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統合失調症と躁うつ病の違いは?
公開. 更新. 投稿者:うつ病.この記事は約4分45秒で読めます.
4,497 ビュー. カテゴリ:統合失調症と躁うつ病
躁うつ病と統合失調症は何が違うの?
躁うつ病(双極性障害)の躁状態が陽性症状に、うつ状態が陰性症状に類似することから、統合失調と躁うつ病の鑑別が難しい場合があります。
大きな違いは統合失調症が「思考」の障害であるのに対して躁うつ病は「気分」の障害であることから、症状が気分に関連して変動する場合には躁うつ病として鑑別が可能です。
また、躁うつ病は躁の病期とうつの病期がはっきりと分かれ、病期と病期の間は正常な機能レベルに回復しますが、統合失調症の場合にはそのような病期があることはまれで、正常な機能レベルに回復することはありません。
難しい。
躁うつ病の診断は難しい
双極性障害は、激しい躁状態とうつ状態がある双極Ⅰ型と、軽い躁状態(軽躁状態)とうつ状態がある双極Ⅱ型があります。
双極Ⅱ型の軽躁状態はⅠ型の躁状態ほど激しくないので、うつ病と診断されてしまいがちです。
双極性障害とうつ病は治療方法が異なるため注意が必要です。
双極性障害患者は見逃されがち
双極性障害は大うつ病性障害と診断される場合が多く、見逃されやすいのが現状です。
NIMHの長期追跡研究によりますと、双極Ⅰ型障害患者の経過中の約3分の1、双極性Ⅱ型障害患者では約半分の期間をうつ病相で過ごしていると報告されています。
また、患者はうつ状態の時だけ受診する傾向が高くなっています。
このように、うつ病相の期間が長く、うつ病相に目が行きがちになりますので、多くの双極性障害患者が「うつ病」と診断されている可能性があります。
さらに、双極性障害は、約半数がうつ病相で発症し、発症後、数年経て双極性障害の確定診断にいたります。
つまり、双極性障害と大うつ病性障害の鑑別診断について継続的な注意が必要と言えるのではないでしょうか。
躁病エピソードの基本症状
①気分高揚、爽快、怒りっぽい
高揚した気分とは、本人としては「気分がよい」、「うきうきする」といった表現をとり、周囲も「快活」、「陽気」ととらえる。
さらに、開放的になるので、見ず知らずの人に話しかけ、外見的にも服装や化粧が派手になることが多い。
高揚したり、開放的な気分による言動が他者に妨げられたりした場合には、怒りっぽさが前面に出る。
②過度の自尊心あるいは誇大的思考
自己評価が高まり、思考も誇大的な考え方につながる。
その結果、自己の能力を過信し、実現不可能な計画を立てる。
程度は様々であるが、時に妄想を呈する程になる場合がある。
躁病エピソードに出現する、気分に一致した精神病症状としては、「自分は神と関係がある」といった誇大妄想が多い。
③睡眠に対する欲求が減る
睡眠時間が短すぎるのではないかと思えるような状態であっても、すっきりした気分で目覚め、本人は睡眠が不足していると思わない。
④普段より多弁で、話したい気持ちが強い
話したい気持ちが次から次へと生じ、声も大きく、早口で、周囲が口を差し挟むのも難しい。
内容も、駄洒落や悪ふざけと判断されるような場合が多い。
多弁(多動で動き回る場合も含む)で次々に話す状態を、会話心拍と称する。
易怒的な気分が強い場合は、会話内容も不平、批判といったことが主となる。
⑤考えが次々浮かぶ
考えが次々浮かぶ結果、④の多弁を呈することになる。
話す内容も次々に変化し、関連性が乏しい話題に移っていく。
このような状態を観念奔逸と呼ぶ。
⑥注意の散漫
容易に注意がそれてしまい、例えば、話している相手の服装に気が散り、話題に集中できないといったことが起こる。
⑦目的指向性のある行動が高まる、あるいは精神運動性の焦燥
対人面を中心として、性的、職業的、宗教的、政治的な目的を持った計画や行動が増加する。
時に、内的な緊張感と連動した活動性の亢進、例えば足踏みを頻回にする、手をよじるなどを呈することもある。
⑧困った結果を引き起こす可能性が高いにもかかわらず、自らの楽しみに集中する
開放的で、計画性が乏しく、誇大的な気分により、浪費、粗暴な運転、性的逸脱行為などへの無分別な熱中につながる。
エピソードという概念
うつ病は「気分障害」です。
日本で標準的な疾患の分類として用いられているICDー10によると、大見出しとして「うつ病」というものはなく、「気分(感情)障害」という大項目に含まれます。
なお、症状の発現(わかりやすく言えば、発作のようなものですが、発作の間の安定期も含まれます)をエピソードと呼びます。
このエピソードは、①うつ病エピソード、②躁病エピソード、③混合性エピソード、の3つのが基本で、これらに④軽躁病エピソードを加えた4種類がICDー10には示されています。
エピソードという概念は、疾患名を規定するというよりも、症状を規定する意味合いのものと考えてよいでしょう。
したがって、従来の躁うつ病という概念はうつ病エピソードと躁病エピソードが交代で現れるものと考えられます。
なお、このICDー10による分類を診断書に明記しなければならない場合もあります。
実際の臨床の現場では、この分類は細かすぎて実用には適していませんが、病態の全体像を理解するためには、このような包括的分類は役に立ちます。
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2 件のコメント
ここでは、ロコアテープの事が中心なのでは?
私は、先生からは、ロコアテープの効能を伺っていませんが、薬剤師から
今迄の錠剤を2錠減らしてくださいと、別の科の先生に仰ってくださいと
言われました。そして、先生に賭けあって、急いで、2錠飲むのを辞めてもいいですよ、と承諾を得ました。
ちなみに、統合失調症の場合は、ヨシトミでした。
この薬は、部分的ではなく、全身に効くそうですね。効能が利きすぎるので、メンタルの薬を減らされました。そして、更に、高血圧、糖尿病の
薬にも、影響があるそうです。
難しい事は、素人の私にも解りませんが、ロコアテープで、情報を得たのは、以上の事です。
統合失調症でも治るケースはあります。中井久夫先生の著書などに書かれています。ブロイラーの時代には60%が回復していたそうですし、20%がほどは完全に回復するというデータもあるそうです。医者でもないのに安易に治らないなどと書くのはやめた方がいいと思います。
また、双極性障害で幻聴のある人もいますし、統合失調症で躁病的な症状がある人もいます。