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逆流性食道炎と胃食道逆流症の違いは?
公開. 更新. 投稿者:消化性潰瘍/逆流性食道炎.この記事は約2分15秒で読めます.
2,717 ビュー. カテゴリ:GERDとNERDの違いは?
逆流性食道炎と胃食道逆流症って違うの?
PPIの効能効果をみると、「胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群、非びらん性胃食道逆流症、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制・・・」
いろいろありますね。
Zollinger-Ellison症候群とか正直よくわかりませんが、今回はこの中の「逆流生殖食道炎」と「非びらん性胃食道逆流症」に着目。
一覧にすると以下の通り。
胸やけ症状 | 食道の粘膜の目に見える炎症(びらんや潰瘍など) | ||
---|---|---|---|
胃食道逆流症(GERD) | 逆流性食道炎 | ある※症状がないこともある(無症候性逆流性食道炎) | ある |
非びらん性胃食道逆流症(NERD) | ある | ない |
胃食道逆流症(GERD:gastro-esophageal reflux disease)に逆流性食道炎が含まれる。GERDのうち、内視鏡所見があるものが、逆流性食道炎。
そして、非びらん性胃食道逆流症(NERD:non-erosive reflux disease)とは、胸やけや呑酸などの胃酸逆流症状はあるが、内視鏡検査で食道にびらんや潰瘍が見当たらないものをいいます。
NERDはGERDの一病態で、違う病気というわけではない。
つまり、内視鏡所見、胃カメラで異常を見つけなければ逆流性食道炎かどうかわからないということになる。PPIの長期処方の言い訳として「再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法」という適応病名が使われるが、胃カメラを実施できない医療機関で「逆流性食道炎」と診断できるのかどうか…という点は保険請求がらみでいろいろありそうだが、胃食道逆流症の概念は時代とともに変遷してきており、現状は問診で逆流性食道炎の疑い強ければ診断できるのだろう。
ただ、PPIの添付文書上、非びらん性胃食道逆流症(NERD)に対しての用法は、タケプロンの場合、
〈非びらん性胃食道逆流症(OD錠15のみ)〉
通常、成人にはランソプラゾールとして1回15mgを1日1回経口投与する。なお、通常4週間までの投与とする。
と15㎎にしか適応がなく、また4週間までの投与となっており、逆流性食道炎の場合と投与期間、用量が異なる。
しかし実際問題、医師は内視鏡所見が無いからといって「PPIの投与は4週間までで終わり」とはならないだろう。
このような現実に即していない添付文書の用法用量を残したままにしておくのは、厚生局が薬局をイジメるためのネタを残しているとしか思えない、ひねくれた私です。
胃カメラでわからない胃食道逆流症?
胃内容物の逆流によって食道に炎症を起こす病態を胃食道逆流症(GERD)といいます。
胸焼けです。
GERDの中には、胃カメラで食道を見てもわからない、食道粘膜性傷害が認められないケースもあります。
それをNERD(非びらん性胃食道逆流症)といいます。
以前はGERDの軽いものがNERDという認識でしたが、NERDはGERDの60~80%を占め患者数が多く、中には強い症状で生活の質が大きく損なわれる患者も存在し、新たな疾患概念として臨床的に位置づけられています。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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