グリセオフルビンってもう無いの？

グリセオフルビン販売中止

もう何年も前に販売中止になっていたのですね。

処方自体見たことも無かったので、全く知りませんでした。

爪白癬パルス療法の謎

２００８年１２月、水虫の内服治療薬であるグリセオフルビンが生産終了となりました。ジェネリック品も含めて、すべて生産終了です。グリセオフルビンは、１錠の薬価は約１１円と大変安価な薬剤であり、コストパフォーマンスの高い薬剤でした。水虫の内服治療薬は、主に爪白癬（爪の水虫）に使用します。

グリセオフルビン

グリセオフルビンは１９３９年に発見された抗真菌性抗生物質であり、皮膚糸状菌による白癬・黄癬・渦状癬に適応をもっています。

また、小児への安全性が確立されている唯一の経口抗真菌薬です。

角質親和性が低く、静菌的に働くため、長期間の投与が必要となります。

とくに爪白癬では爪が完全に生え変わるまで薬を飲み続ける必要があり、指爪の場合は約半年、足爪の場合は約１年以上必要といわれています。

そのため、完治しないうちに内服を中止すると再燃がみられるので、自己判断で中止しないように指導することが大切です。

避妊

グリセオフルビンはマウスの動物実験において、卵母細胞の減数分裂を遅延したとの報告、および初代精母細胞において染色体の異常分離を誘発したとの報告があります。
そのため、投与中の避妊だけでなく、女性の場合は内服中止後１ヶ月、男性の場合は内服中止後６ヶ月避妊をする必要があります。

牛乳で飲む

グリセオフルビンは食事の影響を受けることが知られています。

ベーコン、卵、クリーム、バターなどの高脂肪食やマーガリン摂取時は、空腹時や高蛋白質・高炭水化物・低脂肪食摂取時に比較して、血清中グリセオフルビン濃度は高くなることが報告されています。

また、２３人の小児にグリセオフルビン１０ｍｇ／ｋｇをミルク約１２０ｍＬとともに服用させたところ、空腹時に比べ最高血中濃度（Ｃｍａｘ）は約４倍、血中濃度曲線下面積（ＡＵＣ）は約１０倍上昇したとの報告もあります。

これはグリセオフルビンは難溶性であり、高脂肪食との併用により溶解速度が増大し、吸収が高まるからです。

副作用として、吐き気や頭痛、眠気などが現れることがありますが、吸収率を高めるために、牛乳などの脂肪を含む食品と同時に服用するように医師から指示されていることもあるので、医師の指示に従うように指導しなければいけません。