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りんご病で関節痛?
公開. 投稿者:抗菌薬/感染症.この記事は約3分40秒で読めます.
1,025 ビュー. カテゴリ:大人のりんご病は診断が難しい?
りんご病と聞くと、子供の病気というイメージですが成人でもかかることがあります。
大人でりんご病と診断された患者さんを見ても、ほっぺたはあまり赤くありません。
りんご病では、顔面の蝶形紅斑、四肢の発疹に関節炎を伴うため、全身性エリテマトーデスや関節リウマチなどの膠原病・膠原病類縁疾患との鑑別を要します。
成人パルボウイルスB19感染症は、関節痛が77.2%と高率におこり、数ヶ月も持続することがあり、また、検査所見では補体の低下(頻度不明)、抗DNA抗体(68%)、抗リンパ球抗体(88%)、80倍以上の抗核抗体(46.2%)、ANCA(頻度不明)などの膠原病を疑わせる異常データが多数出現するため検査すればするほど膠原病・リュウマチ疾患と誤診されるひともいるものと類推されます。
むしろ、パルボウイルスB19をこれらの病気の原因と考えるむきもあります。
りんご病と聞くと、風邪のようなイメージですが、数か月も関節痛が持続することがある。
関節が痛い=リンゴ病、とはなかなかイメージされませんね。
妊娠中のりんご病は危険?
妊婦が感染すると、胎児の組織などに液体がたまる「胎児水腫」や流産の恐れがあります。
保育園などで流行しているときには注意が必要です。
しかし、ほっぺの赤い子をみて「りんご病だ、気を付けよう」と思っても、ほっぺが赤い状態になっている時点では、ほぼ感染力は失われており、うつる可能性は低い。風邪っぽい子には近づかないというのが無難。
りんご病の特徴
伝染性紅斑は、4、5歳を中心に、9歳以下の子どもで約9割を占めるウイルス性感染症。
4~5年に1度の流行がある。
例年、夏に流行して秋以降は終息する。
ほおがリンゴのように赤くなる。
大人が感染するとひどい関節痛などを併発するほか、妊婦では流産や死産の恐れもある。
伝染性紅斑に感染すると、1週間ほどで鼻水やせき、発熱など風邪に似た症状が出る。このころウイルスの排出量が最も多くなるが、この時点で病名を特定することは難しい。
感染から10~20日経過すると両ほおが赤くなったり、腕や足にレース状の発疹が見られたりと、リンゴ病特有の症状が出るが、すでにこの時には感染力がほぼ失われている。
ワクチンもなく、予防は難しいとされる。
子どもが感染しても大半は症状が軽いことから、あまり深刻な病気ととらえられていないが、大人が感染すると重い症状が出ることがあるので注意が必要。
成人はほおが赤くなることは少ないが、合併症として関節痛や関節炎を訴える人が男性では約3割、女性では約6割に及ぶ。中には起きあがれないほどの痛みが1~2日続く人もいるという。
妊婦が感染した場合、胎盤を介して胎児も感染。流産、死産に至るケースもある。
りんご病の感染力は?
顔が赤くなる1週間~10日前に微熱や風邪のような症状が出ます。
このときがウイルスが血液中で最も増えた状態で、感染力が強い時期です。
しかし、この感染力が強い時期にりんご病と診断されることはない。
皮疹が出現し診断がついたときには感染性はほとんどない。
ほっぺが赤くなった頃に、りんご病と診断されても、すでに感染力は無いので、友達と遊んでも大丈夫。
リンゴ病は第五病?
リンゴ病のことを英語で、fifth disease(第五病)と呼ぶらしい。
第一病が麻疹。
第二病がしょう紅熱。
第三病が風疹。
第四病はこれらに似た赤い発疹が現れる実体がはっきりしない病気
そして、第五病がりんご病。
ついでに、第六病は突発性発疹。
子供がよくかかる発疹性の病気ですね。
fifth disease って言うとなんかカッコイイ。
映画のタイトルみたい。
でも、ただのりんご病。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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