冷所って何℃？

冷所保存の温度

15℃でも冷所？

皆さんの薬局の冷蔵庫は何℃に設定されているでしょうか？

電気代の高騰の影響や、夏の電力需給がひっ迫した際に節電要請されることもあり、エアコンや冷蔵庫の設定温度を上げるよう指示されることがあります。

エアコンの設定温度は28℃でしょうか？
エアコンの性能が悪かったり、機能が衰えてくると、設定温度を28℃にしても28℃にはならず、30℃超えてしまうこともあります。設定温度を28℃にするのではなく、室温が28℃になるように設定することが必要です。

日本薬局方には次のように書かれています。

標準温度は20℃，常温は15 ～ 25℃，室温は1 ～ 30℃，微温は30 ～ 40℃とする．冷所は，別に規定するもののほか，1 ～ 15℃の場所とする．

30℃を超えると室温ではなくなります。

意外ですが、冷所は15℃までOKです。
とはいえ、インスリン製剤の貯法は添付文書上「凍結を避け、2～8℃で保存」と記載されているので、冷蔵庫の設定温度15℃とかにしてはいけません。
冷蔵庫の設定温度上げたとしても6℃くらいが限界でしょうか。

家庭用の冷蔵庫は、大体２～６℃らしい。食中毒細菌の多くは、人の体温と同じくらいの37℃前後で最も増えやすくなっている。それ以下の温度（特に10℃以下）で細菌の増殖は極端に遅くなるという。

また、１℃以上が冷所なので、寒冷地では０℃以下にならないように冷蔵庫に保管したほうがよい薬もある。

冷蔵庫内は室温

先日、点眼液の袋に「室温で保存すること」と書かれていて、患者さんから「目薬はいつも冷蔵庫に保管しているけど、この目薬は室温で保管しないとダメなの？」と聞かれた。

「冷蔵庫も室温です。」

冷蔵庫の冷蔵室の設定温度は、約2～6℃とされており、寒冷地でも冷蔵室内の食品が凍らないように一定となっています。
室温は1 ～ 30℃なので、冷蔵室内も室温であり、冷蔵庫に保管する＝室温保存となり、雑菌の繁殖も防げるので、目薬は冷蔵庫に保管するのがベターです。リザベン点眼液など冷蔵庫内に保管することを避けるように記載されている薬以外は冷蔵庫での保管は勧められます。