるリスクが高くなります。
緑内障には様々な病型があり、閉塞隅角緑内障といって、房水の出口である「隅角」が狭くなってしまい、眼圧が上がってしまうタイプのものがあります。
閉塞隅角緑内障が進行すると隅角が詰まって房水が流れなくなります。
隅角が閉塞すると、房水の流出が滞り、毛様体で産生された房水が虹彩の裏側に溜まってしまいます。
そうすると溜まった房水は虹彩を上に押し上げるので、隅角はますます狭くなります。
房水が作られ続け、隅角から流れ出なくなると、眼圧はどんどん高くなります。通常の眼圧は10~20mmHgくらいですが、ひどい場合には50mmHg以上に上昇します。緑内障発作の症状としては、眼痛、頭痛、吐き気、かすみなどです。
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