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心房細動にPPI?
公開. 更新. 投稿者:不整脈.この記事は約1分27秒で読めます.
3,076 ビュー. カテゴリ:心房細動
心房細動とは、心房で不規則な電気興奮(300~500回/分ほど)が生じ、心房が細かく震えてきちんと収縮できない状態のことである。
心房細胞は発作の持続時間などから、主な3つに分けることができる。
発症後7日以内(多くは48時間以内)で洞調律に復帰するものを「発作性心房細動」、心房細動が7日以上持続場合を「持続性心房細動」という。
また、電気的あるいは薬理学的に除細動不能で、洞調律の時期がないものを「永続性心房細動」という。
発作性心房細動とGERD
心房細動(AF)患者は、糖尿病や高血圧を含む他の心血管系疾患や、甲状腺機能亢進症などの基礎疾患を有していることが多いといわれているが、その他の危険因子として、肥満やアルコール摂取、胃食道逆流症(GERD)などが指摘されている。
特に、基礎疾患を有していない孤立性の発作性心房細動(PAF)は、迷走神経の緊張状態で発生する場合があり、60歳以下の男性に多く、睡眠中や安静時、食後に起きやすいことが知られている。
GERDによる心房細動の発症機序としては、①局所の炎症が食道壁を通過して、近接する迷走神経を刺激する、②局所の炎症が自律神経反射を誘導し、二次的に迷走神経を刺激する、③局所の炎症が食道壁を伝わって心膜や心房筋の炎症を引き起こす、④GERDが炎症性メディエーターの遊離を招き、心房筋や心伝導系に影響を与える、⑤GERDが自己免疫反応を誘発し、それがPAFの一因となる、といった様々な仮説が提唱されている。
明確な結論は得られていないものの、胃酸の逆流による慢性的な食道粘膜の炎症が、食道に近接する左心房や肺静脈などのAFの発生源に影響を及ぼすことで、心房細動が誘発されると考えられている。
そのためGERDとの関連性が疑われる心房細動に対しては、PPIを用いたGERD治療を行うことで、心房細動の発生頻度の抑制やPAFの完全消失が期待できるほか、持続性心房細動への進展を予防する可能性も示唆されている。
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