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不整脈は自覚症状が無い?
公開. 更新. 投稿者:不整脈.この記事は約3分55秒で読めます.
2,269 ビュー. カテゴリ:自覚症状のある不整脈
不整脈で自覚する症状は?
不整脈の症状といえば、「動悸」「めまい」など。
しかし抗不整脈薬を飲んでいる多くの患者さんでは、自覚症状はなく、心電図で異常が見つかったから飲んでいるという人がほとんどです。
脈が速くなる「頻脈」や、脈が遅くなる「徐脈」は、脈拍を測ればわかりますが、それ自体を症状として自覚することはない。
頻脈に随伴して動悸が起こっていたり、徐脈に随伴してめまい・ふらつきが起こることはある。
ちなみに脈拍は、安静時、1分間に60~80回、規則正しく打っていれば正常。
脈が飛ぶ期外収縮では、胸がドキンとすることがありますが、多くの場合、自覚症状はありません。
危険な頻脈性の不整脈である「心室細動」では、心室が細かく震え、心臓が機能を失い、発症から5~10秒で意識がなくなって失神し、放置すると死に至る不整脈です。
同じく心室で起こる「心室頻拍」は、脈が1分間に120回以上になり、心室細動に移行して突然死することもあります。
心房で起こる「心房細動」は、脳塞栓の原因ともなる不整脈で、脈の乱れ、胸部の不快感、胸の痛み、動悸、息苦しさ、運動時の疲労感、めまいなどの症状が起こります。 しかし、約50%程度の患者さんは症状を自覚しないもいわれています。とくに発作持続期間が短い発作性心房細動は、見つかりにくいため注意が必要です。
自覚症状を伴う不整脈というのは、重度な場合も多いので、病名を聴取しておきましょう。
突然死
日本における突然死の正確な実態は不明ですが、その半数以上を心臓に原因がある心臓突然死が占めています。
心臓突然死の多くは不整脈死であり、その原因として心室細動や心室頻拍などの心室性頻脈性不整脈の役割が大きく、徐脈性不整脈は不整脈死全体の10~20%であるとされています。
急性心筋梗塞や心筋症などが原因で起こる突然死においても、心臓が停止する直接の原因のほとんどは心室細動によるものといわれています。
アダムス・ストークス発作
不整脈によって生じた意識消失発作のことで、心室からの血液駆出がなくなる(心停止)ために、失神、眼前暗黒感を伴うめまいなどの脳虚血症状を来たす。
心停止の時間が短いとめまいですむが、長いと失神して倒れ頭などを打つことがある。
意識は数秒から数分で回復し、手足の麻痺は一般には残さない。
ブルガダ症候群
学生さんや働き盛りの社会人が、特に持病もないのに突然死んでしまうことをポックリ病と言うことがあります。
このような突然死の中には心疾患による致死的(死亡につながる)不整脈のケースが多く含まれているのですが、東南アジアや日本における致死的不整脈の原因として特に注目されているのがブルガダ症候群です。
ブルガダ症候群はブルガダ先生が最初に報告した男性に多い病気です。
特徴的な心電図所見(ブルガダ型心電図)がみつかることで診断されますが、このような所見が、ある年齢になって突然出現したり、時期によって所見がでたりでなかったりすることが知られています。
ブルガダ型心電図は、健康診断などで心電図検査をした場合0.1~1.0%にみられるとされています。
1000人集まれば1~10人はこのタイプの心電図ということになります。
ブルガダ症候群の人にブルガダ型心電図があっても、そのままの状態であれば自覚症状もありませんし、心機能も正常です。
ところが、このブルガダ型心電図は、致死的不整脈である心室細動を起こしやすいという特徴を持つことが問題になります。
一旦心室細動を起こすと、一過性の場合意識消失発作などで済みますが、最悪の場合死亡する可能性があります。ある論文によりますと、ブルガダ型心電図を呈している人の40%程度が過去に意識消失発作や心室細動を経験していますが(有症候者)、60%はまったく自覚症状がありません(無症候者)。
ブルガダ症候群だから突然死するというわけではありませんが、突然死のリスクがもともと高い人が1億人のうち10万人くらいはいるということです。
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