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小児科で診てもらえるのは何歳まで?
公開. 更新. 投稿者:服薬指導/薬歴/検査.この記事は約3分8秒で読めます.
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中学生でも小児科を受診していいの?

「小児科って、何歳まで診てもらえるんだろう?」
子どもが成長するにつれて、保護者や本人がふと疑問に思うテーマです。とくに小学校高学年から中学生にかけては、「小児科を受診するのはもう恥ずかしい」と感じる年頃でもあります。
しかし、法律や医療現場では必ずしも明確な線引きがあるわけではありません。
小児科の「対象年齢」は明確に決まっていない?
実は、「小児科は何歳まで診てもらえるのか」という問いに対し、明確な法的年齢制限は存在しません。
ただし、医薬品の添付文書や各種法制度では、年齢に基づく用語定義が行われており、それが現場でも目安になっています。
添付文書上の年齢区分(PMDAなど)
用語 | 年齢の定義 |
---|---|
新生児 | 生後4週未満(生後28日未満) |
乳児 | 1歳未満 |
幼児 | 1歳以上6歳未満 |
小児 | 6歳以上15歳未満 |
高齢者 | 65歳以上 |
この分類から見れば、「小児」は15歳未満を指し、中学生(一般的に12~15歳)までは小児科の範囲に含まれているといえます。
小児科の実務的な運用:何歳まで診てもらえるの?
● 小児科医が診る上限は病院によって異なる
小児科の診療対象年齢については、各医療機関の方針や小児科医の考え方によって異なります。
・15歳未満(中学生まで)を基本とする病院
・18歳未満(高校生まで)も診療する小児科
・慢性疾患(喘息、糖尿病など)の場合は成人までフォローするケース
といった具合に、疾患の性質や患者との関係性によって柔軟に対応しているのが現状です。
● 中学生が小児科を受診しても問題ない
保護者から「中学生なんですけど、小児科で大丈夫でしょうか?」という問い合わせはよくありますが、15歳未満であれば通常問題なく受診可能です。
むしろ、小児科医は子どもの成長発達や予防接種、学童特有の疾患に詳しいため、中学生の疾患にも十分対応できる専門性を持っています。
内科と小児科、どちらに行けばいい?
年齢が中間帯(小学校高学年~高校生)になると、「内科と小児科、どっちに行けばいいのか?」と悩むケースもあります。
● 小学生 → 小児科が一般的
小学生までは基本的に小児科の受診が推奨されます。小児特有の感染症やワクチンの相談もあるためです。
● 中学生 → 小児科または内科
体格や症状、家庭環境などに応じて、小児科・内科いずれを選んでも構いません。
● 高校生 → 多くは内科へ移行
高校生になると「小児」とは言いにくいため、多くの医療機関では内科を紹介するようになります。
用語で見る子どもの年齢分類(法制度や社会の定義)
医療だけでなく、法律や保育・教育制度でも「子ども」の年齢定義はさまざまです。混乱しやすい用語を整理してみましょう。
用語 | 一般的な定義・特徴 |
---|---|
新生児 | 生後28日未満。早期新生児(生後7日未満)などに分類されることも |
乳児 | 1歳未満。母乳またはミルクが主な栄養源 |
幼児 | 1歳~6歳未満。未就学児として扱われる |
小児 | 医学的には6~15歳未満。小児科の主な対象 |
小人 | 公共料金区分などで小学生(12歳以下)を指すことが多い |
児童 | 児童福祉法では18歳未満。教育法では小学生(6~12歳)を主に指す |
子ども | 明確な法的定義なし。文脈により0歳~12歳、または18歳未満など |
発達や治療背景によって小児科が望ましいことも
単純に年齢だけで「小児科に行くかどうか」を決めるのではなく、以下のような要因によって小児科が適していることもあります。
・発達障害や注意欠如・多動症(ADHD)などの診療継続
・小児喘息やてんかんなど、成長とともに変化する疾患
・親子関係や成長支援も含めたフォローが必要な場合
特に思春期特有の心身の悩み(睡眠、月経、体格、学校生活など)は、小児科医が寄り添いやすい場面も多いです。
小児科からの卒業はいつが適切?
● 一般的には15歳で「卒業」とする病院が多い
医学的にも「15歳以上=小児ではない」という認識が多く、定期的な診療がなくなれば内科への転科が自然な流れになります。
● 慢性疾患や障害がある場合は「成人期移行支援」が必要
近年では「トランジション医療」といって、小児から成人医療への移行を支援する取り組みも進んでいます。
たとえば、小児糖尿病や小児がんの長期フォローアップなどでは、成人医師へのスムーズな橋渡しが重要になります。
小児科は年齢より“子どもに合った医療”を重視する場
・小児科の明確な年齢制限はなく、15歳未満であれば原則受診可能
・医療機関によって上限年齢は異なり、柔軟に対応されている
・用語や法制度による年齢定義も知っておくと便利
・何歳まで小児科か?の答えは「その子にとって必要な医療かどうか」で考える
「中学生が小児科なんて恥ずかしい…」と思う気持ちも理解できますが、小児科は子どもたちの成長に寄り添う医療の専門科です。
必要な医療を、必要なときに、安心して受けられる環境が大切です。
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幼児は7歳未満では?