記事
間違えやすい消化酵素剤
公開. 更新. 投稿者:肝炎/膵炎/胆道疾患.この記事は約3分58秒で読めます.
8,292 ビュー. カテゴリ:KM散とSM散
〇〇散、という消化酵素剤の名前は多い。
〇〇はアルファベットで、KM、SM、YM、TM、HM、FK、MM、MMDなどがある。
いずれも同じような茶色い粉で、3連包で21包毎に束になっていて、大きい箱に入っており、紛らわしいのである。
私はこれを取り間違えることが多い。
つくしAM散は間違えにくい。
そうだ。他の消化酵素剤にも、アルファベットだけでなく頭にひらがなをつけてもらうと間違えにくくなるかも。
そてつKM散とか、わらびSM散とかね。
消化酵素剤の一般名処方
以下の一般名の薬の製品名を答えられるだろうか?
1つでもわかればすごい。
【般】ビオヂアスターゼ1000等消化酵素 配合カプセル
【般】ジアスターゼ・生薬等配合散
【般】ビオヂアスターゼ・生薬等配合散
【般】ビオヂアスターゼ1000等消化酵素 配合錠
【般】ビオヂアスターゼ2000等消化酵素 配合カプセル
【般】ビオヂアスターゼ2000等消化酵素 配合顆粒
【般】ビオヂアスターゼ2000等消化酵素 配合錠
正解は、
【般】ビオヂアスターゼ1000等消化酵素 配合カプセル(フェルターゼ配合カプセル、フェンラーゼ配合カプセル)
【般】ジアスターゼ・生薬等配合散(FK配合散、HM散、KM散、NIM配合散、ピーマーゲン配合散)
【般】ビオヂアスターゼ・生薬等配合散(MMD配合散、M・M配合散、YM散「イセイ」、マナミンTM散)
【般】ビオヂアスターゼ1000等消化酵素 配合錠(サニアーゼ配合錠)
【般】ビオヂアスターゼ2000等消化酵素 配合カプセル(オーネスSP配合カプセル、ケイラーゼAT配合カプセル、ケイラーゼAカプセル)
【般】ビオヂアスターゼ2000等消化酵素 配合顆粒(オーネスN配合顆粒、ケイラーゼSA配合顆粒、ケイラーゼS顆粒、ハイフル配合顆粒、ヨウラーゼE配合顆粒)
【般】ビオヂアスターゼ2000等消化酵素 配合錠(オーネスST配合錠、ボルトミー配合錠、マックターゼ配合錠)
全くわかりません。
一般名処方ということは、
【般】ジアスターゼ・生薬等配合散
という、処方が来た場合、「FK配合散」を使っても、「KM散」を使っても良いというわけだ。
しかし、
FK配合散の成分は、
日局 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム 0.4g
日局 炭酸水素ナトリウム 0.3g
日局 沈降炭酸カルシウム 0.1g
日局 ジアスターゼ 0.2g
日局 オウレン末 0.05g
日局 チョウジ末 0.01g
日局 ウイキョウ末 0.025g
日局 ショウキョウ末 0.01g
日局 サンショウ末 0.001g
日局 ケイヒ末 0.082g
日局 カンゾウ末 0.12g
KM配合散の成分は、
日局 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム…400mg
日局 ジアスターゼ…100mg
日局 炭酸水素ナトリウム…300mg
日局 沈降炭酸カルシウム…200mg
日局 チョウジ末…10mg
日局 ウイキョウ末…20mg
日局 ケイヒ末…74.5mg
日局 ショウキョウ末…24.5mg
日局 オウレン末…50mg
日局 サンショウ末…1mg
日局 カンゾウ末…118mg
意外と近い。でも用量など異なるものもある。
他の薬で比べてみよう。
マックターゼ配合錠は、
胃溶部
ビオヂアスターゼ2000 10.0mg
ニューラーゼ 9.0mg
セルラーゼAP3 5.0mg
腸溶部
膵臓性消化酵素8AP 26.0mg
プロザイム6 5.5mg
ボルトミー配合錠は、
胃溶性部分:
ビオヂアスターゼ2000 2mg
セルラーゼAP3 2mg
腸溶性部分:
ニューラーゼ 1mg
膵臓性消化酵素TA 72mg
やはり、成分や含有量が異なる。
一般名処方マスタには「各品目により成分・含量が異なる」と記載されている。
消化酵素剤は、漢方薬のようなオリジナルな配合のものが多い。
同じ一般名でくくられている理由はわからないが、個人的には漢方薬のように全て先発扱いにして一般名など存在しなくてよいのではないかと思う。
逆に、漢方薬のほうがツムラでもクラシエでもアリになったほうが良いのかもしれない。
とにかく非常にわかりづらい。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。