2024年11月20日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

子供用の目薬?

子ども用目薬

市販の目薬には、小児用の目薬が大人用の目薬とは別に販売されているものがある。
大人用のものよりも刺激が少なく、やさしい刺し心地となっているようだ。
それだけ。

医療用の目薬にも、大人用と小児用があるものだと思っている人がいる。

大人も子供も眼球の大きさには大差がないので、子供にも大人用の目薬が処方される。
大人と子供で使用量が違うということも無い。
1滴で十分です。

目薬に年齢制限はある?

医療用の目薬に特に年齢制限のあるものはありません。

しかしOTCの点眼薬では、年齢制限の記載されている目薬もある。

  • ザジテンAL点眼液、アイリスAGガード、ジキナAL点眼薬(ケトチフェンフマル酸塩):1歳未満の小児
  • アレジフェンス、アイフリーコーワAL(アシタザノラスト水和物):7歳未満の幼児
  • アイリスガードP、マイティアアイテクト、ロートクリア(プラノプロフェン):7歳未満の小児

などの商品です。

医療用の目薬の感覚で、子供が使っても問題ないんじゃないかと思い込んで販売してはいけない。

年齢制限のない目薬でも、ドラッグストアで小児用の目薬を販売するときは、1歳未満の乳児には、眼科医か小児科医の受診を勧めたほうがよいでしょう。

1歳未満の乳児の場合、充血や目ヤニが多いなどの症状で保護者が点眼剤の使用を考えるケースが多いですが、乳児は症状について自ら説明できないためです。

市販の目薬で、ロートクール40αとか、40歳という年齢を連想させるような目薬でも、添付文書に、「小児に使用させる場合には,保護者の指導監督のもとに使用させてください。」とあり、とくに小児への使用を禁止させるものではないが、常識的には使わないだろう。

小児適応のある抗菌点眼薬はオゼックスだけ?

抗菌点眼薬には、色々ありますが、小児に対する用法用量が添付文書に明記されているのは、オゼックス点眼液だけです。
「通常、成人及び小児に対して1回1滴、1日3回点眼する。」と。
オゼックスしか使えないわけじゃありませんが、小児科医は使いやすいのかな。

赤ちゃんは目ヤニが出やすい?

涙は目頭にある涙点という小さな穴から、細い管(鼻涙管)を通って鼻の奥へと流れます。
この鼻涙管の途中に膜のようなものが残って塞がっている赤ちゃんがいます。
これが鼻涙管閉塞症。

うまく涙が流れないため、鼻涙管のなかで細菌感染を起こすことがあり、これを新生児涙嚢炎といいます。
目ヤニがたくさん出ます。
自然に開通することが多いので、抗菌点眼薬を処方して経過観察。
閉塞まで行ってなくても、赤ちゃんはそもそも鼻涙管が細いので、涙の流れが悪く、細菌感染を起こしやすいです。

先天性鼻涙管閉塞

いつも涙目の赤ちゃんは、先天性鼻涙管閉塞という病気かも。
涙は通常、目から鼻に流れていきます。
しかし、この涙の通り道がふさがっていることがあります。
それが、先天性鼻涙管閉塞。

赤ちゃんのなかには、生まれつき鼻涙管から鼻腔に通じる部分に膜が残ってしまっていることがあります。
そのため、涙が鼻に流れることができず、目にたまり、外にこぼれます。
涙嚢にたまった涙には細菌が繁殖しやすく、目やにがたくさん出ます。
しかし、赤ちゃんはもともと鼻涙管が細く、閉塞を起こしていない正常な赤ちゃんでも、目やにが出ることも多いです。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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