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リフレックスは眠くなる?
公開. 更新. 投稿者:うつ病.この記事は約7分52秒で読めます.
2,526 ビュー. カテゴリ:NaSSAと睡眠
ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)のミルタザピン(レメロン、リフレックス)は眠気の副作用が多いことで有名です。
臨床試験での副作用の頻度は、傾眠50%、口渇20.6%、倦怠感15.2%、便秘12.7%などが報告されている。
抗うつ薬は種類によって、睡眠への影響が異なる。
三環系および四環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)は、レム睡眠に影響し、睡眠サイクルに変調を来す可能性があった。これは、健康な成人、うつ病の患者いずれにおいても同様だった。
一方、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)のミルタザピン(レメロン、リフレックス)や、5HT2A遮断薬のトラゾドン(レスリン、デジレル)は、レム睡眠に影響を与えず、ノンレム睡眠を増加させる傾向があった。
抗うつ薬の多くは、モノアミン・インドールアミン受容体の刺激や遮断により様々な睡眠修飾作用を有する。
セロトニン(5HT2)受容体やアドレナリン(α1)受容体、ヒスタミン(H1)受容体の遮断は、睡眠・鎮静作用を示す。
一方、5HT2受容体への刺激は覚醒作用をもたらす。
ミルタザピンは、抗うつ薬の中では、5HT2受容体やH1受容体の遮断作用が比較的強く、5HT2受容体の刺激がないため、睡眠の質を改善する可能性が考えられる。
NaSSAの使い方
SSRIやSNRIより遅れて登場したNaSSAはまだ前二者に比べて国内での症例報告等が少ないのが現状です。
欧米で報告されているような薬理作用が明らかに実感できるケースは多くはありません。
抑うつ気分はあってもそれが前面に立つことはなく、非常に肉体的にも疲弊しているという他覚的印象があり、何かに興味を向けたり、注力することができないにもかかわらず、がむしゃらに頑張ろうとするタイプのうつにNaSSAを選択します。
このような症状を示す状態というのは、神経伝達物質レベルではセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンの すべてが低下している状態と考えるからです。
単剤での抗うつ効果が不十分である場合に、SSRIとSNRIを併用することは、この2つの薬物の特異的な性質を活かせなくなる可能性があるため推奨できません。
しかしながら、SSRIと少量のNaSSA、SNRIと少量のNaSSAという組み合わせは、薬理学的作用機序の違いから考えれば 考慮できる選択であると考えられます。
NaSSAはすぐ効く?
NaSSAにはミルタザピン(リフレックス、レメロン)が該当する。
これまでほとんんどの抗うつ薬がトランスポーター阻害によって効果を発現したのに対し、本剤はシナプス前部の自己受容体、アドレナリンα2受容体の阻害によってセロトニンとノルアドレナリンの放出を促進することで効果を発揮する。
このため効果発現が速いことが期待される。
さらにシナプス後部のセロトニン5HT2受容体を阻害することで性機能障害が、5HT3受容体を阻害することで胃腸障害が出現しにくく、これまでの副作用で悩む患者には望ましいメカニズムである。 ただし、眠気や体重増加があることに留意する。
今までのSSRIやSNRIは、シナプスにおける神経伝達物質の再取り込みを阻害してセロトニンやノルアアドレナリンの濃度を上げていました。
しかしこのNaSSAは、α2ヘテロ受容体とα2受容体をふさぎ、セロトニンやノルアドレナリンが出ていないと錯覚させ、分泌を促します。
また、5-HT1受容体にセロトニンが結びつきやすくするために、5-HT1以外のセロトニン受容体をふさぎます。
トランスポーターと受容体
SSRI、SNRI、NaSSAは、いずれもシナプス間隙のセロトニンやノルアドレナリンを増やす。
しかし、SSRIやSNRIが神経細胞の再取り込みポンプを阻害するのに対し、NaSSAは受容体を阻害して薬理作用を発揮するところがユニーク。
NaSSAは、セロトニン神経やノルアドレナリン神経のα2アドレナリン受容体を阻害することで、セロトニンやノルアドレナリンの遊離を増大させる。
さらにNaSSAに唯一分類されるミルタザピン(リフレックス、レメロン)には、SSRIやSNRIで問題となる悪心・嘔吐や性機能障害を抑える作用もある。
というのも、セロトニンの受けてとなる5-HT受容体のうち、5-HT2、5HT-3受容体を刺激すると悪心・嘔吐や性機能障害が起こるが、ミルタザピンは5-HT2、5HT3受容体の阻害作用も持つので、こうした副作用が少ないのだ。
一方、ミルタザピンはヒスタミンH1受容体を阻害するので、傾眠の副作用が強い。
あくびの副作用?
パキシルの副作用に「あくび」というのがある。
眠気とは違うの?と思うが、ちょっと違うようで。
ハルシオンなどのベンゾジアゼピン系睡眠薬には、あくびの副作用は書かれていない。
眠くないのにあくびが出る。
会議中に、居眠りしなくても、あくびなんかしてたら大目玉です。
パキシルとあくび
あくびは、脳に酸素を取り込もうとする生体反射の一種である。
脳が酸素不足になったり、意識レベルが低下した場合に、ドパミン、セロトニンなどの神経伝達物質が受容体を刺激することで起こる。
そのため、パキシルをはじめとする、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)は、副作用として、異常な回数のあくびを誘発することが知られている。
パキシルと眠気
パロキセチンは中枢のヒスタミンH1受容体に対する作用をほとんど持たないとされていますが、副作用としては眠気や倦怠感などの症状が比較的高頻度に発現することが知られています。
発症機序の詳細は不明ですが、脳内のセロトニン各受容体への作用が関与している可能性が考えられます。
副作用の中では、最もつらく感じられることの多い症状ですが、生活のリズムに合わせて服用時間を変更することで、日常生活への影響をより少なくするような配慮も必要となります。
カリフォルニアロケット燃料
米国の高名な臨床精神薬理学者、スティーブン・ストール氏が提唱した、大胆かつ合理的な抗うつ薬併用療法。
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)のベンラファキシン(エフェクサー)と、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)であるミルタザピン(リフレックス、レメロン)との併用が、精神状態をつかさどる3種類のモノアミンを活性化する推進剤(ロケット燃料)として働くという例えである。
ミルタザピン
ミルタザピンは、NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)に分類される抗うつ薬であり、既存薬と異なりモノアミン再取り込み阻害作用を有さない。
ミルタザピンはアドレナリンα2受容体遮断作用によりノルアドレナリン神経とセロトニン神経の活動を高め、ノルアドレナリンおよびセロトニンの放出を促進し、両神経の神経伝達を高めることで抗うつ効果を発揮するとされている。
臨床的には効果発現が早く、うつ病に随伴する不眠や不安などの改善効果に優れると評価されている。
また、抗ヒスタミン作用が比較的強いため、主な副作用として傾眠、倦怠感、体重増加などが報告されているが、5-HT2A、5-HT2C、5-HT3拮抗作用を有するため、悪心・嘔気、性機能障害などが少ないという特徴がある。
NaSSAの特徴
現在、うつ病治療で主に使用されているのは、SSRI(選択的セロトニン取り込み阻害薬)と、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)です。
ミルタザピン(リフレックス、レメロン)という薬はSSRIでもSNRIでもなく、NaSSA(ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬)と呼ばれる新しいカテゴリーの抗うつ薬です。
SSRIより効果発現が早く、吐き気や食欲不振などの副作用も少ない。
しかし同じような四環系抗うつ薬のテトラミドを睡眠薬として使うこともあるように、眠気の副作用が強いらしいです。
そのため、寝る前の服用となっています。
各受容体の特徴
α2受容体:
・ノルアドレナリン神経上に発現しているシナプス前受容体
・α2受容体がノルアドレナリンを認識すると、ブレーキがかかってノルアドレナリンの過剰放出が抑制されます。
α2ヘテロ受容体:
・セロトニン神経上に発現しているシナプス前受容体
・セロトニン神経に隣接したノルアドレナリン神経から遊離されたノルアドレナリンをα2ヘテロ受容体が認識すると、ブレーキがかかってセロトニンの過剰放出が抑制される。
α1受容体:
・ノルアドレナリン受容体
・セロトニン神経上にも発現しており、ノルアドレナリンを認識することでセロトニンの神経発火を促進し、セロトニンの遊離を増加させる。
・α1受容体が遮断されることにより、めまい、血圧低下などの循環器系症状が生じる。
5-HT1受容体:
・セロトニン受容体の一種
・セロトニンの結合により抗不安作用、抗うつ作用などが発現
5-HT2A受容体:
・セロトニン受容体の一種
・セロトニンの結合により性機能異常などが発現
5-HT2C受容体:
・セロトニン受容体の一種
・セロトニン受容体の結合により不安症状などが発現
5-HT3受容体:
・セロトニン受容体の一種
・セロトニンの結合により消化器症状、悪心などが発現
H1受容体:
・ヒスタミン受容体の一種
・H1受容体が遮断されることで眠気、食欲増進、体重増加などが発現
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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