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ダントリウムとテルネリンの違いは?
公開. 更新. 投稿者:頭痛/片頭痛.この記事は約4分40秒で読めます.
6,623 ビュー. カテゴリ:中枢性筋弛緩薬と末梢性筋弛緩薬の違いは?
肩こりや腰痛などに処方される筋弛緩薬。
テルネリンやミオナールが処方されることが多い。
筋弛緩薬のほとんどは中枢に働く、中枢性筋弛緩薬。
内服薬でただ一つ、末梢性の筋弛緩薬がある。
それがダントリウム。
筋肉に直接働いて筋弛緩作用を生じる末梢性筋弛緩薬と、中枢に働いて筋弛緩作用を生じる中枢性筋弛緩薬。
麻酔に使われるのは末梢性筋弛緩薬。
殺人や死刑に使われるのも末梢性筋弛緩薬。
そう考えると、ダントリウムって怖い薬に感じる。
末梢性筋弛緩薬といっても、脱分極性、非脱分極性、骨格筋直接型筋弛緩薬などがある。
ダントリウムは筋小胞体からカルシウムイオン放出を抑えて直接筋肉の興奮-収縮機構に作用して筋弛緩する骨格筋直接型筋弛緩薬。
中枢性筋弛緩薬は、筋弛緩作用の他に脊髄のシナプス反射の抑制による鎮痛効果などもあり、そのため肩こりや腰痛などによく使われるらしい。
中枢性筋弛緩薬ってひとまとめに言ってしまっているけれど各々作用機序がよくわかんないし、デパスなんかも中枢性筋弛緩薬に含めると、リラックスする薬的な、軽い感じの印象。
呼吸筋まで弛緩しない、リスクの少ない薬。
ダントリウムは筋肉に対する作用機序もはっきりしているし、効果も強い。
同じ筋弛緩薬と言っても、末梢性筋弛緩薬と中枢性筋弛緩薬は一線を画す、まったく違う薬と言えよう。
ダントリウムとフェニトインは似ている?
ダントリウムはヒダントイン誘導体であるが、フェニトインなどの他のヒダントイン系薬物とは異なり、主に骨格筋の興奮収縮連関に作用し、筋小胞体からのCa2+の放出を抑制する。
末梢性筋弛緩薬
筋小胞体からのCaイオン遊離を抑制し筋弛緩作用を示すダントリウムがある。
痙性麻痺に対し、強い作用を有するので症状の強いときに漸増法で用いられる。
その他、全身こむら返り症、麻酔時における悪性高熱症、悪性症候群に使用される。
著しい心配機能低下、筋無力症状、肝疾患のある患者では禁忌である。
末梢性筋弛緩薬は、脱分極性筋弛緩薬と非脱分極性筋弛緩薬に分類される。
脱分極性・非脱分極性筋弛緩薬はともに、主として全身麻酔に際して、気管挿管時や手術中の筋弛緩を得るために投与される。
末梢性筋弛緩薬は、外来などで処方される中枢性筋弛緩薬とは全く異なるもので、神経筋接合部に作用し、体動はもちろん、呼吸すらできなくなるほどに骨格筋を弛緩させる薬剤である。
主として全身麻酔下に手術を行う際に投与されるが、精神神経科領域での電気痙攣療法の際に使用されることもある。
精神神経科領域での電気痙攣療法に際して、体動を抑制するために使用されたり、集中治療において、患者をあえて人工呼吸に順応させるために使用されたりすることもある。
中枢性筋弛緩薬
脊髄、脳幹における単シナプスおよび多シナプス反射を抑制し抗痙縮作用を現すと考えられる。
適応は脳血管障害、脳性麻痺、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、後縦靭帯骨化症、脊髄損傷等に伴う痙性麻痺、緊張型頭痛、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、筋クランプ(こむら返り)等における局所性筋緊張亢進である。
トルペリゾン(ムスカルム)、エペリゾン(ミオナール)、アフロクァロン(アロフト)等は比較的穏やかな作用を有し、最初から一定量を投与する。
チザニジン(テルネリン)、バクロフェン(リオレサール、ギャバロン)は作用が強く、少量から開始し漸増する。
痙性麻痺には症状の強さに応じて使い分ける。
痙縮が軽度~中等度であれば作用の穏やかな前者を、高度であれば作用の強い後者を用いる。
共通の副作用として眠気、ふらつき、めまい、頭痛等の精神神経系症状、悪心、嘔吐、食欲不振等の消化器系症状がある。
抗不安薬のジアゼパム(セルシン、ホリゾン)、エチゾラム(デパス)は中枢性筋弛緩薬としても使用される。
中枢性筋弛緩薬は、脊髄・脳幹における単シナプスおよび多シナプス反射を抑制することにより抗痙縮作用を生じるとされている。
以下のような場合に処方される。
・緊張型頭痛、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群などにおける局所性筋緊張亢進。
・脳血管障害、脳性麻痺、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、後縦靭帯骨化症、脊髄損傷などに伴う痙性麻痺。
症状が軽度~中等度であれば、作用の比較的穏やかなトルペリゾン、エペリゾン、アフロクアロンなどを処方し、症状が高度であれば、作用の強いバクロフェン、チザニジンなどを処方するようにする。
そして、バクロフェン、チザニジンのような、作用の強い薬剤を処方する場合、はじめは少量から投与を開始し、その効果をみながら、徐々に投与量を増加していく。
中枢性筋弛緩薬のほとんどは経口投与されるが、メシル酸プリジノールのみは静脈内投与が可能である。
中枢性筋弛緩薬のほとんどは「小児に対する安全性は確立されていない」とされているが、バクロフェンは小児に対する投与も可能である。
中枢性筋弛緩薬を服用する場合、最も高頻度にみられる副作用は、眠気・めまい・ふらつきなどの中枢神経症状です。
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