記事
柴苓湯は漢方のステロイド?
公開. 更新. 投稿者:漢方薬/生薬.この記事は約1分19秒で読めます.
7,469 ビュー. カテゴリ:柴苓湯
柴苓湯は漢方のステロイドと呼ばれている。
柴苓湯には、ステロイド様の免疫調整作用のほか、血小板凝集能抑制作用があるとの報告があります。このような作用を応用し、ネフローゼをはじめ抗リン脂質抗体価が高い不育症(習慣流産)の治療に用いることがあります。ステロイド薬のような強い作用がないかわり、副作用はほとんどありません。
ステロイドの副作用がひどくなった患者さんがステロイドを減量して、代わりに柴苓湯を処方されたのですが、よく効くという話をしていた。
柴苓湯の構成生薬は、
柴胡
黄ごん
半夏
人参
甘草
生姜
大棗
猪苓
茯苓
蒼朮
沢瀉
桂皮
柴苓湯=小柴胡湯+五苓散とのことで、構成生薬を調べると、
柴胡(小柴胡湯)
黄ごん(小柴胡湯)
半夏(小柴胡湯)
人参(小柴胡湯)
甘草(小柴胡湯)
生姜(小柴胡湯)
大棗(小柴胡湯)
猪苓(五苓散)
茯苓(五苓散)
蒼朮(五苓散)
沢瀉(五苓散)
桂皮(五苓散)
柴苓湯も、吐き気や胃腸炎に使われることがありますが、五苓散が入ってるとのことで納得。
柴胡は、作用機序の明確で無い多くの生薬の中で、比較的作用機序の明確になってきている数少ないものの一つである。つまり、一つには構成成分のサイコサポニンにステロイド様の作用があり、炎症に対して抗炎症的に作用するらしい。したがって、柴胡剤は喘息・膠原病など、各種の慢性炎症に対する東洋医学の「切り札」的な存在として脚光を浴びていたが、その後インターフェロンとの副作用情報が報道されたために、漢方医以外にはやや縁遠い薬になり、一時期ほど頻用される薬剤ではなくなった。
柴苓湯だけでなく、柴胡剤全般にステロイド様作用があるとみていいのかな。
小柴胡湯が入ってると考えると、インターフェロンや肝硬変には注意しなきゃいけないな。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。