2024年11月4日更新.2,470記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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リクシアナ錠60mgの半錠を30mg錠に変えちゃダメ?

リクシアナ60mg半錠の指示

薬剤師の皆さん、今日も錠剤割りましたか?

ワーファリン錠の半錠はよくありますね。
プレドニン錠の半錠はちっちゃくて割りにくい。
メルカゾール錠の半錠は粉々に砕ける。

基本的に、半錠に割るという行為は、調剤者のテクニックにも左右されるが、バラつきが生じる恐れもあり、可能であれば散剤などの代替薬を提案したい。半錠を作るという調剤行為は面倒でもあるし、分包機が一包化などで使用されている場合には、患者さんを待たせることにもなるので避けたいし。
例えば、「レンドルミン錠0.25mg 0.5錠」という指示があれば、何も悩まず、半錠に割って調剤する。代替薬が無いから。(ジェネリックにはブロチゾラム錠0.125mg「NP」というのもあるようだが、そこはとりあえず考えない)

「オルメテック錠10mg 0.5錠」
「ユリノーム錠50mg 0.5錠」
といった処方であれば、それぞれオルメテック錠5mgとユリノーム錠25mgという規格があるので、疑義照会してそれらの薬を提案することを考える。

しかし、成分にばらつきが生じる恐れ、調剤時間の短縮、といったことのほかに、もう一つ考えなければならないことがある。
薬価です。
リクシアナ錠60mg 0.5錠
この処方を安易に、30mg1錠に変えようものなら患者からクレームがくる恐れがある。

なぜならリクシアナ錠30mg1錠の薬価は538.4円、リクシアナ錠60mg0.5錠の薬価は272.8円と約半額だからである。
30日分で考えると16152円と8184円。約8000円の違い。3割負担なら2400円くらいの違いになる。大きい。

オルメテックとユリノームの場合は、
オルメテック錠5mg1錠の薬価は31.5円、オルメテック錠10mg0.5錠の薬価は29.65円、
ユリノーム錠25mg1錠の薬価は14円、ユリノーム錠50mg0.5錠の薬価は12.8円、とリクシアナほどの薬価差は無いため大きな問題にはならない。

私の知る限りではリクシアナ錠のケースしか知らないが、このような薬価の設定は止めてもらいたいものです。

リクシアナの適応症

リクシアナ錠60㎎を半分に割って調剤する際の懸念としては、適応症がある。

整形外科領域の「下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制」という適応を、60㎎は持たないのである。
添付文書上に上のような表も記載されており、メーカー的には60㎎半錠で調剤されると損するわけなので、30㎎を使わないと保険請求上切られる恐れがありますと、言うわけだ。
支払い側としては、安い方がいいわけなので、切られるリスクは低いだろうけどね。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

4 件のコメント

  • 名無し のコメント
         

    僕はサムスカで似たようなケースを見たことがあります。15mg0.5錠と7.5mg1錠はかなり値段差があってビックリしました…

  • 大橋明 のコメント
         

    リクシアナ60を毎日服用しておりますが時々足に出血があります。掻いたりしますと血が出ます。
    薬剤師の話ではリクシアナ60の副作用ではないかと言われております。リクシアナ30程度で良いのではないかと言われております

  • 大橋明 のコメント
         

    次回に医師にも相談しますが、60を半分にして服用しても良いでしょうか

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    リクシアナのような血液サラサラにする薬で、出血やあざの副作用はほぼ必発です。60を30にすれば出血が無くなるかといえば、そうとも言えないでしょう。「何もしていないのに足から出血がある」となれば即中止でしょう。「恐らく足が痒くて掻いている」というのが原因かと思われます。
    そのため、医師に相談した際に、医師の判断としては、リクシアナの減量、中止、他の薬への変更、痒み止めの処方などが考えられると思います。
    医師がどういう判断をするのか、患部の状態を見て、他の出血徴候を聞いて、場合によっては皮膚科医への相談など、実際に話を伺わないとわからないと思いますので、私がここで減量してもよいと伝えられることではありません。
    よほど気になる出血の程度であれば、早めに受診し医師に相談することをおすすめいたします。

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