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ファンギゾンシロップでうがい?
公開. 更新. 投稿者:皮膚感染症/水虫/ヘルペス.この記事は約3分58秒で読めます.
7,387 ビュー. カテゴリ:ファンギゾンのうがい?
口腔カンジダにファンギゾンシロップをうがいで使うことがある。
ファンギゾンシロップはアムホテリシンBを10%(100mg/mL)含有する抗真菌薬で、消化管におけるカンジダ異常増殖に用いられるが、保険適応外使用で外用のうがいとして口腔カンジダ症に用いられることがある。
通常、50~100倍希釈液(シロップ5~10mLを500mLの精製水で希釈)を1回約50mL、1日3~4回、できるだけ長く口内に含みうがい(または嚥下)する。
なお,口腔カンジダ症に適応を有する医薬品には,フロリードゲル経口用2%(ミコナゾール)やイトリゾール内用液1%(イトラコナゾール)の口腔内に含んだ後嚥下や,イトリゾールカプセル50の食直後内服などがある。
ファンギゾンシロップの用法は、
通常小児に対し1回0.5~1mL〔アムホテリシンBとして50~100mg(力価)〕を1日2~4回食後経口投与する。
口腔内カンジダ症:舌で患部に広くゆきわたらせ,できるだけ長く含んだ後,嚥下させること。
「通常小児に対し」と書かれているけど、ふつうに成人、高齢者に処方されることが多い。
イトリゾール内用液の用法には、
口腔咽頭カンジダ症:服薬の際、数秒間口に含み、口腔内に薬剤をゆきわたらせた後に嚥下すること。なお、本剤は、主として消化管から吸収され作用を発現する。
主として吸収されて効果を発現するけど、口腔内には長めに留めておいたほうが効果的ということで。
口腔内のカンジダであれば、口腔内に長くとどめる。
食道カンジダの場合は、薬液と患部の接触時間を長くするために、少しずつ嚥下する。
内服か外用か?
ファンギゾンシロップをうがいで用いる場合、レセコンの入力は外用ですべきか。
ファンギゾンシロップ 3mL
1日3回毎食後 14日分
(100mLの水にうすめてうがい)
みたいな処方。
そのまま事務が入力すると内服で入力してしまう。
厳密には、
うがいして吐き出せば外用。
うがいして飲み込めば内服。
になるだろうけど。
疑義照会するか。
外用で請求するか。
でも、外用での適応が認められていない以上、内服で請求しないとレセプトではじかれるので、うがい後内服させることにしたほうが保険請求上は間違いない。
ファンギゾンシロップの飲ませ方
独特の風味で服用性が悪いといわれているファンギゾンシロップ(アムホテリシンBシロップ)は口腔内や食道も含めた消化管の抗菌を目的に処方されるが、薬が患部に直接触れないと薬効を発揮することができない。
そのため、チョコレートなどの固形物と同時に服用すると、薬が患部に触れる際の邪魔となり、抗菌活性が減弱されてしまう。
オレンジガムなどと一緒に噛んで服用すると、薬効を減弱せずに風味もよくなるので推薦できる服用法である。
口腔カンジダにエンペシドトローチ使っちゃダメ?
口腔カンジダに使われる薬といえば、フロリードゲル、ファンギゾンシロップ、イトリゾール内用液あたり。
ファンギゾンシロップのうがいは適応外なので、主に使われるのはフロリードゲルかな。
で、治療薬マニュアルを眺めていると、口腔カンジダに使えそうな薬がもう一つ。
エンペシドトローチ。
フロリードゲルよりも、トローチのほうが成分を口腔内に長くとどめることが出来そうだし、使いやすそうだなあと思って適応をみると、
「HIV感染症患者における口腔カンジダ症(軽症,中等症)」
この極度に限定された適応症は何でしょう。
希少疾病用医薬品に指定されているらしい。
そのため薬価が高めに設定されている。
エンペシドトローチ 1錠 363.8円(2015年3月現在)
フロリードゲルも高めの薬価ですが。
フロリードゲル 1g 101.6円(2015年3月現在)
エンペシドトローチは1日5回なので、1日1819円
フロリードゲルは1日20gとしたら、1日2032円
フロリードゲルのほうが高いじゃん。
そしたら、エンペシドトローチのHIV患者限定も外してあげたら良いじゃん。と思うのは私だけでしょうか。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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