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免疫抑制剤と免疫調節剤の違いは?
公開. 更新. 投稿者:免疫/リウマチ.この記事は約4分35秒で読めます.
6,594 ビュー. カテゴリ:抗リウマチ薬
抗リウマチ薬の処方をみると、重い患者だなあと感じる。
全てハイリスクのように。
だから、抗リウマチ薬の処方をみると特定薬剤管理指導加算(ハイリスク薬加算)を取りたくなる。
しかし、ハイリスク薬の算定対象は抗リウマチ薬ではなく、免疫抑制剤のみ。
ハイリスク薬のQ&Aにも、
関節リウマチの治療に用いられる薬剤のうち、メトトレキサート、ミゾリビン、レフルノミド、インフリキシマブ(遺伝子組換え)、エタネルセプト(遺伝子組換え)、アダリムマブ(遺伝子組換え)及びトシリズマブ(遺伝子組換え)は含まれるが、金チオリンゴ酸ナトリウム、オーラノフィン、D-ペニシラミン、サラゾスルファピリジン、ブシラミン、ロベンザリット二ナトリウム及びアクタリットは含まれない。
リウマトレックス、ブレディニン、アラバ、レミケード、エンブレル、ヒュミラ、アクテムラは含まれるが、
シオゾール、リドーラ、メタルカプターゼ、アザルフィジン、リマチル、カルフェニール、オークルなどは含まれない。
リウマトレックス、プログラフ、アザニン、イムラン、ブレディニンは免疫抑制剤。
レミケード、エンブレル、ヒュミラ、アクテムラは生物学的製剤。
リマチル、メタルカプターゼ、チオラ、リドーラ、アザルフィジン、オークル、モーバー、カルフェニールなどは免疫調整剤という分類になるらしい。
薬効分類番号で分類されていないのがもどかしい。
最近も抗リウマチ薬の新薬が色々と出ているようですが、ゼルヤンツは生物学的製剤だからハイリスクで、コルベットは免疫調整剤だからハイリスクじゃないのかなあ、とか思うけどどうなんでしょ。知ってる人いたら教えてください。
免疫抑制剤はその名の通り、免疫を抑制する薬。
すべての免疫機能を非特異的に抑制する。
免疫調整剤は、正常な免疫能には影響せずに異常な免疫機能を正常化する薬。
免疫抑制による感染症などに注意する必要は無いわけだ。
しかし、作用機序には不明な点が多い。
簡単に言えば、免疫抑制剤が強い薬で、免疫調整剤が弱めの薬。
DMARDs
・疾患修飾性抗リウマチ薬
・抗リウマチ薬
・確定診断から3か月以内の投与開始が推奨
・MTXはアンカードラッグ
・遅行性のため、根気強く服用するように指導
・腎障害例、肝障害例、高齢者には少量から投与を開始
・RAの免疫異常を補正することで疾患活動性をコントロールする薬効群
・近年、RAの罹病期間が短いほど本剤の効果が高いことが明らかになっており、確定診断から3か月以内の投与開始が推奨されている
・DMARDsは遅行性で、効果発現まで2~3か月を要する薬物が多い
・本剤の効果発現までNSAIDsや副腎皮質ステロイドを併用し、また、患者には根気強く服用するように指導する必要がある
・DMARDsの効果には個人差が大きい
・状態が改善しても本剤を中止すると再発しやすい
・長期投与により無効となる場合もある(エスケープ現象)
・副作用は消化器症状、皮疹、血液障害、腎障害、間質性肺炎などで、これらの発現率は用量に依存する
・薬物が蓄積しやすい患者(腎障害例、肝障害例、高齢者など)では少量から開始し、効果と副作用を確認しながら2~4週ごとに漸増する投与法が推奨されている
・これまでわが国では、軽症例には、効果は弱いが重篤な副作用が少ないミゾリビン、オーラノフィン、アクタリットなど、中等度の症例にはサラゾスルファピリジン、ブシラミン、金チオリンゴ酸ナトリウム、D-ペニシラミンなどが選択され、これらの薬物が無効な場合にメトトレキサートやレフルノミドが投与されることが多かった
・近年では欧米と同様に、MTXをアンカードラッグと位置づけ、副作用などにより本剤が投与できない場合に他のDMARDsを選択する専門医が増えている
・わが国のMTXの投与量は欧米に比べて少なく、生物学的製剤の有効性が十分に発揮されていない可能性を指摘する専門医が多い
・MTXは間歇投与のため、患者には毎日服用する薬物ではないことを説明しておく必要がある
・LFMについては開始用量と維持用量が異なることの説明が必須
生物学的製剤
生物学的製剤はサイトカイン阻害薬と細胞標的薬がある。
細胞標的薬としては、リンパ球の膜抗原であるCD3を標的としたムロモナブ-CD3と、ヒトIL-2受容体α鎖を標的としたバシリキシマブが臓器移植に使われる。
また、B細胞の膜抗原であるCD20を標的としたリツキシマブは、悪性リンパ腫の治療薬だが、近年全身性エリテマトーデス(SLE)や関節リウマチ(RA)の一部に試みられている(保険適応外)。
米国ではRAに対して承認されたが、SLEでは有用性が証明できなかった。
アバタセプトは、抗原提示細胞とT細胞の相互作用に関わるCD28の結合を阻害する。
2010年にRAに対して承認されたが、SLEに対しても試みられている。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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2 件のコメント
アバタセプト使用後に出現した副腎癌の症例があります。悪性腫瘍の発生リスクは薬学会の実臨床ではどれくらい報告がありますか?
コメントありがとうございます。
そのような質問は、メーカーに確認するのが適当かと思われます。