2025年10月3日更新.2,640記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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小児に禁忌の薬一覧

▶小児に禁忌の薬一覧

医薬品名一般名禁忌
PL配合顆粒サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・プロメタジン2歳未満の乳幼児
アイファガン点眼液0.1%ブリモニジン低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児
アイベータ配合点眼液ブリモニジン・チモロール低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児
アイラミド配合懸濁性点眼液ブリモニジン・ブリンゾラミド低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児
アザルフィジンEN錠250㎎/500㎎サラゾスルファピリジン新生児、低出生体重児
アスピリン腸溶錠アスピリン出生体重児、新生児又は乳児
アベロックス錠400mgモキシフロキサシン小児等
アボルブカプセル0.5mgデュタステリド小児等
オーラノフィン錠3mg「サワイ」オーラノフィン小児
オスタバロ皮下注カートリッジ1.5㎎アバロパラチド小児等及び若年者で骨端線が閉じていない患者
カソデックス錠80㎎/OD錠80㎎ビカルタミド小児[本薬の薬理作用に基づき、男子小児の生殖器官の正常発育に影響を及ぼす恐れがある。また、本薬の毒性試験(ラット)において、雌性ラットで子宮の腫瘍性変化が認められている。]
カフコデN配合錠ジプロフィリン・ジヒドロコデイン配合剤12歳未満の小児
グラアルファ配合点眼液リパスジル・ブリモニジン低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児
クラビット錠250㎎/錠500㎎/細粒10%レボフロキサシン小児等
グレースビット錠50㎎/細粒10%シタフロキサシン小児等
クロフェドリンS配合錠/配合シロップジヒドロコデインリン酸塩・dl-メチルエフェドリン・クロルフェニラミン12歳未満の小児
クロロマイセチン錠50/250クロラムフェニコール低出生体重児、新生児[クロラムフェニコール過量投与によりGray syndromeが発症し、その予後が重篤である。]
ゲーベンクリーム1%スルファジアジン銀新生児〔高ビリルビン血症を起こすおそれがある.〕、低出生体重児〔高ビリルビン血症を起こすおそれがある.〕
コールタイジン点鼻液テトラヒドロゾリン・プレドニゾロン2歳未満の乳・小児
コデリンリン酸酸塩原末/散1%/散10%/錠5㎎/錠20㎎コデインリン酸塩12歳未満の小児
ザガーロカプセルデュタステリド小児等
サノレックス錠0.5mgマジンドール小児
サラゾピリン坐剤500mg/錠500㎎サラゾスルファピリジン新生児、低出生体重児
ジェニナック錠200mgガレノキサシン小児等
ジヒドロコデインリン酸塩原末/散1%/散10%ジヒドロコデインリン酸塩12歳未満の小児
シプロキサン錠100㎎/200㎎シプロフロキサシン小児等
シムツーザ配合錠ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビルアラフェナミド低出生体重児、新生児、乳児、3歳未満の幼児
小児用バクシダール錠50mgノルフロキサシン乳児等
スオード錠100プルリフロキサシン小児等
セキコデ配合シロップジヒドロコデイン・エフェドリン配合剤12歳未満の小児
ダイアップ坐剤4/6/10ジアゼパム低出生体重児・新生児[安全性は確立していない。]
ダイドロネル錠200エチドロン酸小児
タリビッド錠100mgオフロキサシン小児等
ツートラム錠25㎎/50㎎/100㎎/150㎎トラマドール12歳未満の小児
テリボン皮下注用56.5μg/28.2μgオートインジェクターテリパラチド小児等及び若年者で骨端線が閉じていない患者
ドメナン錠100㎎/200㎎オザグレル小児等
トラマールOD錠25㎎/50㎎トラマドール12歳未満の小児
トラマゾリン点鼻液0.118%「AFP」トラマゾリン乳児及び2歳未満の幼児
トラムセット配合錠トラマドール・アセトアミノフェン12歳未満の小児
ネオレスタミンコーワ散1%クロルフェニラミン低出生体重児・新生児
バイアスピリン錠100mgアスピリン低出生体重児,新生児又は乳児
バクタ配合錠/配合顆粒/バクタミニ配合錠スルファメトキサゾール・トリメトプリム低出生体重児,新生児
バレオンカプセル100㎎/錠200㎎ロメフロキサシン小児
ヒベルナ散10%/糖衣錠5㎎/糖衣錠25㎎プロメタジン2歳未満の乳幼児
ピレチア細粒10%/錠5㎎/錠25㎎プロメタジン2歳未満の乳幼児
フォルテオ皮下注キット600μgテリパラチド小児等及び若年者で骨端線が閉じていない患者
フスコデ配合シロップ/配合錠ジヒドロコデインリン酸塩・dl-メチルエフェドリン・クロルフェニラミン12歳未満の小児
プラケニル錠200mgヒドロキシクロロキン6歳未満の幼児[4-アミノキノリン化合物の毒性作用に感受性が高い。
プリジスタ錠600㎎/プリジスタナイーブ錠800㎎ダルナビル低出生体重児、新生児、乳児、3歳未満の幼児
プリビナ液0.05%ナファゾリン乳児及び2歳未満の幼児
プレジコビックス配合錠ダルナビル・コビシスタット低出生体重児、新生児、乳児、3歳未満の幼児
プロトピック軟膏0.1%タクロリムス小児等
プロトピック軟膏0.03%小児用タクロリムス低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児〔使用経験がなく、安全性は確立していない。〕
ベネシッド錠250㎎プロベネシド2歳未満の乳幼児
ペリアクチンシロップ0.04%/錠4㎎/散1%シプロヘプタジン新生児・低出生体重児
ヘルミチンS坐剤リドカイン配合剤乳幼児
ポララミン散1%/錠2㎎/シロップ0.04%/ドライシロップ0.2%d-クロルフェニラミン低出生体重児・新生児
メタルカプターゼカプセル50㎎/100㎎ペニシラミン成長期の小児で結合組織の代謝障害のある患者[結合組織異常を起こすおそれがある。]
メファキン「ヒサミツ」錠275メフロキン低出生体重児、新生児、乳児
幼児用PL配合顆粒サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・プロメタジン2歳未満の乳幼児
ラスビック錠75㎎ラスクフロキサシン小児等
ロペミンカプセル1㎎/細粒0.1%/小児用細粒0.05%ロペラミド低出生体重児、新生児及び6カ月未満の乳児[外国で、過量投与により、呼吸抑制、全身性痙攣、昏睡等の重篤な副作用の報告がある。]
ワントラム錠100㎎トラマドール12歳未満の小児

小児に禁忌の薬

子供用の薬というのは少ない。
そのため、大人用の薬を小児に処方するということもよく見られる。

しかし、薬によっては、小児に処方してはいけない、小児に禁忌の薬もあるので注意する。

小児に禁忌の薬といっても、対象の年齢層にはいろいろあり、小児全般で禁忌の薬、新生児で禁忌の薬、2歳未満で禁忌の薬などがある。

小児等の年齢区分として、
①新生児:出生後4週未満
②乳児:生後4週以上1歳未満
③幼児:1歳以上7歳未満
④小児:7歳以上15歳未満
という目安がある。

今どきの14歳だと大人と同じくらいの体格の子もいるが、定義上は「小児」なので、小児に禁忌の薬は投与できない。

小児に禁忌の薬として、代表的なものにニューキノロン系抗菌薬がある。ニューキノロンはカルシウムと結合して骨の成長を阻害する作用があるので、妊婦や小児には基本的に禁忌である。ただし、小児用バクシダール錠とオゼックス細粒/錠小児用は小児にも適応があり、バクシダール錠やオゼックス錠も小児に禁忌とはなっていない。

コデイン類(コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩)は薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP)2D6により、モルヒネやジヒドロモルヒネに代謝、鎮咳などの薬効を示す。しかし、遺伝的にCYP2D6活性が過剰な人(ultra rapid metabolizer:UM)では、モルヒネなどの血中濃度が上昇し、呼吸抑制などが生じやすくなる。授乳中のコデイン類摂取による乳児のモルヒネ中毒も報告されており、小児の服薬についても注意が必要とされ、12歳未満の小児に対するコデイン類投与は禁忌となっている。

また、抗ヒスタミン薬の小児に対する投与も注意する必要がある。ヒスタミンには痙攣を抑える働きがあるため、脳への移行率の高い第一世代抗ヒスタミン薬を血液脳関門の未熟な小児に投与した場合、眠気や集中力の低下を起こすだけでなく、痙攣を誘発する可能性がある。発熱時の熱性痙攣や、てんかん発作を引き起こすリスクが高くなるため、そのような病態の患者に抗ヒスタミン薬を投与する際には、一層注意が必要である。

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