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メコバラミンがALSに効く?
公開. 更新. 投稿者:免疫/リウマチ.この記事は約2分22秒で読めます.
3,415 ビュー. カテゴリ:ロゼバラミン筋注用
メコバラミンがALSに効くの?
メコバラミンがALS(筋萎縮性側索硬化症)に効くらしい。
「ロゼバラミン筋注用25mg」というメコバラミンを有効成分とする薬が、「筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制」を適応に2024年11月20日に薬価収載されます。
メチコバールが1日1500μg=1.5㎎だから、内服薬の大体20倍くらいの量になる。
ロゼバラミンの薬価は25mg1瓶10425円とのこと。1日1回週2回という用法なので、1ヵ月で8瓶くらい。1ヵ月8万円ちょい。
メチコバール注射液500μgが1管98円で、その50倍したら4900円だから、と考えるとそんなバカ高い薬価とは感じない。
メコバラミンのALSに対する作用機序は、添付文書に以下のように記載されている。
ALSに対する作用機序の詳細は解明されていない。メコバラミンは、活性型ビタミンB12であり、ホモシステインからメチオニンを合成するメチオニン合成酵素の補酵素として働く。ホモシステインは神経変性に関わると考えられており、メコバラミンは、ホモシステインによる神経変性を抑制すると考えられる。また、メチオニンとアデノシンの縮合によりS-アデノシルメチオニン(SAM)が生成し、タンパク質のダメージの修復時にメチル基供与体として働く。メコバラミンは、SAMを介して神経変性を修復すると考えられる。
作用機序はわからない。でも、ビタミンB12はなんか効きそう。
メコバラミンとALS
メコバラミンがALS(筋萎縮性側索硬化症)に効くという話がありました。再度臨床試験を行うようです。
メコバラミンでは、06年から7年半にわたり、患者370人が参加した治験が行われ、600日以上の延命効果が確認された。しかし国側から「試験のやり方に不備がある」などと指摘され、承認申請をメーカーが取り下げた経緯がある。今回の治験は、徳島大の医師が責任者となって行う。ALS抑制薬、徳島大が治験開始…21年の製造販売承認目指す
じゃあ、ALS患者にはメチコバールを飲ませると良いんだ、と考えて処方しても、メチコバールの承認用量は「メコバラミンとして1日1,500μg」までです。
この治験では、メチコバールとしての承認用量の50倍∼100倍量である1回25mg∼50mgのメコバラミンの筋肉内投与が行われたので、保険請求上無理というか、内服ではお腹いっぱいになります。
メコバラミンはビタミンB群であるビタミンB12なので、水溶性ビタミン。
過剰摂取しても尿と一緒に排出されるので、摂り過ぎても心配はいらないと言われている。
現在、筋萎縮性側索硬化症の治療薬はリルテック錠のみ。
副作用もなく安全性も高いので、承認されれば画期的な新薬ということになります。
メコバラミンの作用機序としては、神経保護作用、神経軸索再生作用により有効性を示す可能性が示唆されています
ALSといえば、尊厳死の問題もあるし、ただ延命すれば良いってものでもない。
リルテックの薬価は1522.50円、ジェネリックの薬価は763.10円。
メチコバールの薬価は17.10円だから、単純にその50倍∼100倍の薬価ではなく、安くしてほしい。ついでにメチコバールも安くしてほしい。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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