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目薬の点眼順序は?
公開. 更新. 投稿者:眼/目薬/メガネ.この記事は約2分12秒で読めます.
18,001 ビュー. カテゴリ:点眼順序
原則として点眼間隔が5分以上あいていれば相互の影響は少ないとされていますが、点眼した液が後の点眼液によって多少なりとも洗い流される可能性があるため、より高い効果を期待する点眼薬を後に点眼します。
また、水に溶けにくく吸収されにくい懸濁性点眼薬や、油性点眼薬、点眼後ゲル化する点眼薬は最後に用いるほうがよいです。
チモプトールXE、リズモンTG、ミケランLA、エイゾプトは、10分間の間隔をあけ、最後に点眼します。
油性やゲル化点眼薬は後から点眼した目薬をはじくので、懸濁性と油性・ゲル化では、懸濁性を先に点眼する。
ミケルナ配合点眼液の患者向け指導せんには「この目薬を最後に点眼してください」と書かれているので、その通りに指示しなければ齟齬が出る。
どれから先に点眼すべきか?
上記の説明にもある通り、より高い効果を期待する点眼薬を後に点眼する。
これが通則。
しかし、大事な薬をあとからさす、という風にすると、使い忘れるというデメリットもある。
患者さんのコンプライアンスに応じてケースバイケースで対応していく必要性はあるのかな、と思う。
一般的に言われていること、
①より効果を期待する点眼剤を最後に点眼する
最も効果を期待する点眼剤を、洗い流される心配のない最後に点眼します。
②水溶性点眼剤⇒懸濁性点眼剤⇒油性点眼剤⇒眼軟膏の順序で点眼する
懸濁性点眼剤は水に溶けにくく吸収されにくいために後に点眼します。油性点眼剤及び眼軟膏は水溶性点眼剤をはじくので最後に点眼します。
③刺激性のある(しみる)点眼剤は最後に点眼する
しみる点眼剤は涙が出て、後から点眼する薬剤を洗い流す可能性があるため最後に点眼します。
④持続性点眼剤は最後に点眼する
チモプトールXEやリズモンTGなどの、角膜表面でゲル化し有効成分の滞留時間を延長させることで持続性を現す点眼剤は、角膜表面上で薄い膜が形成されるため、他の点眼剤の角膜への吸収を低下させないために最後に点眼します。
⑤ピバレフリンとβ-遮断点眼剤を点眼する場合はピバレフリンを先に点眼する
これは、ピバレフリンとβ-遮断点眼剤(チモプトール)の順序を入れ替えて点眼し、眼圧下降度を測定した臨床データによるもので、ピバレフリンを先に点眼した方が眼圧下降度が高いという結果が得られています。どのようなメカニズムに基づくのかははっきりしていません。
ヒアレインみたいな角膜保護薬はあとからさしたほうが薬効が期待できる、という話もあります。
ジクアスとムコスタとヒアレインの点眼順序
ジクアスとムコスタ、ヒアレインがいっしょに処方された場合の点眼順序について
水溶性点眼剤⇒懸濁性点眼剤の順序で点眼するというルールに従って、ジクアスが先でムコスタは後。
ジクアスとヒアレインの点眼順序については、作用機序的にはジクアスを先に注してムチン・水分の分泌を促してからヒアルロン酸で水分保持というのが正しいですが、ジクアスの刺激感軽減のためにヒアレインから注す方法などもあるので、医師からの指示を優先します。
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1 件のコメント
一日の点眼回数は、ジクアスは6回、ムコスタは4回とかありますが、それぞれ1日に1-2回減らしても良いのでしょうか?