2025年8月22日更新.2,594記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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PTPシートの包装単位一覧

1シートの数

薬の数を間違えて渡す計数ミスは調剤ミスのなかでも最も多いミスであろう。

1シートあたりの錠数は10錠が多い。ただ、なかには1シート14錠や21錠のウイークリーシートというのもある。ノルバスク錠/OD錠の10錠シートと14錠シートなど、同じ製品で1シートの錠数が違うものが混在すると間違えやすい。また、1シートあたりの錠数が10錠でも14錠でもないような薬もあるので、特に注意を要する。

また、調剤時によくあるのが、もともと10錠シートだったものが、2錠だけ切り離されて8錠シートになっているといった状態である。これも輪ゴムで束ねてしまうと10錠シートと見分けがつきにくくなり、過誤につながる。

計数ミスは患者にとって健康上の大きな被害とはならない可能性もあるが、過剰服用の原因となったり、薬が足りなくなって飲めなかったなどのトラブルが生じることもあるので、侮ってはいけない。

また、内服薬以外にも、坐薬は5個つづり、湿布は1袋7枚、軟膏は1本5gの製品が多いが、それ以外の規格もあるので注意を要する。特に医師も知ってか知らずか「アズノール軟膏 10g」という処方がよくみられるが、この場合は容器に詰めて渡さなければいけない。

▶1シートあたりの錠数(個数)に注意する主な薬一覧

医薬品名1シートあたりの錠数(個数)
SPトローチ12錠
イトリゾールカプセル8カプセル、10カプセル
イミグラン錠6錠
エクセラーゼ配合錠20錠、21錠
エフィエント錠5mg8錠、10錠
オーグメンチン配合錠6錠
オプスミット錠15錠
クラシエ漢方エキス錠3錠×6連包
クレメジン速崩錠1包4錠×3包つづり
ジスロマック錠250㎎6錠
ゼルボラフ錠8錠
ゾーミッグRM錠6錠
タチオン錠15錠、21錠(100㎎錠のみ)
バルトレックス錠6錠
ファムビル錠6錠
ファリーダックカプセル12カプセル
ホスレノールチュアブル錠500㎎6錠
マクサルトRPD錠3錠
マクサルト錠6錠
メトトレキサート錠2mg「あゆみ」6錠
リアルダ錠8錠
リパクレオンカプセル12カプセル

▶1枚あたりの個数に注意する主な薬一覧

医薬品名1枚あたりの個数
アローゼン顆粒4連、7連
強力ポステリザン軟膏5個、7個
新レシカルボン坐剤6個
ボラザG坐剤5個、7個

▶1袋あたりの枚数に注意する主な湿布薬一覧

医薬品名1袋あたりの枚数
アドフィードパップ6枚、7枚
イドメシンパップ5枚、7枚
カトレップパップ5枚、7枚
ゼポラスパップ6枚、7枚
セルタッチパップ6枚、7枚
ミルタックスパップ6枚、7枚

▶1本あたりのg数に注意する主な塗り薬一覧

医薬品名1本あたりのg数
アクトシン軟膏30g、200g
アズノール軟膏20g
アラセナクリーム2g、5g
アラセナ軟膏2g、5g、10g
エコリシン眼軟膏3.5g
オルセノン軟膏30g
カデックス軟膏40g
ゲーベンクリーム50g
タリビッド眼軟膏3.5g
ディフェリンゲル15g
テラマイシン軟膏25g
ドボネックス軟膏10g、30g
ドボベットゲル15g、30g
ドボベット軟膏15g、30g
ネオメドロールEE軟膏3g
パスタロンクリーム10%20g、50g
パスタロンクリーム20%25g
パスタロンソフト軟膏10%20g、50g
パスタロンソフト軟膏20%25g、50g
ヒルドイドクリーム25g、50g
ヒルドイドゲル25g、50g
ヒルドイドソフト軟膏25g、50g
プロスタンディン軟膏10g、30g
ユーパスタコーワ軟膏30g、100g
ユベラ軟膏56g

▶1本あたりのmL数に注意する主な点眼薬一覧

医薬品名1本あたりのmL数
エイベリス点眼液2.5mL
エイベリスミニ点眼液0.3mL
カタリンK点眼用15mL
カタリン点眼用15mL
キサラタン点眼液2.5mL
コソプトミニ配合点眼液0.4mL
ザラカム配合点眼液2.5mL
タプコム配合点眼液2.5mL
タプロス点眼液2.5mL
タプロスミニ点眼液0.3mL
チモプトールXE点眼液2.5mL
デュオトラバ配合点眼液2.5mL
トラバタンズ点眼液2.5mL
パピロックミニ点眼液0.1%0.4mL
ヒアレインミニ点眼液0.1%/0.3%0.4mL
ミケランLA点眼液2.5mL
ミケルナ配合点眼液2.5mL
ムコスタ点眼液UD2%0.35mL
リジュセアミニ点眼液0.025%0.3mL
ルミガン点眼液2.5mL
レバミピド懸濁性点眼液2%「参天」5mL

1本2.5mLの点眼薬

点眼薬の多くは1本5mLである。

点眼薬に記載されている使用期限は未開封の場合を条件としており、通常、開封後は1カ月以内に使い切るようにつくられている。それは使用期限が長ければ長いほど、点眼する過程で、微生物汚染のリスクが増加するからである。
1本5mLという量は「1か月以内の使用」に適切な液量となっている。

点眼液の1滴の量は約50μL(0.05mL)と言われており、5mLで約100回分使用できる。

1日2回両目に点眼であれば約25日分、1日3回両目に点眼であれば約17日分使用できる計算である。つまり、1本5mLの点眼薬は、点眼回数を守れば1ヵ月以内で使い切る液量になっている。ただし、1日1回の点眼回数の場合、両目に使用しても50日もつことになり、使用期限の目安である1ヵ月をオーバーしてしまう。そのため、1日1回の使用法の点眼薬は1本2.5mLの液量となっている。

1束の量

1シートあたりの錠数以外にも、シートが14錠×2枚、21錠×2枚といった何枚かの束でアルミパックされているものもある。プラザキサやオパルモンなど吸湿性の高い薬でアルミパックにされているが、これも計算間違いに注意する必要がある。

テープ剤などは7枚1つづりのものと10枚1つづりのものがあるので注意が必要である。また、「ホクナリンテープは7枚1つづりだ」と思い込んで、実際に枚数を数えると6枚しかないということもたまにある。前の調剤者が、7枚1つづりになっている束から1枚だけを抜き取り6枚になっているということである。抜き取って調剤した場合は帯を外して保管することを徹底しなければならない。

2 件のコメント

  • 匿名 のコメント
         

    いつも貴重な情報ありがとうございます。
    知識量がすごいと感嘆しております。
    ミヤBMはせっかくシートが改善されましたが、
    12錠シートというのは迷惑ですね。
    6枚入り湿布の問題も昔から悩ましいものです。

    上記のクレメジン速崩錠につきましては、1シートというよりも1包が4錠入りで、3包つづりとなっていますね。
    あとはうちで扱っていて紛らわしいシートとしましては、リアルダ錠が8錠シート、メトレート(新名称はメトトレキサート「あゆみ」)が6錠シートですね。錠剤ではないですが、リパクレオン顆粒の4包つづりもリパクレオンカプセル同様にわかりにくいです。

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    貴重な情報ありがとうございます。書き加えておきます。

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