2025年8月14日更新.2,580記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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医薬品名のアルファベットの意味一覧

医薬品のアルファベットの意味

医薬品名にアルファベットが付いているものは多い。
同一名称でアルファベットの違う薬は、調剤ミス、入力ミスの温床になっているので、鑑査時には、より注意が必要である。

デパケン錠と間違えてデパケンR錠を調剤したり、ファモチジンOD錠と間違えてファモチジン錠を調剤したりということがよくある。

配合剤のHDとLD(High Dose:高用量と Low Dose:低用量)も間違えやすい。

デュタステリドのAV(アボルブのジェネリック医薬品)とZA(ザガーロのジェネリック医薬品)も気をつける必要がある。

アルファベットの意味を知らなくても、どういう種類があるのかさえ知っていれば調剤ミスは防げるが、意味を知ることでさらに理解が深まる。

アルファベット医薬品名英語意味
Aアラセナ AAra-A (adenine-arabinoside)成分(ビダラビン)の略号由来
Aアルダクトン AAbsorption(吸収)以前販売の 100 mg 錠より吸収がよい
Aクリアミン AAce頭痛薬のエース
Aチョコラ AVitamin A成分名(ビタミン A)由来
APキョーリンAP2配合顆粒AP2治験番号(AP2)由来
ATPATP腸溶錠Adenosine triphosphate disodium成分名(アデノシン三リン酸二ナトリウム)の略号
AZAZ点眼液Azulene主成分が水溶性アズレン
BステリクロンBBlueBlue(青色)
B硫酸ポリミキシンBType BポリミキシンはA,B,C,D,Eの5つのタイプに分けられ、その中でBを製剤化した
BMミヤBMButyricum MIYAIRIミヤイリ菌(成分名由来)
CGSプラスターCCool冷感タイプの貼付剤
GSは成分のGlycol salicylate
CAアスパラCACalcium(カルシウム)成分名(L-アスパラギン酸カルシウム)由来
CRアダラートCRControlled Release成分の放出を制御した薬剤
DアリセプトDDisintegration口腔内崩壊錠
DガスターDOrally Disintegrating Tablet
Development
口腔内崩壊錠(ガスターOD錠の改良【進化】型)
DヒダントールDフェノバルビタール100mgに対するフェニトイン量の違いを表したものフェニトイン量:
A:50mg、B:100mg、C:150mg、D:200mg、E:250mg、F:300mg
但し製剤はD~Fのみ
DフロリードDDermatology皮膚科学
DメトリジンDDisintegrate口腔内崩壊錠
DPリンデロンDPBetamethasone Dipropionate成分名由来
EタフマックEEnzyme酵素製剤
EトプシムEクリームEmollient基剤がエモリエント(Emollient)ベース
EヒダントールEフェノバルビタール100mgに対するフェニトイン量の違いを表したものフェニトイン量:
A:50mg、B:100mg、C:150mg、D:200mg、E:250mg、F:300mg
但し製剤はD~Fのみ
Eユーエティ E 顆粒Enteric腸溶製剤
EDヘパンEDElemental Diet各成分(Elemental)を含む食物(Diet)
EEネオメドロールEE軟膏Eye and Ear目と耳に適応あり
EMエパデールEMEmulsification乳化製剤を示す「EMulsification」のEM
ENアザルフィジンENEnteric腸溶製剤
ENアミノレバンENEntero Neutrition経腸栄養
EPLEPLカプセルEssential Phospholipid必須リン脂質
EXコディオ配合錠EXextraextraの略でバルサルタン/ヒドロクロロチアジドの用量を80mg/12.5mg含有し、より強い降圧効果が期待できることから名付けられた。
FアリナミンFTetrahydrofurfuryl 基アリナミンにこの基が結合したもの
FヒダントールFフェノバルビタール100mgに対するフェニトイン量の違いを表したものフェニトイン量:
A:50mg、B:100mg、C:150mg、D:200mg、E:250mg、F:300mg
但し製剤はD~Fのみ
FフルコートFFradiomycin硫酸フラジオマイシンを配合
FADFAD錠Flavin Adenine Dinucleotide成分名(フラビンアデニンジヌクレオチド)の略号
FU5-FU錠5-fluorouracil成分名(フルオロウラシル)の略号
GアルロイドGGastric(胃の)胃に対する薬剤
HエンシュアHHigh Calorieエンシュアよりもカロリーが 50 % 高い
HオイラックスHHydrocortisoneオイラックスに Hydrocortisone が含有されている
HヒスロンHHigh Doseヒスロンよりも用量が高い
(ヒスロン錠; 5mg、ヒスロン H 錠; 200 mg)
HDアイミクス配合錠HD、アトーゼット配合錠HD、イルトラ配合錠HD、エカード配合錠HD、エクメット配合錠HD、ザクラス配合錠HD、ソニアス配合錠HD、プレミネント配合錠HD、メタクト配合錠HD、メトアナ配合錠HD、モビコール配合内用剤HD、ユニシア配合錠HD、リオベル配合錠HD、ルナベル配合錠HD、レザルタス配合錠HD、ロスーゼット配合錠HDHigh Dose高用量
KアスパラKカリウム(K)カリウム製剤
KカタリンK点眼液Karyu顆粒(用時溶解する錠剤を顆粒に改良した製剤)
KグルコンサンKカリウム(K)カリウム製剤
KYハーフジゴキシンKY錠Kyoto製造元が京都薬品工業株式会社
LセロケンLLong acting持続型
LブロクリンLカプセルLong acting持続型
LプロスタールLLong acting持続型
LAペルジピンLALong Acting持続型
LAミケランLALong Acting持続型
LDアイミクス配合錠LD、アトーゼット配合錠LD、イルトラ配合錠LD、エカード配合錠LD、エクメット配合錠LD、ザクラス配合錠LD、ソニアス配合錠LD、プレミネント配合錠LD、メタクト配合錠LD、メトアナ配合錠LD、モビコール配合内用剤LD、ユニシア配合錠LD、リオベル配合錠LD、ルナベル配合錠LD、レザルタス配合錠LD、ロスーゼット配合錠LDLow Dose低用量
LXアレジオンLX点眼液、ジクアスLX点眼液Lasting extend「LX」は、"lasting extend"という造語に由来し、効果をさらに長く引き伸ばす”持続性”を意味している。
MパルタンMMaleateマレイン酸塩
MミドリンM点眼Myopia近視(Myopia)
MSプロナーゼMSMucous Solubilizer粘液(Mucous)溶解剤(Solubilizer)
MSMSコンチンMorphine Sulfate成分名(硫酸モルヒネ)由来
MSMS冷湿布Methyl Salicylateサリチル酸メチル含有
NイノレットN、ノボリンN、ノボレットN、ヒューマカートN、ヒューマリンN、ペンフィル NNPH(neutral protamine hagedorn)中間型イソフェンインスリン製剤
NガスロンNNihon shinyaku似た商品名(ガスコン)と区別するため(日本新薬の製品)
NベトネベートNNeomycin硫酸フラジオマイシン(別名ネオマイシン)配合
NユベラNNicotinateビタミン E とニコチン酸を結合させた誘導体
ODアクトスOD、アムロジンOD、ナゼアODOral Disintegrant口腔内崩壊錠
PアタラックスPPamoateパモ酸塩
PエレンタールPPediatrics小児用
PトランコロンPPhenobarbital臭化メペンゾラート(トランコロン)とフェノバルビタールとの合剤
PミドリンPPhenylephrineフェニレフリン配合
PLPL顆粒pylon一般用医薬品として発売した総合感冒薬パイロンの転語
RイノレットR、ノボリンR、ノボレットR、ヒューマカートR、ヒューマリンR、ペンフィルRRegular or Rapid速効型インスリン製剤
RエンテロノンRResistance多剤耐性乳酸菌製剤
RカプトリルRRetard持効性製剤
RステリクロンR 液Redステリクロン W との識別のため赤色を付けた
(ステリクロン R には界面活性剤を含有しており、粘膜系への消毒には使用できない)
RセパミットRRetard持効性製剤
RセレニカRRetard持効性製剤
RデタントールRRetard持効性製剤
RデパケンRRetard持効性製剤
RニトロールRRetard持効性製剤
RヘルベッサーRRetard持効性製剤
RリスモダンRRetard持効性製剤
RMゾーミックRMrapidly melt in mouth口腔内速溶錠
SS・アドクノンShin(新)新しいアドレノクロム誘導体
SインフリーSカプセルSoftソフトカプセル
SエパデールSSmall, Smooth and Seamless capsule剤形(直径約4 mmの球形の軟カプセル)に由来
SチラーヂンSSynthesis合成
SビクシリンSStrong or Superクロキサシリンを加えることにより、従来品より効果増強
SブレオSSulfate硫酸塩
SプロタノールSSlow and Small吸収がゆるやかな小型の徐放錠
SホスミシンSSodiumナトリウム塩
SマーズレンSStrong単剤よりも強い力価を示す(だろう)
Sクリアミン配合錠S0.5SmallA1.0に比し有効成分量を半分「0.5」とし、剤形を小さくしたので「S(Small)」を付けた。
SMSM散Sankyo, Magen Mitte三共が開発したMagen Mittel(ドイツ語の胃薬)
SRナボールSRSlow Release剤形の特徴に由来(徐放性)
SRベザトールSRSlow Release剤形の特徴に由来(徐放性)
STアズノールSTSustained Release Tablets剤形(徐放性の口腔内挿入錠)に由来
TソリタT1. Takeda
2. Takatu
1. 販売が武田製薬
2. 当時東大の高津教授が開発した
TダラシンTゲルfor Topical use局所用
TGリズモンTGThermosetting Gel熱応答ゲル
TTSニトラダーム TTSTransdermal Therapeutic System経皮吸収型製剤
UアルギUUrea尿素サイクル異常症治療薬
UウラリットUUrine酸性尿改善剤
UキャベジンUvitamine Uビタミン U(メチルメチオニンスルホニウム)が成分
VリンデロンVValerateベタメタゾンの吉草酸エステル(Valerate)
VGリンデロンVGValerate + Gentamicinベタメタゾンの吉草酸エステルとゲンタマイシンの配合剤
WステリクロンW 液Whiteステリクロン R との識別のため
(ステリクロン R には界面活性剤を含有しており、結膜のうや外陰・外性器などの粘膜系への消毒には使用できないが、W は使用できる)
XEチモプトールXEextended efficacy従来型よりも効果が持続

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職業:薬剤師
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