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吸入ステロイドと併用禁忌の薬は?
公開. 更新. 投稿者:相互作用/薬物動態.この記事は約3分32秒で読めます.
8,789 ビュー. カテゴリ:吸入剤と併用禁忌の薬
吸入剤と併用禁忌の薬は?
外用剤と併用禁忌の飲み薬と聞いても、正直全く思い浮かびません。
そんな中、吸入ステロイドと併用禁忌の内服薬があることを知りました。
ミニリンメルトOD錠25µg/50µgの併用禁忌に、「副腎皮質ステロイド剤(注射剤、経口剤、吸入剤、注腸剤、坐剤)を投与中の患者」という記載があります。
理由としては、「低ナトリウム血症が発現するおそれがある。」ためです。
2020年11月現在、アズマネックスツイストヘラー、アテキュラ吸入用カプセル、エナジア吸入用カプセル、キュバールエアゾール、フルティフォームエアゾールの禁忌には、「デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者」という記載があります。
しかし、フルタイド、アドエア、パルミコート、シムビコート、レルベア、オルベスコの禁忌には、デスモプレシンとの併用について、まだ何の記載もありません。そのうち記載されてくると思います。
ミニリンメルトOD錠25µg/50µgの禁忌は「副腎皮質ステロイド剤(注射剤、経口剤、吸入剤、注腸剤、坐剤)」を投与中の患者ということなので、塗り薬は入っていない。
ただ、吸入ステロイド単独では低ナトリウム血症の副作用の記載はなく、禁忌にするほどではないような気もする。
ミニリンメルトの規格による併用禁忌の違い
「ミニリンメルトOD錠25µg/50µg」の禁忌をみると、
2.8 チアジド系利尿剤、チアジド系類似剤、ループ利尿剤を投与中の患者
2.9 副腎皮質ステロイド剤(注射剤、経口剤、吸入剤、注腸剤、坐剤)を投与中の患者
と、記載されていた。
初めて見た。今までミニリンメルトに併用禁忌の記載ってあったっけ?と思い、
「ミニリンメルトOD錠60μg/ 120μg/ 240μg」の添付文書をみると、併用禁忌の記載はない。
つまり、夜尿症に使うミニリンメルトではなく、男性の夜間頻尿に使うミニリンメルトで併用禁忌があるのだ。
高用量では併用禁忌じゃないのに、低用量で併用禁忌ってどういうこと?
高用量のミニリンメルトの禁忌に、
「心不全の既往歴又はその疑いがあり利尿薬による治療を要する患者[低ナトリウム血症が発現しやすい。]」
という記載はあるが、併用禁忌とはなっていない。
そもそも夜尿症患者に利尿剤なんて使ってるわけがないという、言うまでも無い、書くまでもないということなのだろうか。
併用禁忌の理由としては、利尿剤もステロイドも「低ナトリウム血症が発現するおそれがある。」とのこと。
製薬会社によると、低用量製剤の主な投与対象となりそうな高齢者において、ステロイド併用による低Na血症が起こりやすいためとのことです。
男性の夜間頻尿に安易にミニリンメルトを処方すると、プレミネントやエカードと知らずに併用してしまうこともありうるので注意。
高齢者に低ナトリウム血症のリスクが高いから禁忌あるのであれば、禁忌には、
・チアジド系利尿剤、チアジド系類似剤、ループ利尿剤を投与中の高齢者
・副腎皮質ステロイド剤(注射剤、経口剤、吸入剤、注腸剤、坐剤)を投与中の高齢者
と、書くべきではないのか。
とにかく、添付文書を調べる際にも、ネットで「ミニリンメルトOD錠25µg/50µg」の添付文書と間違えて「ミニリンメルトOD錠60μg/ 120μg/ 240μg」の添付文書を見てしまわないように気を付けましょう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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2 件のコメント
勉強になった。
一人薬剤師で週2のパート勤務。
これからも盛り沢山の実例の紹介宜しくお願いします。
一人で解決法出来ないことあります。
例えばベルソムラは向精神薬薬でないので、60日処方受けたらそのまま調剤しますか?
コメントありがとうございます。
そのまま調剤しますね。ルネスタ然り。
私のわかる範囲であれば、お気軽にご質問どうぞ。