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金がリウマチに効くのはなぜ?
公開. 更新. 投稿者:免疫/リウマチ.この記事は約2分10秒で読めます.
3,704 ビュー. カテゴリ:リドーラと金
リドーラ(オーラノフィン)やシオゾール(金チオリンゴ酸ナトリウム)のことを金製剤と呼ぶ。
分子式の中にAu(金原子)を含んでいる。
金製剤は関節リウマチに用いられる。
しかし、関節リウマチにリドーラが処方されているのを見たことは無い。
古い薬だ。
いつの間にかリドーラは販売中止になっていた。2015年6月末で出荷停止。
しかし、代替品としてジェネリックのオーラノフィン錠3mg「サワイ」は販売を続けているようだ。
金と聞くと、高価なイメージがあるが、リドーラの薬価は94.40円/錠とバカ高いわけではない。
ジェネリックになるとさらに安く、37.60円/錠になる。
なぜ金がリウマチに使われるのか?
金といえば、美容に用いられたり、昔から様々な効果が謳われている。
金とリウマチ
昔、結核菌を発見したコッホは、金製剤が結核菌の増殖を抑制することをみつけました。
その当時、リウマチの原因は結核菌と考えられていたため、金製剤をリウマチ患者に投与することが試みられました。
1932年、金製剤が投与された患者さんの4分の3以上に有効だったことが報告され、抗リウマチ薬第一号として注射金剤が誕生したのです。
現在では、金製剤の抗結核作用は否定され、リウマチの原因が結核菌であるという説も支持されてはいませんが、金製剤をリウマチ患者に使うという治療法だけは残っています。
金製剤
金の有機化合物を原料とする、抗リウマチ薬の一つ。
金チオリンゴ酸ナトリウム・金チオグルコース・オーラノフィンなど。
作用機序は解明されていないが、金製剤が細胞内に取り込まれると、炎症を引き起こす酵素の分泌が抑制され、腫れや痛みが軽減すると考えられる。
効果があらわれるには数か月を要する。
服用により、かゆみやタンパク尿、肝障害などがあらわれることがあるため、定期的な検査が必要。
関節リウマチの原因は微生物?
関節リウマチは、いまのところはっきりした原因はわかっていませんが、ウイルス感染と免疫の異常が関わっていることは確かなようです。
なんらかの原因で免疫の機能に異常が起こると、からだのなかの大切な成分を異物とみなして抗体をつくってしまい、自分自身を攻撃することがあります。
これを自己免疫疾患といい、関節リウマチは、この疾患のひとつとされています。
ミノマイシンが関節リウマチに効く?
ミノマイシンには抗炎症作用と神経保護作用があり、多発性硬化症、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、パーキンソン病などにも効く可能性がある。
近年の研究結果では、ミノサイクリンが、神経変性疾患、とくに多発性硬化症、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、パーキンソン病といった一連の神経変性疾患に対して、神経保護と抗炎症作用を示しうることが報告された。
ミノサイクリン – Wikipedia
関節リウマチの原因は微生物という説もあるが、ミノマイシンの効果は原因微生物に対する抗菌作用によるものではないようだ。
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