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ラジカットとリルテックの違い
公開. 更新. 投稿者:免疫/リウマチ.この記事は約1分18秒で読めます.
3,822 ビュー. カテゴリ:ALS治療薬
ALSの治療薬にはどんな薬がある?
筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬としてラジカット内用懸濁液2.1%が2023年3月15日に薬価収載される。
ALS治療薬の内服薬といえば、今までリルテック錠(リルゾール)のみだったが、違いは何か。
医薬品名 | ラジカット | リルテック |
---|---|---|
一般名 | エダラボン | リルゾール |
作用機序 | フリーラジカル消去作用により、神経細胞の障害を抑えALSの進行を遅らせる | グルタミン酸の遊離阻害作用などにより、ALSの進行を遅らせる |
用法 | 通常、成人に1回5mL(エダラボンとして105mg)を空腹時に1日1回経口投与する。 通常、本剤投与期と休薬期を組み合わせた28日間を1クールとし、これを繰り返す。第1クールは14日間連日投与する投与期の後14日間休薬し、第2クール以降は14日間のうち10日間投与する投与期の後14日間休薬する。 | 通常、成人には本剤を1回1錠、1日2回(朝及び夕食前)、リルゾールとして1日量100mg(本剤2錠)を経口投与する。 |
薬価 | 2751.9円/mL(1日13759.5円) | 1315.3円/錠(1日2630.6円) |
ALSは神経伝達物質のグルタミン酸による過剰興奮やフリーラジカルという物質などが原因でおこるとされている。
リルテックは、グルタミン酸の遊離を阻害する作用やグルタミン酸の受容体であるAMP型やNMDA型といった興奮性アミノ酸受容体への阻害作用などにより、神経細胞の保護作用をあらわすとされている。
NMDA型グルタミン酸受容体の拮抗薬といえばメマリー(メマンチン)である。リルテックは認知症にも効くかも知れない。
ラジカットは、フリーラジカルスカベンジャーともいわれ、スカベンジャーとは捕捉剤(体内の不要物質や毒性物質を処理する物質)という意味で、フリーラジカルは老化の原因物質としても有名である。
老化防止薬ととらえると色んな領域で使えそうな気もするが、今のところ脳梗塞の急性期とALSのみの適応である。
在庫管理責任者として気になるのは、薬価と包装単位であるが、ラジカット内用懸濁液の包装単位には35mLと50mLの規格がある。
1日5mLの使用量なので、7日分と10日分になる。
用法がちょっと複雑であるが、第1クールで14日分、第2クール以降は10日分飲む形になるので、第1クールで35mLを2本使って、その後は50mLしか使わない形が良いと思う。別に35mLだけ注文して計量してもいいけど。高額だからロスがもったいない。1薬局に複数名のALS患者が来局することは稀だろうし、最終的に余ったらデッドストックになるし。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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