2025年9月12日更新.2,622記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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わかりにくい一般名処方一覧

▶わかりにくい主な一般名処方一覧

一般名処方マスタ商品名
【般】アズレンスルホン酸Na・L-グルタミン配合顆粒マーズレンS配合顆粒
【般】アズレンスルホン酸Na・炭酸水素ナトリウム配合含嗽剤含嗽用ハチアズレ顆粒
【般】アムロジピン2.5㎎・アトルバスタチン5㎎配合錠:1カデュエット配合錠1番
【般】アムロジピン2.5㎎・アトルバスタチン5㎎配合錠:2カデュエット配合錠2番
【般】アムロジピン2.5㎎・アトルバスタチン5㎎配合錠:3カデュエット配合錠3番
【般】アムロジピン2.5㎎・アトルバスタチン5㎎配合錠:4カデュエット配合錠4番
【般】ケトプロフェンテープ20㎎(7×10cm温感)ケトプロフェンテープ20㎎「ラクール」
【般】サナクターゼ50㎎等消化酵素配合錠エクセラーゼ配合錠
【般】サラゾスルファピリジン錠500㎎サラゾピリン錠500㎎
【般】サラゾスルファピリジン腸溶錠500㎎アザルフィジンEN錠500㎎
【般】ジアスターゼ・生薬等配合散FK配合散、HM散、KM散、TM配合散、ピーマーゲン配合散、NIM配合散
【般】シクロスポリンカプセル50mg:NEネオーラル50㎎カプセル
【般】耐性乳酸菌散0.6%ビオフェルミンR散
【般】耐性乳酸菌散1%ラックビーR散
【般】耐性乳酸菌散1.8%レベニン散
【般】耐性乳酸菌散10%エンテロノンーR 散
【般】大腸菌死菌・ヒドロコルチゾン配合軟膏強力ポステリザン軟膏
【般】沈降炭酸カルシウム錠250mg(制酸剤)炭カル錠「ヨシダ」250㎎
【般】沈降炭酸カルシウム錠250mg(高リン血症用)カルタン錠「ヨシダ」250㎎
【般】テオフィリン徐放錠200mg(12~24時間持続)テオドール錠200㎎
【般】テオフィリン徐放錠200mg(24時間持続)ユニコン錠200、ユニフィルLA錠200㎎
【般】ドロスピレノン・エチニルエストラジオール配合錠・プラセボ錠ヤーズ配合錠
【般】ニフェジピン徐放錠20㎎(12時間持続)ニフェジピンL錠20㎎
【般】ニフェジピン徐放錠20㎎(24時間持続)アダラートCR錠20㎎
【般】バルプロ酸Na徐放錠200㎎デパケンR錠200㎎
セレニカR錠200㎎
【般】ビオヂアスターゼ1000等消化酵素配合カプセルフェンラーゼ配合カプセル
【般】ビオヂアスターゼ2000等消化酵素配合錠マックターゼ配合錠
【般】ヒドロコルチゾン・フラジオマイシン等配合軟膏プロクトセディル軟膏
【般】ビフィズス菌・ラクトミン配合散ビオスミン配合散
レベニンS配合散
【般】フェンタニルクエン酸塩テープ0.5㎎(1日用)フェントステープ0.5㎎
【般】フェンタニルテープ0.84㎎(1日用)ワンデュロパッチ0.84㎎
【般】フェンタニルテープ1.38㎎(3日用)ラフェンタテープ1.38㎎
【般】フェンタニルテープ2.1㎎(3日用)デュロテップMTパッチ2.1㎎
【般】プロメタジン1.35%等配合非ピリン系感冒剤PL配合顆粒
【般】プロメタジン6.75㎎等配合非ピリン系感冒剤ピーエイ配合錠
【般】ポビドンヨード外用液7.5%イソジンスクラブ液7.5%
【般】ポビドンヨード外用液10%(エタノール非含有)イソジン液10%
【般】メトホルミン塩酸塩錠250mg:GLグリコラン錠250㎎
【般】メトホルミン塩酸塩錠500mg:MTメトグルコ錠500㎎

一般名処方の書き方

ジェネリック医薬品を普及させるために、商品名ではなく一般名での処方を増やすため、平成24年4月から一般名処方加算が導入された。それ以降、一般名処方が増えたが、それに伴い、薬局では一般名処方による薬剤の取り違えという調剤ミスも増えている。

一般名処方のルールとしては、【般】+「一般的名称」+「剤形」+「含量」という記載方法で行うのが標準的で、一般名処方マスタという厚生労働省が作成している基準がある。しかし、1つの一般名で複数の商品が該当する薬剤などでは、【般】+「一般的名称」+「剤形」+「含量」という書き方のルールだけでは、【般】メトホルミン塩酸塩錠250㎎と書かれていた場合、メトグルコなのかグリコランなのかわからず、【般】テオフィリン徐放錠200㎎と書かれていた場合、テオドールなのかユニフィルLAなのかわからないという困った事態になる。そのため、このようなわかりにくい一般名処方については、あらかじめ知っておいた方がよい。

また、配合剤では、すべての成分を記載するわけにもいかないので、代表的な成分名を記載し、「〇〇等配合」となっている薬もあるが、わかりにくい。

【般】ポビドンヨード外用液10%(エタノール非配合)はイソジン液10%のことだが、エタノール含有のイソジンフィールド液10%というのもある。イソジンフィールド液の適応は「手術部位(手術野)の皮膚の消毒」であるので、処方箋で処方されることがなく、【般】ポビドンヨード外用液10%(エタノール含有)というものは存在しない。

【般】シクロスポリンカプセル50㎎:NEはネオーラル50㎎カプセルのことだが、2018年6月まで同じシクロスポリン製剤のサンディミュンカプセルという製品が存在していた。ネオーラルとサンディミュンは成分は同じであるが、生物学的に同等ではないため、一般名も違うものにする必要があった。そのため一般名に「NE」という記号が付いているが、サンディミュンは販売中止となり、現在あるジェネリックはすべてネオーラルのジェネリックであるため、NEという記号の存在意義はない。

ヤーズ配合錠の一般名は、「【般】ドロスピレノン・エチニルエストラジオール配合錠・プラセボ錠」となっているが、ヤーズフレックス配合錠との取り違えのリスクが高いので、メーカーからの『「一般名処方」による取り違え防止へのご協力のお願い』という文書では、ヤーズ配合錠を「【般】ドロスピレノン・エチニルエストラジオール錠(プラセボ有)」、ヤーズフレックス配合錠を「【般】ドロスピレノン・エチニルエストラジオール錠(プラセボ無)」と記載するように推奨している。

必ずしも一般名処方マスタ通りに記載してくる処方箋ばかりではなく、医療機関によっては区別するためのオリジナルの情報を付記している所もある。医師が普通錠と徐放錠を勘違いしていることもあるし、医療事務が選択を間違えることもある。過去の処方や患者からの聴取を参考に疑義があれば疑義照会を行う。

なかでもバルプロ酸ナトリウムの一般名処方は調剤ミスを起こしやすいので注意を要する。

▶バルプロ酸ナトリウムの一般名処方

一般名用法商品名一包化の可否
【般】バルプロ酸Na細粒20%1日2〜3回デパケン細粒20%
バルプロ酸ナトリウム細粒20%「EMEC」
【般】バルプロ酸Na細粒40%1日2〜3回デパケン細粒40%
バルプロ酸ナトリウム細粒40%「EMEC」
【般】バルプロ酸Na徐放顆粒40%1日1回セレニカR顆粒40%
バルプロ酸Na徐放顆粒40%「フジナガ」
バルプロ酸ナトリウム徐放U顆粒40%「アメル」
【般】バルプロ酸Na錠100mg1日2〜3回デパケン錠100mg×
バルプロ酸Na錠100mg「フジナガ」×
バルプロ酸ナトリウム錠100mg「アメル」×
バルプロ酸Na錠100mg「TCK」×
バレリン錠100mg
【般】バルプロ酸Na錠200mg1日2〜3回デパケン錠200mg×
バルプロ酸Na錠200mg「フジナガ」×
バルプロ酸ナトリウム錠200mg「アメル」×
バルプロ酸Na錠200mg「TCK」×
バレリン錠200mg
【般】バルプロ酸Na徐放錠100mg(1)1日1〜2回デパケンR錠100mg
バルプロ酸ナトリウム徐放錠A100mg「トーワ」
バルプロ酸ナトリウムSR錠100mg「アメル」
【般】バルプロ酸Na徐放錠200mg(1)1日1〜2回デパケンR錠200mg
バルプロ酸ナトリウム徐放錠A200mg「トーワ」
バルプロ酸ナトリウムSR錠200mg「アメル」
【般】バルプロ酸Na徐放錠200mg(2)1日1回セレニカR錠200mg×
【般】バルプロ酸Na徐放錠400mg(2)1日1回セレニカR錠400mg×

デパケンR錠200㎎とセレニカR錠200㎎は一般名処方マスタ上は【般】バルプロ酸Na徐放錠200㎎という同じ一般的になっているので、その通りの記載だと薬局でどちらを調剤すべきかわからない。私の薬局ではレセコン上、デパケンR錠200㎎が【般】バルプロ酸Na徐放錠200㎎(1)、セレニカR錠200㎎が【般】バルプロ酸Na徐放錠200㎎(2)という区別になっている。それぞれの添付文書を見ると、デパケンRが「日本薬局方バルプロ酸ナトリウム徐放錠A」となっているが、一般名処方マスタはそのように区別されてはいない。

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